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掲載日:2022年11月2日

廃棄物処理によって温室効果ガスはどの程度排出するの?

この記事はニュースレター16号(平成24年8月)に掲載したものです。

Question - 質問します

家庭から捨てられているごみの大半は焼却されていると聞きました。それにより埼玉県内ではどの程度の温室効果ガスが排出されているのでしょうか?

Answer - お答えします

研究推進室 倉田 泰人

温室効果ガスの排出削減は重要な課題です。平成20年7月には、2050年までの長期目標として、温室効果ガスを現状から60~80%削減する目標を掲げた「低炭素社会づくり行動計画」が閣議決定されました。埼玉県としても「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050」を策定し、廃棄物部門でも温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。日本における廃棄物処理によるCO2排出量は総CO2排出量に対して約2%です。割合では少ないのですが、可能なところから削減していく必要があります。

廃棄物処理による温室効果ガスの排出

自治体が処理するごみ(一般廃棄物)は、処理施設まで運搬された後に、可燃ごみの焼却、不燃ごみ・粗大ごみの処理、資源ごみの選別・資源化が行われています。その後、資源として利用できないものは埋立地に処分されています。廃棄物処理における温室効果ガスの発生は、ごみ収集・運搬時の燃料起源、焼却施設の稼働電力や助燃用燃料起源及びごみ焼却時の排ガス成分、最終処分における燃料起源、埋立地ガス等を主としています。

平成20年度に県内で発生した一般廃棄物は約256万トンですが、その内78%が焼却処理されていました。廃棄物処理に伴う温室効果ガスの排出量は県内全体で約95万トン(CO2換算)、焼却施設からはその95%に当たる約90万トンが排出されているものと推算されました。ごみの焼却処理は、温室効果ガスの排出量に大きな影響を与えていることをこの推算値は示しています(図)

埼玉県における一般廃棄物焼却による温室効果ガス排出量の推移

図 埼玉県における一般廃棄物焼却による温室効果ガス排出量の推移

県内で発生した一般廃棄物の焼却量は、平成15年度をピークに21年度までの6年間に平均で1.5%ずつ減少しています。このペースで焼却量が減少すると仮定した場合、焼却処理により排出される温室効果ガスは平成25年度には約85万トン(CO2換算)と推算されます。それでは、より積極的に排出量を削減することはできないでしょうか。

温室効果ガスの排出を実質的に削減する手段として、ごみを焼却する際に発生する熱エネルギーから発電する廃棄物発電が有効とされています。県内自治体の焼却施設に設置されている発電施設による総発電量は約35万MWhであり(平成20年度実績)、発電により約19万トンのCO2が排出されないことと同等の効果があったと推測されます。この排出回避量は、県内の一般廃棄物処理における温室効果ガスの総排出量に対して20.8%分を削減することが可能であったことを示しています。

おわりに

温室効果ガスの排出量削減は重要です。そのためには、廃棄物の排出量そのものを削減することも大切ですが、貴重なエネルギーを産み出す廃棄物発電を一層活用することも重要とされています。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 資源循環・廃棄物担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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