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掲載日:2025年12月17日

令和7年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(戸野部直乃議員)

障害者差別解消法を推進するために-障がい者視点の施設づくり

Q 戸野部直乃 議員(公明)

このDET研修を通じて障がい者に対し、知らずに差別、排除、参加の制限をしてしまっているということに改めて気付きました。
例えば、群馬県桐生市では、体育館の車椅子席が当初1か所に5席集約する実施設計となっていました。しかし、当事者からの意見で、スポーツ観戦でどちらのチームも応援できるよう南北の最前列に3台ずつ4か所、計12台の車椅子エリアの設置に変更されることになりました。
また、さいたまスーパーアリーナのあるイベントでは、大規模な会場であるにもかかわらず、車椅子席が1か所にしか設けられておりませんでした。数年前には木の台の上に車椅子席が設置され、転落の危険を感じる構造となっていました。当事者の方が県へ改善を要望した結果、現在は2階のフロアがフラットになり、線で区切られる形に改善され、施設面では観覧環境が整いつつあります。こちらについての写真は、サイドブックスに掲載しておりますので御覧になってください。
一方で、主催者側の判断で障がいのある方が1階のアリーナ席が当選しても、運用で必ずこの車椅子席に案内され、さらには同行者はその後ろのパイプ椅子に座ることとなり、イベントの雰囲気や感動を十分に共有できず、そのたびに不便さや疎外感を抱くということでした。これは障がい者差別が解消されていない環境であると言わざるを得ません。埼玉県共生社会づくり条例により、令和6年から民間事業者に対しても合理的配慮が義務化されました。こうした課題について、主催者に対し席種に応じて車椅子スペースを確保するなど平等な観覧環境の実現を促し、ルールづくりをしていく必要があると感じます。
県が積極的に主催者や会場運営側に働き掛け、あらゆる施設で全ての来場者が快適に楽しめるバリアフリーの環境づくりを埼玉県から推進すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。

A 大野元裕 知事

議員御指摘のとおり、車椅子利用者をはじめ障害のある方が安心して快適にイベントを楽しめる環境の整備は、社会の公平性や多様性の尊重という観点から非常に重要だと思います。
車椅子スペースなど障害者対応の席については、桐生市の体育館のように設計段階から確保しているものと、アリーナ席のようにイベント主催者の判断で設けられるものとがあります。
例えば、彩の国さいたま芸術劇場の小ホールには、最上部に6席の車椅子席がありますが、県主催のコンサートではステージとフラットな最前列にも車椅子席を増設するなどの配慮を行っています。
また、さいたまスーパーアリーナで開催された、あるライブイベントでは、体の不自由な方や小さなお子様などが、スタンディングエリアでライブを観たいという要望にお応えするため、アリーナ席の中ほどと両端に専用のエリアを設けている例もあります。
県といたしましては、県有施設において障害の有無にかかわらず全ての来場者が公平に楽しめる環境を整備し合理的配慮の提供がなされるよう、このような好事例を情報提供するなど、主催者に対し障害者差別解消法や県共生社会づくり条例の理解促進に努めてまいります。
また、市町村が所有する施設においても、誰もが同様に楽しめるバリアフリーの環境づくりを進めていただくよう周知、啓発をしてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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