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ページ番号:281891

掲載日:2026年4月30日

これって何ですか?

この記事はニュースレター第71号(令和8年4月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

これって何ですか?

Answer - お答えします

化学物質・環境放射能担当 落合祐介

これは「モニタリングポスト」と呼ばれ、放射線を測る装置です。私たちの身近な生活環境で飛んでいる放射線を24時間測定しています。現在、県内6か所に設置されており、測定したデータは原子力規制委員会のホームページに公開されています(1)

放射線って何?

新聞やテレビなどで「放射性物質」、「放射能」、「放射線」などの用語を耳にしたことはないでしょうか?これらの言葉は似ていますが、それぞれ異なる意味を持っています。まず、「放射性物質」とは放射線を出す能力を持った物質のことです。この放射線を出す能力を「放射能」、そして物質から飛び出してくるエネルギーを「放射線」と呼びます。これだけではイメージしにくいので、電球に例えてみましょう。電球という物が「放射性物質」、電球が持つ光を出す能力が「放射能」、そして電球から出た光が「放射線」にあたります。

また、モニタリングポストは「空間放射線量率」を測定する装置で、単位はGy(グレイ)/時で表されます。この「空間放射線量率」とは、その場所での1時間あたりの放射線量のことです。なお、「放射線」がヒトに与える影響を考えるときは「実効線量率」という指標が用いられ、単位はSv(シーベルト)/時で表されます。一般的に、モニタリングポストの「空間放射線量率」と「実効線量率」の関係は次のように評価されています。

1 Gy/時=1 Sv/時

放射線ってどれくらい飛んでいる?

では、県内の放射線量は現在どの程度であるのでしょうか?さいたま市のモニタリングポストで測定された1日ごとの空間放射線量率(平均値)について(2) 、2010年1月から2025年12月までの結果を図1にまとめました。福島第一原子力発電所事故が起こる前年(2010年)の空間放射線量率は32~41 nGy/時でしたが、事故が発生した2011年3月には239 nGy/時を観測しました。しかし、その後は空間放射線量率が急速に低下し、2025年における空間放射線量率は41~51 nGy/時でした。つまり、私たちの身の回りにおける現在の放射線量は、事故前とほぼ変わらない水準に落ち着いています。ちなみに、 「n(ナノ)」という文字は10億分の1を表す文字ですので、次のような意味になります。

1 nGy/時=0.000000001 Gy/時

モニタリングポストの役割は?

昭和29年に発生したビキニ環礁における核実験をきっかけに国内で環境放射能調査が開始されました。現在では、47都道府県で大気、土壌などのいわゆる環境試料だけでなく、農畜水産物や水道水など幅広く調査が行われています。モニタリングポストを用いた空間放射線量率の調査もこの一環です。これらの調査の目的の1つは、過去に発生した核実験や原子力発電所事故による放射能汚染の経年変化を把握することです。そして、もう1つの重要な目的として、環境中に放射性物質が万が一漏出した際に、その影響を把握することです。モニタリングポストは放射線量を常に測定しているので、その結果を誰でも簡単に確認することができます。つまり、モニタリングポストは県民生活の安心・安全を支える必要不可欠な装置の1つです。

図1 モニタリングポスト(さいたま市)における空間放射線量率

※市内で調査地点の変更が2度あったことから、地点ごとの結果を色別で示した

参考資料

(1) 原子力規制委員会ホームページ

https://www.ramis.nra.go.jp/, (参照 2026-04-02)

(2) 原子力規制庁,環境放射能・放射線データベース

https://www.envraddb.go.jp/, (参照 2026-04-02)

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 化学物質・環境放射能担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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