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掲載日:2025年12月24日
Q 小久保憲一 議員(自民)
令和7年4月時点で県立高校137校のうち、エレベーター設置校は34校、設置率24.8パーセントにとどまります。整備実績は、令和5年度1校、令和6年度2校、今年度2校で、このペースでは全校設置まであと52年要します。
バリアフリー整備は誰もが利用できる環境の基盤ですが、本県はこどもまんなか社会やインクルーシブ教育を掲げながらも対応が不十分です。令和6年度報告の2校の整備においては入札不調が生じ、繰越し予算が発生しました。これはマネジメント不足を示すもので、県は重く受け止めるべきです。加えて、メーカーや工事会社への県ヒアリングでは、技術者不足や製造の順番待ちなど外部要因も指摘をされ、整備が進まない構造的な課題が生じています。
車椅子利用の生徒が通いたい高校を選べない現状は、教育機会均等等の観点からも看過できません。今、必要なのは、県全体でいつ、どこまで、どの手順で整備を進めるかを示す県立高校版バリアフリー整備ロードマップです。財源、工程、入札、メーカー調整を一体で管理をし、確実に整備を進める体制が求められています。
そこで、教育長に伺います。
このこどもまんなか社会の実現、そしてインクルーシブ教育の推進のため、エレベーターやスロープ等の整備をロードマップ策定も含め、今後どのように進めるのか、具体的な方針をお示しください。
A 日吉亨 教育長
エレベーターやスロープ等のバリアフリー設備の整備は、車椅子利用の生徒が高校生活を送る上で、重要と認識しております。
令和6年度に予定していたエレベーターの設置工事が入札不調等により工事が遅れましたことは、教育局としても、重く受け止めております。
スロープ等の整備につきましては、大規模改修等の実施と合わせて、全校に対して、計画的に整備を進めてまいります。
一方、エレベーターの整備には多額の費用を要するとともに、学校の施設の状況はさまざまであることから、個別に検討を要するため、議員お話しのロードマップを策定までは、困難と考えております。
県では、地域や学科等の偏りがないようエレベーターを設置するという方針のもと、できるだけ多くの学校に整備ができるよう財源の確保に努め、今後もしっかりと進めてまいります。
再Q 小久保憲一 議員(自民)
教育長、本年8月5日の文科省有識者会議において、全国全公立小・中学校においてエレベーター、スロープ、バリアフリートイレについて、国は令和12年度末までの達成を目指すという方針が示されております。
なぜ本県の県立高校では、それを目標として目指さないのか、お答えください。
再A 日吉亨 教育長
エレベーターにつきましては、障害のある生徒への合理的配慮の一貫及び教育環境の整備のために設置しているものでございます。
現在、普通科高校につきましては、県内を4つの地域に分けまして、各地域から設置校を選択し、また、農業、工業、商業などの専門高校につきましては、各学科からそれぞれ設置校を選択するなど、できるだけ偏りがないように設置に努めているところでございます。
また、エレベーターが設置されていない学校に車椅子を利用する生徒が入学した場合には、使用教室を1階にするなど、使用教室の配置を工夫するほか、階段昇降機の活用などの対応をしております。
繰り返しになりますが、限りある予算の中でエアコンの設置や、校舎の老朽化対策等も必要な状況でございます。
エレベーターのほか、スロープ等のバリアフリー設備の整備は、車椅子利用の生徒が希望する高校を選ぶ上で、大変重要であると認識しておりますので、できるだけ多くの学校に整備ができるよう、財源の確保に努め、しっかりと進めてまいりたいと存じます。
再々Q 小久保憲一 議員(自民)
教育長、昇降機という御発言ございました。これは通えるだけでございまして、学びの環境にはなり得ません。そのことをお伝えをし、さらに計画がなければ整備が遅れます。整備が遅れれば、通いたい高校に通えません。そして、教育格差が解消されません。
改めて、その御見解を伺いたいと思います。
再々A 日吉亨 教育長
繰り返しになりますが、県立高校において、エレベーターを設置することについては、重要だと考えておりますが、現在、教育局におきましては、限りある予算の中で、様々な対策が必要となっておりますので、引き続きできるだけ多くの学校に整備ができるよう、財源の確保に努め、しっかりと進めさせていただきたいと考えております。