トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和8年9月定例会 > 令和8年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 10月6日(火曜日) > 須賀昭夫(自民) > 令和8年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(須賀昭夫議員)

ここから本文です。
ページ番号:289164
掲載日:2026年10月23日
Q 須賀昭夫 議員(自民)
最後に、私の地元川越について伺います。ただし、これは川越市だけの問題ではありません。川越市を一つの具体例として、これからの埼玉県の観光の在り方について伺いたいと思います。
川越市には、国内外より本当に多くの観光客の方々にお越しいただけるようになりました。川越市も、量だけではなく質を重視した持続可能な観光地域づくりを進めています。私はこの方向性には大いに賛成です。一方、私は地元で生まれ育ち、そこで暮らし、子供の頃から地域や祭りを見てきたからこそ、少し違う疑問も持っています。観光客が増える、店が増える、売上が増える、では、それによって地元は本当に豊かになっているのでしょうか。
川越市では、建物の所有者は地元の方でも、店舗を借りて商売をしているのは都内などの地域外の企業というケースも珍しくありません。もちろん、こうした企業が川越市に来ること自体を否定するものではありません。新しい魅力も生まれますし、雇用にもつながっていきます。しかしながら、祭り、町並み、文化、景観、これらを何世代にもわたって守ってきた地域があるからこそ、今日の川越観光があります。観光によって利益を得る人と観光資源そのものを守る人が完全に分かれてしまったら、私はいつか地域がもたなくなると思います。
これは川越市だけの問題ではありません。観光政策の物差しそのものを考え直す問題だと思っています。
そこで、(1)「観光消費額」から「観光地域還元率」へ。
これまで観光政策では、何人来たか、幾ら使ったかという数字が重視されてきました。もちろんそれも重要です。しかし、仮に観光客が大きな金額を使ったとしても、その多くが地域外企業の本社や地域外からの仕入れへ流れれば、その全てが地域を豊かにしたとは言えません。
そこで、観光消費額だけでなく、地元企業への利益、地元雇用、地域内調達などを通じて、観光消費が地域内にどの程度循環しているのかを捉える観光地域還元率という新しい評価軸を研究し、県の観光政策に取り入れるべきと考えますが、産業労働部長に伺います。
A 萩原啓 産業労働部長
県が現在、5か年計画などにおいて指標としている観光消費額については、県の観光振興施策による本県経済への効果を客観的に評価する点で、定量的な測定が容易であり、かつ他都道府県との比較が可能というメリットがあると認識しております。
議員お話しの観光消費が地域内でどの程度循環しているかを捉えるという観点においては、「観光地域還元率」という新しい評価軸は有効であると思料いたします。
一方、地元企業への利益、地元雇用、地域内調達などを正確に把握するためには、各々の事業者から、売上高や雇用状況、仕入先等の必要な情報を提供いただく必要があり、事業者負担の観点から課題があると考えます。
また、県がそのような指標を設定しても、地域によって観光を取り巻く状況は様々であることから、一般化した指標とはなりづらく、市町村によっては活用することが難しいという側面もございます。
今後、観光消費が地域内にどの程度循環しているのかを捉える仕組みについて、市町村や事業者のほか、有識者などからも御意見を伺いながら、一般化できる新しい評価軸の可能性について研究をしてまいります。