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掲載日:2023年1月16日

「光化学スモッグ注意報」って何?

Question - 質問します

「光化学スモッグ注意報が発令された」と放送がありました。これって何のことですか?

放送を聞いたら、どうすればいいですか?また、埼玉県は全国一なのですか?

Answer - お答えします

大気環境担当

そうですね。夏の暑いときなどに、多くの皆さんが「光化学スモッグ注意報が発令されました。」という放送を聞いたことがあるのではないでしょうか。埼玉県は注意報の発令日数がとても多い県なんですよ。

光化学スモッグ注意報が発令されたら、目がチカチカするなどの健康被害にあわないように、

  • (1) 屋外での激しい運動は避ける、
  • (2) 目などに刺激を感じたらすぐ屋内に入る、
  • (3) 乳幼児、お年寄り、病弱な人は特に注意する、

などを心掛けてくださいね。

それでは、これからもう少し詳しく説明しましょう。

光化学スモッグとは?

「光化学スモッグ」とは「光化学オキシダント」の濃度上昇によって空気に「もや」がかかる現象のことです。

図1に表したように、自動車や工場からの排気ガスなどに含まれる窒素酸化物と、塗料や接着剤などに含まれている揮発性有機化合物が、太陽からの紫外線を受けて化学反応を起こすと「光化学オキシダント」という物質ができます。この濃度が高くなると、遠くの山やビルが「もや」がかかったように見えにくくなったりします。この「もや」が光化学スモッグです。このスモッグ(smog)という言葉は、煙(smoke)と霧(fog)からイギリスで作られた合成語です。

「光化学スモッグ注意報」は「光化学オキシダントの濃度が高く、その状態が継続すると認められることを知らせる注意報」のことで、健康被害を受けないように注意する必要があります。

光化学スモッグの発生のしくみのイメージ図

図1 光化学スモッグの発生のしくみ

身体にはどんな影響があるの?

光化学オキシダントの影響を受けやすいのは、外気に直接触れる目や呼吸器です。主な症状としては目の痛み、咳、気分の悪さなどが挙げられますが、まれに重症化すると呼吸困難、手足のしびれ、めまい、頭痛、発熱、嘔吐、意識障がいなどの症状を引き起こすこともあります。身体影響には個人差が大きいので、周囲の人たちが何ともなくても自分だけ症状が表れる可能性もあります。幼児、子供、病弱な人、特にアレルギー性の結膜炎や喘息などの持病がある人は一層の注意が必要です。

万が一症状が出たときは、屋外での激しい運動は避け、目を洗ったり十分にうがいをしたりして、なるべく窓またはカーテンを閉めた屋内で休みましょう。症状が回復しないときは、早めに医師の診察を受けましょう。

光化学オキシダントの影響はマスクなどでは予防できません。光化学スモッグ注意報が発令されたら、外気に触れないよう屋内で過ごしましょう。そして、注意報が解除になったときにも発令時と同様に放送等によってお知らせがありますので、屋外での用事はそれまで我慢しましょう。

埼玉県ではどれくらい?

埼玉県は光化学スモッグ注意報が発令される回数がとても多い県です。平成22年には25回の発令があり、その回数は全国第1位でした。この年に限らず、埼玉県は光化学スモッグ注意報の発令回数が全国一多い県で、図2に表したように最近の20年間は1位の年が12回、3位以内が18回という注意報多発県です。

都道府県別順位のグラフ

図2 埼玉県の光化学スモッグ注意報発令回数の都道府県別順位

光化学スモッグ注意報はずっと発令されているわけではなく、特定の日の限られた時間に光化学オキシダントの濃度が上昇するために発令されます。

光化学オキシダントの濃度が高くなりやすいのは、(1)5~9月頃の、(2)日差しが強い晴れ又は薄曇りの日で、(3)気温が25℃以上あって、(4)風の弱い日です。埼玉県では、午後の3~5時頃に光化学オキシダントの濃度がその日の最高になることが多いようです。

光化学スモッグ注意報などの基準は、下表のように決められていますので覚えておくといいでしょう。

光化学スモッグ注意報などの用語の解説

用語

光化学オキシダントの状況

光化学スモッグ予報

濃度が上昇し、注意報等の発令が予想されるとき

光化学スモッグ注意報

濃度が高く、その状態が継続すると認められるとき

光化学スモッグ警報

さらに濃度が高く、その状態が継続すると認められるとき

光化学スモッグ重大緊急報

非常に濃度が高く、その状態が継続すると認められるとき

埼玉県では、ふだんから光化学オキシダントの原因物質である窒素酸化物や揮発性有機化合物の排出量を削減するため、工場・事業場の規制や自動車対策を行っています。また、光化学スモッグ注意報等の発令時には、ばい煙発生事業者や揮発性有機化合物排出事業者に対し燃料使用量の削減を求めたり、燃焼管理の徹底、不要不急の燃焼の自粛等、揮発性有機化合物排出量の削減について協力を求めたりして、光化学オキシダント濃度の上昇を抑制する対策をとっています。

おわりに

国や地方自治体では、「光化学スモッグ注意報」が発令されないようさまざまな取組を行っていますが、「光化学スモッグ注意報」の発令日数はなかなか減りません。「光化学スモッグ注意報」が発令されたときには健康被害を起こさないために家の中に入るなど、一人一人が自己防衛対策をとるとともに自動車使用の自粛をお願いします。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究推進室 大気環境担当

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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