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掲載日:2025年12月18日

令和7年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(尾花瑛仁議員)

国民保護の実効性強化-県と国の役割を踏まえた情報連携

Q 尾花瑛仁 議員(自民)

数年前、研修で台湾総統府を訪問した際に、蔡英文総統へ直接質問する機会を頂きました。私からは「台湾の統一地方選で中央政府と外交スタンスが異なる首長が多数当選したが、仮に有事となり中央と自治体の長とで対応姿勢が異なった場合、どう連携体制をとるのか」を質問したところ、蔡英文総統は「台湾は全民防衛動員準備法により、中央と地方、郡、警察、消防、医療を一体で動かす枠組みがあり、訓練も重ねてきた。警察や消防は平時から中央と地方がつながっているシステムで、有事は党派を超えて対応可能だ」と御回答がありました。
米国には各機関を統制可能なオリジナルのFEMA、ドイツは平時分権、有事中央集権を明記、英国や韓国も有事は中央主導であり、対して我が国は有事でも自治体の役割が尊重される特殊性がありますが、見方によれば国から独立した行政主体のまま有事に突入するとも捉えられます。
国民保護法制はコロナ対策法制と法的構造が近く、当時、国の情報伝達の問題を多くの知事が指摘していたことが懸念されます。国民保護の実際を考えれば、法制度の隙間は早急に埋めねばなりません。
訓練で国の不足点や他県に先行する情報を抽出できているなら、埼玉県が最も安全というだけではなく、9都県市への横展開や国との積極的な情報共有を図るべきだと考えますが、法体系への所感を含め、知事の御所見をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

国の法体系について、私の立場で申し上げる立場にはありませんけれども、国民保護につきましては、弾道ミサイル攻撃などの事態発生時にどう対処すべきかという具体的な運用面において、国における検討は十分ではないと考えております。
私は日頃から化学弾頭を搭載した弾道ミサイル着弾を想定した訓練も必要だと考えており、令和6年度には、この想定による国民保護図上訓練を実施しました。
この訓練では、陸上自衛隊化学学校の協力を得て、「化学弾頭を搭載した弾道ミサイルが県内に着弾した場合の具体的な対応シナリオ」を国に先んじて取りまとめ、その内容を国に対して情報提供をいたしました。
加えて、ミサイル着弾時の自治体における対応と国の対応について明確に規定しておかないと実際の有事の際に問題が生じる旨、当時の吉田圭秀統合幕僚長や兒玉恭幸第1師団長にも提言をし議論を重ねてまいりました。
また、全国知事会議において、弾道ミサイルへの対応に関して、化学弾頭の場合の避難方法について私自らの意見を述べ、全国の知事に共有をするとともに、全国知事会として国に提言も行いました。
さらに、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県の危機対策幹等の会議においては、令和7年度、国民保護をテーマとして取り上げ、取りまとめたシナリオについても意見交換を行う予定であります。
なお、我が国の有事に関する法制の一つである国民保護法では、国が、国全体として万全の態勢を整備する責務を有するとされ、地方公共団体は国の方針に基づき国民保護措置を実施することとなっています。
このため、国には、地方公共団体が適切に対応できるよう、積極的検討を進めていただきたいと考えています。
県といたしましては、引き続き、国や市町村、近隣都県と連携しながら、国民保護に関する訓練や研修を充実させていくとともに、国等との情報共有を進め、一朝事ある場合にも人の命を優先できるような体制を構築すべく努力してまいります。

再Q 尾花瑛仁 議員(自民)

全国の知事の中でも防衛のスペシャリスト、危機管理のスペシャリストというのはほかにいらっしゃらないと思っていまして、その意味でやはりこの国との間の隙間みたいなものがあると、ここに訓練を通じてお気付きになっているところの御提言というのはすごく有効なのかなというふうに、私は、そこは期待させていただいているところでございます。
その中で、今、国との積極的な情報共有のところを申し上げましたけれども、国の制度についてなかなか口出しをするのも少し所管が違うというところもあるとは思うんですが、やはり今の法体系上、ここの部分は国が気付いていないというところを御提言されたり、そういう動きというのも今の御答弁では含まれていたんでしょうか。

再A 大野元裕 知事

先ほど石破茂前総理大臣と意見交換をした際のお話を申し上げましたが、その際にも、国民保護法適用時において、国の役割と地方自治体の役割が異なるということは明確に申し上げさせていただきました。
また先ほど当時の吉田圭秀統合幕僚長とお話をするという話をいたしましたが、実は何回かに渡って申し上げたのは、仮に、ミサイルが着弾した場合に、果たして地方自治体はどのような体制を構築できるのかということを我々は検討しなければならない。
なぜならば、先ほど議員の方からコロナと法制が似ているというお話がございましたが、コロナの時に自衛隊にワクチン接種をさせればいいとおっしゃった知事さんがおられましたけれども、実際にはメディック、医療関係者、自衛隊は不足しており、そのような提供できる体制にないにもかかわらず、最後は自衛隊というのが、結果として出てきてしまいました。
現時点からきちんと決めておかないと、その時に何をどちらがやるかということが、実際の現場でできないということについて、何回か意見交換をさせていただいてまいりましたので国との情報共有の中で、このような提言を具体的にさせていただいております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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