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掲載日:2025年10月22日
Q 阿左美健司 議員(自民)
今年の2月に岩手県大船渡市で3,000ヘクタールを超える林野火災が発生しました。火災発生当時、極端な乾燥と強風が発生していたことから、広範囲に飛び火が広がり面積が拡大し、発生から鎮火までに41日間を要する大規模な火災となりました。その焼損面積は過去60年で最大の規模と言われています。国では激甚災害に指定し、生活の再建とともに、火災前の豊かな森林の回復に向けた支援を実施していくこととなりました。
この大船渡の火災を含め、今年だけで全国各地で100ヘクタールを超える大規模な林野火災が既に5件発生し、山間地域の人命、財産を脅かすものとなっています。林野火災は火災現場までの立入りや利用可能な水が限られるなど消火活動には困難が伴い、一旦発生すれば延焼を拡大するおそれがあります。埼玉県では近年、大規模な林野火災は発生していませんが、森林には多くの落ち葉や枝が堆積しており、いつ大規模化してもおかしくない状況と考えます。
また、被災した森林の復旧には膨大な費用と労力が必要となり、水源の涵養、生物多様性の保全など森林の持つ公益的機能の回復にも数十年の月日を要します。そのためには、まず第一に林野火災を発生させないことが重要です。林野火災の発生は人為的な原因が多いとされており、山火事予防運動など県民への火器取扱いに対する注意喚起は大切な取組です。
一方で、一旦発生した林野火災を拡大させないため、延焼防止の具体的な対策も重要です。そこで、森林内やその外周に一定の幅の空間地帯を設け、延焼防止を図る防火帯の整備が有効と考えます。
防火帯は火災の拡大を防止するほか、消火活動のツールとしても効果を発揮します。埼玉県においても、かつての旧槻川村と旧三沢村、今の東秩父村と皆野町の間あたりの秩父高原牧場付近に防火線を設置した記録があります。また、防火帯は日常の森林整備の作業効率向上にも寄与すると考えます。
全国植樹祭の開催理念にもあるように、県民共通の財産である森林を守り、豊かな森林を未来へつないでいくためにも、防火帯の整備は重要だと考えますが、農林部長に伺います。
A 竹詰一 農林部長
林野火災は、たき火の不始末など人為的な原因が多いことから、県ではポスターやチラシの配布により注意喚起を行うなどの予防対策に取り組んでいます。
また、国において、乾燥や強風により林野火災のおそれが高い時に住民に対し注意を促す「林野火災注意報」の制度が新たに創設され、現在、消防本部を持つ各市や各組合において火災予防条例の改正等の準備がされているところです。
こうした予防措置と併せて、林野火災発生後の延焼を食い止めるためには、防火帯の整備は有効な手段であり、過去には、県有林を中心に約43キロメートルを整備した実績があります。
防火帯の整備には、用地の確保や伐採木の補償について、多数の森林所有者との交渉が必要となるなど、多くの労力と費用を要するといった課題があります。
他方、県が計画的に整備を進めている森林管理道は、速やかに消火活動を行うための施設として機能するほか、防火帯としての効果も期待できます。
今後、森林所有者、森林組合、市町村などに意見を伺いながら、森林管理道の整備も含めた防火帯の整備について検討してまいります。
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