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掲載日:2025年12月18日
Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
この質問に関しては、この後、他の議員さんもされるということでございますので、そこの部分は割愛して質問させていただきます。
現在、地域公共交通は、人口減少や高齢化、さらには担い手不足といった複合的な要因により、かつてない危機に直面しています。特に、採算性の低下によるバス路線の減便、廃止、運転手不足、交通空白地域の拡大などにより、日常生活に支障を来す県民が増加しています。
埼玉県は、高齢者人口が全国トップクラスのスピードで増加し、今後も高齢化の進行が見込まれています。こうした状況下においては、通院や買物といった日常生活を支える地域の生活の足の確保が、これまで以上に重要な課題となっています。
こうした中、国は、交通空白解消集中対策期間(2025年度~2027年度)を設け、財政支援や制度改革を通じて地域公共交通の再構築を後押ししています。また、MaaSの導入や官民連携の推進など、デジタル技術を活用した新たな交通モデルの展開も進められています。
一方で、地域の実情に即した持続可能な交通ネットワークを構築するためには、市町村の枠を超えた生活圏単位での広域的な交通計画と運行体制の整備が不可欠です。例えば熊谷市においては、東部の大里地域では買物先が東松山市、最寄り駅が吹上駅であるなど、また、西部の籠原駅は深谷市民の利用が多いなど、生活圏は市町村の枠を超えて広がっています。
令和7年5月に国の交通空白解消本部が公表した調査結果によると、埼玉県内には33か所の交通空白地区があるとされています。運転手不足によるバス路線の廃止などを背景に、今後ますます交通空白が拡大する懸念があります。埼玉県においても、今後更に深刻化が予想される交通空白の課題に対応するためには、県がより主体的な役割を果たすべきではないでしょうか。
そこで、以下の点についてお伺いいたします。
まず、国の交通空白解消集中対策期間(2025年度~2027年度)を最大限に活用し、県としてどのような支援策を講じていくのか、具体的な方針について企画財政部長にお伺いいたします。
また、国内では、優良事例として富山県朝日町のアプリを活用した公共ライドシェア運行、北海道上士幌町のレベル4での自動運転バスの実証運行、地元熊谷においては、まだ実験段階ですが、中心市街地の一部を利用してグリーンスローモビリティの試験をしています。
地域の実績に即した持続可能な交通ネットワークを構築するために、MaaSや自動運転などの新技術を活用した広域交通ネットワークの構築に向けて、県としてどのようなビジョンを描いているのか、あわせて企画財政部長にお伺いいたします。
A 都丸久 企画財政部長
まず、国の交通空白解消集中対策期間を最大限に活用し、県としてどのような支援策を講じていくのかでございます。
国は、自治体の交通空白解消を支援するため、調査費のほか、車両取得などの初期投資や実証運行の費用など幅広い補助メニューを用意するとともに、補助率を3分の2とするなど補助制度を充実させております。
また、交通空白解消・官民連携プラットフォームを設置し、市町村とノウハウや知見を有する企業との連携を後押ししています。
そこで県でも、国の制度を積極的に活用するよう交通政策研修会において関東運輸局から御説明いただくとともに、補助要件となるプラットフォームへの参加を市町村に呼び掛けており、現在、県内21市町村が参加し、このうち3市町がこの補助制度を活用しております。
例えば、皆野町では令和7年11月から路線バスの運行がない地域においてLINEを活用したデマンド交通の実証事業を始め、高齢者などの移動手段の確保を目指しています。
県ではこうした好事例を横展開し、国の支援策を最大限活用するよう市町村に働きかけるとともに、市町村の地域公共交通会議に参加し、市町村域を超えた広域的な取組についても積極的に助言するなど、県内の交通空白解消の取組を加速させてまいります。
次に、新技術を活用した地域公共交通の課題解決に向け、県としてどのようなビジョンを描いているのかでございます。
MaaSや自動運転などの新技術は、利便性の高い地域公共交通を実現するために有効な手段であるとともに、日常生活を支える地域の足の確保や、運転手不足など、様々な課題の解決に資するものと認識しております。
県では、越谷市においてスマートフォンを利用した最適な経路検索に加えキャッシュレスで運賃割引を行うMaaSの取組や、和光市と深谷市においてバスの自動運転実証の取組が始まっており、県では財政支援のほか、交通政策研修会を通じて県内外の先進事例の横展開に努めているところです。
また、埼玉県における地域公共交通の目指す将来像とその実現に向けた対応方針を示すため、令和7年度中に新たに地域公共交通の基本方針を策定したいと考えております。
この基本方針では、対応方針の1つとしてMaaSや自動運転などの新たな技術の活用等による地域公共交通の更なる活性化を位置づけるとともに、地域別の課題と対応の方向性をお示ししたいと考えております。
さらに今後は、自動運転に特化した研究会を新たに立ち上げ、国や民間企業と連携し、地域公共交通の課題解決に向けた新技術の活用が加速するよう、地域の実情に応じた市町村の取組をより一層支援してまいります。
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