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掲載日:2023年1月16日

埼玉県の川をもっときれいにするにはどうすれば良いの?

この記事はニュースレター第17号(平成24年10月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

埼玉県の河川の水質はどうなっていますか?どうすればもっと良くなりますか?

Answer - お答えします

水環境担当 木持 謙

埼玉県における河川水質の現状

埼玉県は、海や大きな湖沼はないものの数多くの河川が流れ、水辺環境に恵まれています。かつて汚濁が著しかった河川も含め本県の河川水質は大幅に改善しており、平成23年度は、BOD環境基準が設定されている34河川44水域のうち、39水域で基準を達成しました(達成率89%)。基準達成率を過去10年程度遡ってみても、10年前は60%台だったものが近年は90%前後で推移しており、水質の改善がうかがえます。

このように、本県では多くの河川で着実に水質が向上していますが、今なお水質改善が求められる河川も存在します。一体どうしたらよいでしょうか。平成23年版埼玉県環境白書によれば、県内河川へのBOD汚濁負荷量は90.8t/日(平成22年度)であり、発生源別で見ると生活系が71.7%を、特に未処理の生活雑排水が47.5%と全体のほぼ半分を占め、生活排水処理施設の整備が重要と考えられます。

埼⽟県の⽣活排⽔対策の⽅向性

埼玉県では、市町村と連携・協力し、広域的な視点から?活排?処理施設の整備を計画的に進めるため、「埼玉県生活排水処理施設整備構想(以下「本構想」といいます)」を策定し県内全域での生活排水処理、施設の整備を目指しています。過去には、平成10年度に「埼玉県生活排水処理総合基本構想」が、平成16年度にこれを見直した「埼玉県生活排水処理施設整備構想」が策定されており、本構想は後者をさらに見直したものです。また、本構想の想定期間は平成23年度から平成37年度までの15か年であり、基準年度、中間目標年度及び最終目標年度がそれぞれ平成20年度、同32年度及び同37年度に設定されています。構想のポイントは、(1)生活排水処理人口普及率100%達成目標年度の設定、(2)人口減少をふまえた生活排水処理施設整備手法の設定、(3)浄化槽を積極的に整備する浄化槽整備区域の設定です。(1)では、目標年度を平成37年度に設定しています(図)。(2)では、県が示した基本方針に基づき、県内全市町村が個々の現状・将来の状況等を考慮しつつ整備手法を見直しています。(3)では、市町村が積極的に浄化槽の整備を推進する区域として「浄化槽整備区域」を設定しています。

本構想に基づき、目標年度の平成37年度に生活排水処理人口普及率100%が達成されたと仮定した場合、基準年度の平成20年度では県内河川におけるBOD3mg/L以下の河川の割合が約72%であったものが、全河川に及ぶ(100%)と予測されています。

埼玉県生活排水処理施設整備構想における整備手法別の処理人口構成比率の推移のグラフ

図 埼玉県生活排水処理施設整備構想における整備手法別の処理人口構成比率の推移
(出典:同構想p.20,図4-2-1)

川をきれいにするために私たちができること

河川水質を改善する上では、特に生活排水対策が重要ですが、例えば、単独処理浄化槽の合併処理浄化槽への転換ひとつとっても、家屋等が地上にあり排水の配置を変更できない等の理由で、単独処理浄化槽を当面使用せざるを得ない場合もあります。そのような状況でも、汚濁発生源対策、特に台所排水対策を入念に実行すれば、水環境への汚濁負荷を大きく削減できます。加えて、浄化槽の保守点検・清掃・法定検査すなわち維持管理の適正な実施や、処理水排出先の道路側溝の定期的な清掃等も、汚濁負荷削減効果が大きいのです。第一に、汚水・廃棄物の排出量自体の削減に努める、その次に、排出しなければならない汚水は適切な処理の後に排出する、という意識と行動が大切です。

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環境部 環境科学国際センター  

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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