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掲載日:2025年12月22日
Q 千葉達也 議員(自民)
2025年3月31日、国内では97例目、千葉県では初となる豚熱が発生しました。千葉県旭市は国内有数の養豚密集地帯であり、万が一続発すると制御不能に陥ることが容易に想像できる地域でしたが、結果として発生は1件にとどまりました。続発を危惧することなく地域の生産が回ったのは、県が移動式レンダリングにより死体処理を遂行したことが大きかったと言われております。今回のことで、レンダリングは少なくとも豚熱に関してはまん延防止と発生農場の早期再開、両方を可能にして国内の養豚を守る重要な対策だと実感をいたしました。
レンダリングは焼却のために必要な前処理を行うものです。移動式レンダリング装置は、死体の投入口、破砕ユニット、生成物の排出口、ボイラーから構成されます。生成物を密閉容器に入れると、発生農場から安全に持ち出しができるようになります。
家畜伝染病予防法によると、殺処分した疑似患畜は焼却し、又は埋却しなければならないとあり、死体の処理方法として埋却に先んじて焼却が書かれています。にもかかわらず、レンダリングが進まない理由は、1、コストが膨大であること、2、殺処分以外に膨大な人員が必要であること、3、密閉容器運搬車両等の膨大な資機材が必要なこと、4、設置場所、生成物置場、焼却施設等、レンダリングに関係する場所、施設が必要であることなどが挙げられます。しかし、やはり一番の理由はコストであると考えます。
一方、埋却の問題点は、1、面積を確保していても実際は埋却できず、防疫措置が遅れる可能性があること、2、埋却した後に環境汚染が起き、発生農場も地域住民も生活を脅かされる可能性があること、3、再開時に再度埋却地の確保が必要になり、再開の妨げになることなどが挙げられますが、特に悪臭、ハエの大量発生、河川や農業用水の汚染などの環境汚染は、発生農場だけでなく地域住民をはじめとした多くの人々を苦しめ、本来のまん延防止という目的を果たせないおそれすらあります。環境汚染は、発生農場にとっても、防疫に責任を持つ県、国にとっても、地域住民にとっても大きなリスクとなっており、お金では解決できない、あるいはかえって費用がかかってしまうことになるかもしれません。
国が最大のネックとしているコストについては、事前の準備の中で軽減される必要はあると思いますが、千葉県の事例を参考にしつつ、埼玉県においてもレンダリングの準備にすぐにでも取り掛かる必要があると考えますが、農林部長のお考えをお伺いいたします。
A 竹詰一 農林部長
家畜伝染病予防法では、殺処分した家畜は焼却又は埋却することが求められます。
牛及び豚は体が大きく焼却が困難であることから、これまで畜産農家に埋却地を確保するよう指導してまいりました。
埋却は、迅速性に優れた処理方法ですが、他県では掘削時の地下水湧出により埋却ができなかった事例や、不十分な埋却処理により環境に影響が生じた事例があります。
他方、レンダリング処理は、埋却が不要となるため、これらの課題は生じませんが、埋却に比べて処理後の生成物の焼却コストがかなり高くなることや、処理装置の設置場所確保などが課題です。
特に、設置場所につきましては、3千平方メートル以上の広い面積や大型車両が進入できる接道等の要件があるため、候補地の事前調査が必要となります。
そこで、県では、使用実績のある他県の情報を基に本県における設置場所の要件を整理し、市町村の協力のもと候補地調査を実施しているところです。
今後も、レンダリングを含め現場の状況に応じた防疫措置の準備を進め、家畜伝染病のまん延防止に努めてまいります。
再Q 千葉達也 議員(自民)
先ほど部長の方からはレンダリングを進めるというふうなお答えを頂いたと認識をいたしております。
その際に、搬入路も含めて道路付きの広い土地が必ず必要となると思うんです。そうなったときにそれを市町村に任せるだけではなくて、県としてもそれを探すことを市町村と一緒に連携して行うべきだと思いますが、それについてもう一度お答えをお願いいたします。
再A 竹詰一 農林部長
家畜伝染病予防法では、都道府県は国及び市町村と協力して、家畜伝染病の発生予防とまん延防止に努めるものとされています。
現在、レンダリング装置の設置の候補地の調査を実施しているところですが、市町村の回答取りまとめに先立ち、管内の家畜保健衛生所による説明会等も実施します。
また、選定された候補地については、家畜防疫員である家畜保健衛生所職員が市町村と共に現地調査を行うなど積極的に取り組んでまいります。