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掲載日:2019年1月30日

昨年、温暖化対策の新しい法律として、気候変動適応法(適応法)という法律が出来たと聞きました。どのような内容ですか?

*この記事はニュースレター第42号(平成31年1月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

昨年、温暖化対策の新しい法律として、気候変動適応法(適応法)という法律が出来たと聞きました。どのような内容ですか?

Answer - お答えします

研究推進室 嶋田 知英

  温暖化対策とは、温暖化の原因となっている二酸化炭素などの温室効果ガスを減らすことだけだと思っている方は多いと思います。確かに、温室効果ガスの削減は、最も重要な温暖化対策であることに間違いはありません。この様な大気中の温室効果ガス濃度を減らし温度上昇を食い止める対策は「緩和策」と呼ばれ、温暖化に対する根本対策です。しかし、様々な研究の結果、最大限温室効果ガスの排出量を減らしたとしても、将来の気温上昇を完全に止めることが出来ないことが明らかになっています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2014年に発行した第5次評価報告書でも、最も強力に排出削減を行ったシナリオでさえ、今世紀末には20世紀末より、およそ1℃気温が上昇してしまいます。

 そこで、近年、注目されているのが、温暖化による悪影響を軽減し、リスクに備える「適応策」と呼ばれる対策です。図1に緩和策と適応策の関係を模式的に示しました。適応策とは、温暖化による悪影響を雨にたとえれば、その雨から人々の暮らしを守る傘のような存在だと言って良いでしょう。

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図1 温暖化緩和策と適応策の関係

 具体的な適応策としては、農業分野では、高温耐性品種の育成や熱帯性作物の導入、河川砂防分野では、治水設備の整備やハザードマップの活用、健康生活分野では、熱帯性感染病に対するワクチンの開発や熱中症対策としての緑化の促進などがあります。その他にも分野ごとに多様な対策が考えられています。

 このように、今や、温暖化対策とは、緩和策だけではありません。車の両輪の様に、適応策も同時に進めるべきだと考えられています。しかし、1998年に成立した温暖化対策の基本法である温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)には、適応策に関する記述は全くありません。そこで、やっと、2018年6月に適応策の基本法として気候変動適応法(適応法)が可決成立しました。それにより日本における適応策の法的位置づけが、はじめて明確化されました。

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図2 気候変動適応法における4つの柱

 適応法では、図2の様に大きく4つの柱が掲げられました。適応策は地域によって異なる気候や地形、社会産業構造に対応した対策を行う必要があるため、法律では、地域における適応の強化が明示され、自治体が果たす役割は大きいとしています。

 埼玉県は、自治体としては、比較的早い段階から適応策に取組んで来ました。2009年に策定した埼玉県の温暖化対策実行計画である「ストップ温暖化埼玉ナビゲーション2050」にいち早く適応策を明示し、2016年には、自治体としては最も早く適応計画も策定しました。また、適応法の施行に合わせ、2018年12月1日には、全国初の「地域気候変動適応センター」を環境科学国際センターに設置したところです。今後、地域気候変動適応センターを通じ、地域の適応策を推進するための情報発信を積極的に行ってゆく計画です。

 

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郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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