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掲載日:2025年7月8日
Q 新井豪 議員(自民)
小学校で行われている「生い立ちを振り返る授業」についてお伺いいたします。
子供の生い立ちを振り返る授業、(通称)生い立ちの授業は、おおむね小学校2年生の授業で行われます。子供の名前の由来、出生時の身長と体重、ゼロ歳児から年ごとに写真を用意させ、エピソードも詳細に記述させて、授業で発表するというものであります。授業参観という形で行われることが多く、親たちが参観する中で子供たちが育ててくれてありがとうとみんなで感謝する、一見すばらしい授業のように見えます。
しかし、この授業は里子や施設で養護を受けている子供たち、その保護者にとっては大きな苦痛を伴います。そこで、この授業には十分な配慮が必要であると私が一般質問したのが8年前でありました。そのときの答弁では、こうした配慮について教員研修による徹底と、各校長への指導が約束されました。
それから約7年が経過し、私の長男が小学2年生になりまして、生い立ちの授業の課題が出されたのが昨年の年明けであります。この課題の内容は、8年前当時と全く変わらない、何の配慮もされていないものでありました。さらに、担任の先生と面談した際には、教員研修について尋ねたところ、生い立ちの授業のことは何も聞いてないとの返答でありました。
この現状を受けまして、昨年2月定例会の文教委員会においてこの生い立ちの授業について再度質問したところ、指導が行き届いていなかったと考えている、改めて教員一人一人への指導を徹底していくと教育長から答弁があり、さらにこの授業に対して社会的擁護を受ける児童生徒への配慮を求める文書を全市町村の教育長宛てに通達していただきました。
しかし、私が調査したところ、依然として配慮をせずに授業が行われている実態が多くあります。子供の名前の由来を記述させることで苦痛を覚えるのは、社会的擁護を受ける子供だけではありません。離別、又は再婚した家庭の子供の名前が前の父親の由来であることも多々あり、名前の由来の記述で苦慮した母親の体験談をたくさん聞いております。
そこでお伺いいたしますが、配慮が必要な家庭の事情を学校は全て把握しているのか、又は把握するべきなのかを含め、この授業に対しての配慮がされていない現状についての御見解を教育長にお願いいたします。
A 日吉亨 教育長
主に小学校2年生の生活科で行われている、いわゆる「生い立ちを振り返る授業」は、これまでの自分の生活や成長を支えてくれた人々への感謝の気持ち、これからの成長への願いを持って意欲的に生活できるようにすることを目指して実施しているものでございます。
この授業では、それぞれの家庭の事情、特に生育歴や家族構成などには、教員として完全に把握するということは難しいと考えられることから、その点十分踏まえて配慮することが必要であると考えております。
県では、令和6年4月に指導において配慮すべき事項を示した通知を市町村教育委員会を通じて、各学校へ周知しました。
一方で、県では、議員のご指摘を踏まえ、改めて、当該地域の各小学校の指導方法を確認したところ、本来は、様々な事情をもつ家庭があることに配慮して行うべきところを、一部の学校において、一律に幼児期から時系列で振り返りを行わせ、また、幼児期の写真等を持参させるなどの指導が行われておりました。
このような指導は、学習指導要領解説や、県の通知を踏まえますと、配慮がなされていないものであり、改善すべき状況と考えております。
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