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掲載日:2025年10月22日
Q 阿左美健司 議員(自民)
近年、ナラ枯れによる被害が全国的に深刻化しており、埼玉県においても令和元年度に初めて確認されて以来、その被害は年々拡大しております。私の地元である秩父地域においても、令和4年度にナラ枯れが確認されて以降、被害が拡大し続けており、大変懸念しております。
ナラ枯れは、ミズナラやコナラの広葉樹にカシノナガキクイムシという虫がナラ菌を持ち込むことで発生します。林野庁の調査によると、45都道府県で被害が確認されており、その深刻さはもはや地域や県レベルを超えた全国的な問題として認識されています。
ナラ枯れの被害拡大には、幾つかの要因が考えられます。かつて、まきや炭焼きの燃料として利用されていた雑木林が放置されるようになったことでコナラやミズナラが大きく成長し、カシノナガキクイムシが侵入しやすくなったこともその要因の一つと指摘されています。被害を受けた木は立ったまま枯れてしまうため、景観を損なうだけでなく、倒木や枯れ枝の落下による事故のリスクも高まります。
秩父地域には、皆野町の美の山や長瀞町の宝登山など気軽にハイキングを楽しめるスポットが多くあり、また、明後日の5日には東秩父村の定峰峠を自転車で上るヒルクライム2025が開催される予定で、サイクリストも数多く参加されるなど、県内外から多くの人が訪れています。このように、秩父の豊かな森林景観は地域の活性化にも大きく貢献しており、大切な観光資源です。
しかし、ナラ枯れ被害の拡大によって美しい景観が損なわれ、ハイキングなども安心してできなくなるなど、観光客の方々にも大きな影響を与えているのではないかと危惧しています。このような状況を踏まえ、ナラ枯れ対策を一層強化し貴重な森林資源を守っていく必要があると考えますが、現状におけるナラ枯れの状況と県の対策、そして今後の展望について、農林部長に伺います。
A 竹詰一 農林部長
ナラ枯れ被害は、令和6年11月末現在、県内48市町村で確認されています。
ナラ枯れを引き起こすカシノ ナガキクイムシは在来種であり、生息域も広範囲であるため、根絶することは困難です。
このため、倒木や枯れ枝の落下等で歩行者や家屋が被災するリスクの高い箇所を優先的に対策していくこととしています。
現在、県や市町村などで構成する埼玉県ナラ枯れ被害対策会議を設置し、優先地域、防除方法、森林環境譲与税の活用等についての情報を共有し、対策を進めています。
これにより、市町村によるナラ枯れに関する知識や技術が向上し、防除意識も高まり、森林環境譲与税を活用しナラ枯れ対策を実施している市町村数は、令和3年の3市町から、令和6年は17市町に拡大しています。
県では、令和6年度から市町村の取組を後押しするため、被害木の処理や健全な木の予防対策、被害を受けやすい高齢木や太い木の予防的伐採などの支援策を講じています。
また、最近では、伐採された木をベンチなどの家具に生まれ変わらせる取組も進められ、森林資源の循環利用や地域の魅力を高める効果も期待できます。
今後も、市町村などの関係機関と連携を密にし、効果的なナラ枯れ対策を進め、森林の適切な保全に努めてまいります。
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