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掲載日:2020年2月13日

地下水汚染は、どのように調べているの? 自然的原因による地下水汚染ってなに?

*この記事はニュースレター第35号(平成29年4月発行)に掲載したものです。

Question - 質問します

地下水汚染は、どのように調べているの? 自然的原因による地下水汚染ってなに?

Answer - お答えします

土壌・地下水・地盤担当  石山 高

  築地市場の豊洲移転問題でも注目されている地下水汚染ですが、埼玉県では年に1回、県内約60箇所の井戸から採水した地下水を分析しています。この調査で環境基準を上回る化学物質が見付かった場合、その周辺の井戸を調べて汚染原因や汚染範囲を調査します(これを周辺地区調査と言います)。その結果、化学物質濃度が最も高かった井戸を継続監視井戸として設定し、年に1回又は2年に1回の割合で地下水中の化学物質濃度を継続的に測定しています(これを継続監視調査と言います)。現在、埼玉県では、揮発性有機化合物、ひ素、ほう素、硝酸性-亜硝酸性窒素など様々な物質を対象に、県内約210箇所の井戸で継続監視調査を行っています。

  皆さんは自然的原因により地下水が汚染される場合があることを知っていますか?自然由来の汚染は、ひ素やほう素などの金属成分のみで見られる特異な現象であり、埼玉県内でも数多く報告されています。これらの金属成分は土の中に元々存在し、ある条件になると土から地下水へ溶け出します。ここでは、埼玉県内に多数の継続監視井戸を抱えるひ素を対象に、その汚染メカニズムを解説します。

ひ素を含む地下水の特徴

  ひ素を含む地下水には、大きな特徴があります。それは、地下水の色とにおいです。汲み上げた直後の地下水は無色透明なのに、数時間経過すると茶色に変化する地下水(写真参照)には自然的原因によりひ素が溶け込んでいる場合が多く、このような地下水の多くは硫化水素ガスに特有の腐卵臭(温泉地で漂う腐った卵のようなにおい)を発します。

 

汲み上げ直後の地下水

  汲み上げ直後の地下水

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間経過後の地下水

  数時間経過後の地下水

 

 

 

 

 

 

 

 

自然的原因によるひ素汚染メカニズム(下図参照)

  地下水にひ素が溶け込む際に重要な役割を担っているのは、土の中に棲む微生物です。土の中には多種多様な微生物が棲息しており、土の中の有機物(植物が枯死したもの)を分解してエネルギーを得ています。微生物が有機物を分解する際に必要なものが酸素です。しかし、地上と違って、地下には酸素はあまり存在しません。では、土の中の微生物はどこから酸素を取り込むのでしょうか。実は、地下水に含まれている酸素を取り込んで、有機物を分解しているのです。地下水から酸素が取り除かれると、腐卵臭の原因である硫化水素が生成するとともに、土の中の鉄が溶けて地下水へ入り込みます(下図)。溶け出した鉄は無色透明ですが、汲み上げて大気中の酸素と接触すると茶色に変化します。つまり、茶色い物質は地下水に溶け込んだ鉄分なのです。では、ひ素はどこから溶け出すのでしょうか。ひ素は土の中の鉄に付着しています。鉄が溶けると、ひ素も土から溶け出し、地下水へと入り込むのです(下図)。

  私たちは汚染物質の濃度を測定するだけでなく、汚染原因が人間の産業活動に起因するものなのか、自然現象によるものなのかについても詳細に調査し、県内地下水の保全に取り組んでいます。

 

自然的原因によるひ素汚染メカニズム自然的原因によるひ素汚染メカニズム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 土壌・地下水・地盤担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2055

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