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掲載日:2025年12月24日
Q 小久保憲一 議員(自民)
本県では、令和4年10月より、医科、歯科、調剤の療養の給付について現物給付を実現をし、現在では18歳年度末まで全県窓口無料となりました。知事の御英断を高く評価いたします。
しかし、柔道整復、あんまマッサージ、鍼灸の療養費は受療時の窓口10割負担、後日償還払いの仕組みのままです。例えば、捻挫や打撲では整形外科受診の医療費は窓口無料ですが、柔道整復等の受療の療養費は全額自己負担後、市町村への償還払い手続が必要です。結果、一連の傷の治療が制度上分断され、保護者の事務負担が生じ、治療選択が経済的理由で制限される懸念があります。
現在、県内37市町村では、受療委任の特例措置で窓口負担ゼロを実施していますが、市町村で取扱いが異なり、サービス格差が生じています。窓口負担ゼロの施設は令和7年9月現在、県内1万956施術所のうち、導入済み3,076施術所、3割にとどまります。
一方、医科、歯科、調剤の療養の給付は受診時負担はゼロ、医療機関が国保連合会や支払基金にレセプト請求する仕組みです。
同じ県民でも居住地で負担が異なり、子育て世帯の負担が変わる現状は看過できません。視察した鹿児島県では、平成30年度から窓口負担ゼロの完全現物給付化を全県で実現をし、施術所が県の審査支払機関へ一括請求し、こども医療費の支払いを受けています。
県内37市町村が個別対応の現状は非効率であり、県が統一すべきです。県内どこでも同じ基準で医療を受けられる体制整備は県の責務です。これは、医科、歯科、調剤の全県現物給付化前の議論と同様です。
実現に向けた具体策について、知事の決断を伺います。
A 大野元裕 知事
こども医療費助成制度は、受給者が医療保険制度を利用して医療機関等を受診した際の自己負担分を無料化するものであり、県は事業の実施主体である市町村に対しその経費の一部を補助しております。
先ほど御指摘があった医科・歯科等と柔道整復療養費が異なるのは、柔道整復療養費の支給は医療行為とは異なり、健康保険法に基づく医療保険制度において償還払方式で行うことが基本とされているため、こども医療費助成制度でも同様な扱いとなっているものであります。
議員御指摘のとおり、その一方で、県内一部市町村では、こども医療費助成制度における柔道整復療養費を含む現物給付を行っています。
このような制度を設けた場合、受給者は一時的な費用負担を気にすることなく施術を受けられることから利便性は高まってまいります。
その一方で、市町村においては、施術所からの請求の仕組みづくりや審査体制の構築・運用のための負担などが生じることとなります。
現物給付の実施については、こども医療費助成制度の実施主体である市町村が、受給者の利便性と市町村の負担を踏まえ、総合的に判断をするべきだと考えます。
県では、こうした判断に資するよう、令和7年度、県内市町村の実施状況を把握し、情報共有を図ったところでございます。
他方で、先ほど申し上げたとおり、法律が根拠になっている以上、利用者目線から私は国において、このような制度を変えるよう働きかけるべきとは思いますが、議員お話しの、こども医療費助成制度における療養費の全県現物支給化については、まずは、各市町村の意向の確認を進めてまいりたいと考えております。
再Q 小久保憲一 議員(自民)
知事、令和5年度予算委員会において、知事はこう述べておられます。「医療費の自治体間で助成内容に差が生じている状況は一刻も早く改善されるべき」と。しかし、療養費においては、市町村ごとに対応は分かれております。圏域の公平性が失われております。
一方、申し上げました鹿児島県では、平成30年度から国保連審査を活用した全県統一化、現物給付化を行っております。
なぜ本県はこの療養費だけ例外として県民の負担軽減に努めないのか、知事に伺います。
再A 大野元裕 知事
本県が例外としているのではなく、法律によって健康保険法に基づく制度において、償還払方式が行うことが基本とされているため、現在、このような制度を、導入を行っていない市町村にお願いをすると、負担が増えることになる結果になります。
しかしながら、先ほど議員が御指摘になられた医療の場合には、県内で制度が統一されることが望ましいと私答弁いたしました。療養費においても基本は一緒だと思っています。
そこで法律に基づく以上、国に対して要望しなければならないと考えますが、しかしその前の段階で市町村がその負担を負っても、なお統一に御協力いただけるということであればもちろんそれは可能でございますので、先ほど申し上げたとおり、全県現物給付化について、各市町村の意向をまずは確認をさせていただきたいと思います。
再々Q 小久保憲一 議員(自民)
知事、今、御答弁ございました県内市町村を尊重するということであれば、37市町村の一部ではなくて、県が主導して全県統一化することが県民の負担軽減につながると私は確信をいたしておりますが、知事の御見解を改めて伺います。
再々A 大野元裕 知事
先ほど申し上げましたとおり私は統一が望ましいと考えております。
しかしながら、医療費と異なり法律が根拠となって異なっている以上、負担を強いなければならないということで、県が主導して、例えば国に要望するといった段階はあると思いますが、まずはその前に、市町村の御意向をお伺いするというふうに申し上げているつもりでございます。