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掲載日:2022年1月12日

都市における地球温暖化対策はどのように進める必要がありますか?

この記事はニュースレター第54号(令和4年1月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

都市における地球温暖化対策はどのように進める必要がありますか?

Answer - お答えします

温暖化対策担当 原 政之

都市では、地球温暖化だけではなく都市ヒートアイランドによる気温上昇も無視できません。また、郊外と比較すると、よりたくさんの人が集まり、よりたくさんのエネルギーを使っています。このようなことから、都市域では地球温暖化対策として、省エネルギーなどによって温室効果ガスの排出を減らしつつ、影響を回避する対策を進める必要があります。

気候変動の現在・将来

2021年8月に、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会第6次評価報告書が公表されました。この報告書では、人間活動の影響が大気・海洋・陸域が温暖化させたことに疑う余地はないと記されています。地球全体の平均地上気温は、1850〜1900年から2010〜2019年に0.8〜1.3℃上昇したと推定されいます。更に、2081〜2100年には、温室効果ガス排出量を大幅に削減したシナリオでも1.0〜1.8℃、温室効果ガス排出量の削減が進まなかったシナリオでは3.3〜5.7℃、それぞれ気温が上昇すると予測されています。また、同報告書では、都市域では都市ヒートアイランドによって局所的な気温上昇が生じており、熱波の頻度や深刻さが増しているとも指摘しています。2021年11月に英国グラスゴーで行われた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、産業革命以前からの気温上昇を+1.5℃以下に抑える努力を追求するとの決意が成果文書に記載されました。

都市における気候変動対策の重要性

現在、世界人口の55%は都市に集中し、温室効果ガスの70%は都市から排出されています。更に、都市にはインフラが集中し、気候変動に対して脆弱であると考えられます。このため、都市の気候変動対策はその重要性を増しつつあります。地球温暖化対策としては、地球温暖化による悪影響を受けないようにするための対策(適応策)も重要ですが、温室効果ガス排出量の削減(緩和策)が唯一の根本的な対策です。先進国では2050年までにカーボンニュートラルを達成することが求められている現状において、少しでも緩和策を進めるために、適応策を考える際にも適応策と緩和策のベストミックスの可能性を追求する必要があります。暑熱環境悪化を例にして、対策を考えてみましょう。冷房は室内の気温は下げますが、室外機から熱を排出します。地球温暖化で外気温が上昇すると、室温を維持するためには冷房を強くする必要があり、室外機からさらに多くの熱を排出します。その結果、図1のように冷房で多くのエネルギーを使いCO2排出量が多くなったり、室外機からの排熱が増えて都市ヒートアイランドが強まるといった正のフィードバックが起こることが考えられます。

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図1 暑熱環境における人間活動と気象のフィードバック

適応策だけを考えるのであれば熱中症にならないために冷房使用を推奨するという策が考えられますが、緩和策についても考慮する場合には冷房の高効率化、住宅やビルの断熱化、再生可能エネルギーへの転換なども同時に推進する必要があります。このように緩和策について念頭に置きつつ、適応策を考える支援を行うために、住宅性能や家電性能の向上などの地球温暖化対策によってCO2排出量や人工排熱量をどれくらい削減できるかを評価できるように、現在CESSではCO2・熱排出量簡易インベントリ推計ツール(図2)を開発しています。このツールにより、冷房の高効率化、住宅やビルの断熱化、地中熱ヒートポンプ導入などによりCO2排出量や人工排熱量をどれくらい削減できるかを評価することができます。

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図2 CO2・熱排出量簡易インベントリ推計ツール

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室  温暖化対策担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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