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掲載日:2024年4月18日

「PRTR制度」って何ですか?

この記事はニュースレター第63号(令和6年4月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

「PRTR制度」って何ですか?

Answer - お答えします

土壌・地下水・地盤担当 髙沢麻里

※問合せは化学物質・環境放射能担当まで

みなさんが化学物質と一緒に、かつ安全に暮らしていくために国が定めた法律です。ヒトや生態系に悪影響を及ぼすかもしれない化学物質を選び出し、これらがどこからどのくらい自然環境中に出て行ったのか、を毎年集計し、公表しています。

PRTR制度

PRTR制度とは、化学物質の「移動」(なにがどこからどのぐらい)を知るためのしくみです(PRTR: Pollutant Release and Transfer Register)。2024(令和6)年3月時点で、世界には約2億種類以上の化学物質があると言われています1)。これらはヒトや生態系に良いものもあれば、残念ながら悪いものもあります。皆さんが化学物質と一緒に、かつ安全に暮らしていくには、これらを管理していく必要があります。そのための法律の一つが 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」です(別名 「化管法」 や 「PRTR法」)。この法律では、ヒトや生態系に悪影響を及ぼすかもしれない化学物質(揮発性炭化水素、有機塩素系化合物、農薬、金属化合物、オゾン層破壊物質など)が選ばれていて 、これらはPRTR物質と呼ばれています。2021(令和3)年10月には13年ぶりにPRTR物質の見直しがあり、ちょうど今月(令和6年4月)の届出分から、第一種指定化学物質 515物質、第二種指定化学物質 134物質となりました(改定前 第一種:462物質、第二種:100物質)2)。第一種指定化学物質を使ったり作ったりする工場などは、そこから出した量(排出量)やどこかへ移動させた量(移動量)を県に知らせなければなりません。これを 「届出」 と言います。県は届出のあった排出・移動量を整理し、国へ報告します。国は全国から届出のあった排出・移動量を整理し、その集計結果を皆さんへ向けて公開しています(図1)。

図 PRTR制度の概略図

図1 PRTR制度の概略図

埼玉県における取り組み

埼玉県ではPRTR制度に加え 「取扱量※1」 を知るためのしくみがあります(埼玉県生活環境保全条例)。これは埼玉県民の安全を守るために、PRTR制度が作られる10年前の1989(平成元)年からスタートしたものです。現在では第一種指定化学物質515物質に加え、県が独自に選んだ14物質の取扱量をまとめています3)。一方、CESSではこの情報を活用した研究を進めています。特に環境リスク※2の高い化学物質に注目し、これらの化学物質が川や湖の水に入っているかいないか、一度に素早く測定する方法を作ろうとしています(図2)。これは主に、大きな地震や事故などによって工場からPRTR物質が外へ出て行ってしまった時に、何がどれくらい出て行ったのか、いち早く知るためです。CESSでは、これからも埼玉県の安全を守るための研究を積極的に進めていきます。

図 化学物質漏洩時の迅速分析に向けた研究概要

図2 化学物質漏洩時の迅速分析に向けた研究概要

※1 取扱量:事業所において取り扱った特定化学物質の量。使用量、製造量、取り扱う量の合計

※2 環境リスク:様々な環境要因がヒトや生態系に悪影響を及ぼす可能性。詳しくはニュースレター第22号を参照

(参考文献)

1) ケミカルアブストラクト, https://www.cas.org/cas-data/cas-registry, 2) 環境省HP, https://www.env.go.jp/press/110089.html, 3) 埼玉県HP, https://www.pref.saitama.lg.jp/a0504/kakanhou/syukei.html

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 土壌・地下水・地盤担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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