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掲載日:2025年12月18日
Q 渋谷真実子 議員(自民)
現在、日本人の2人に1人は、一生のうちで何らかのがんになると言われており、がんは、全ての人にとって身近な病気です。高齢化に伴い、がんのり患数、死亡数ともに増加することが予想されています。
そのような中、県では、がん対策推進計画に基づき、がんに伴う心と体のつらさを和らげるために、がんと診断されたときから緩和ケアの推進に取り組まれていると思います。がんの痛みについては、医療用麻薬等の薬物療法が行われているのが一般的です。
しかしながら、国立がん研究センターが2024年に実施したがんや心疾患、腎不全など10の疾患で亡くなられた患者の遺族を対象とした遺族調査によりますと、死亡1か月前の患者の療養生活の質について、「体の苦痛が少なく過ごせた」と回答した割合は、がんが最も低い37.7パーセントであり、最も高い老衰では52.5パーセントとなっています。
がん治療に携わる医師をはじめとする医療従事者は、薬の調製等、痛みの緩和に取り組まれていると思いますが、末期がん患者の苦痛の緩和には、まだまだ課題があるのではと考えます。
知り合いの末期がん患者さんに、鍼灸治療で痛みが緩和されたという方がいらっしゃいました。末期がん患者のクオリティ・オブ・ライフを向上するためには、痛みなどの多種多様の苦痛を取り除く必要があり、鍼灸治療の可能性についても検討する必要があるのではないかと思います。自分自身だけではなく、大切な人のそのときの痛みをできるだけ和らげるための選択肢をできるだけ多く用意しておくことも必要なのではないでしょうか。
県内のがん緩和ケアにおける鍼灸治療の現状について、また、県として、がん緩和ケアにおいて鍼灸治療を普及していくべきと考えますが、保健医療部長の御所見を伺います。
A 縄田敬子 保健医療部長
議員御指摘のとおり、がん患者のクオリティ・オブ・ライフの向上には、痛みやその他の苦痛な症状や不安を和らげることが大事であり、がんと診断された時から始まる緩和ケアを県としても推進しているところでございます。
県内のがん緩和ケアにおける鍼灸治療の現状については、埼玉医科大学系列の医療機関の専門外来において、がん治療に伴う痛みやしびれ、消化器症状などに対する鍼治療が行われています。
これらの専門外来においては、がんの緩和ケアを専門に研究している鍼灸師が対応しているとのことです。
次に、がん緩和ケアにおいて鍼灸治療を普及することについてでございます。
がん緩和ケアにおいて、患者の苦痛を和らげる治療の選択肢が増えることはQOLの向上のためにも望ましいことです。
がん緩和ケアにおける鍼灸治療については、海外では、吐き気などに効果があると評価している国もあるようです。
我が国では、国立がん研究センター中央病院の緩和医療科において研究目的で鍼灸治療が実施されておりますが、国として有用性を認め、緩和ケアとして推奨されるところまでは至っていないのが現状でございます。
県としてがん緩和ケアにおける鍼灸治療を普及することについては、治療の有効性や安全性などが確認され、国においてがんの緩和ケアとして推奨されることが必要だと考えております。
引き続き、国の動向を注視してまいります。
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