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掲載日:2026年10月23日

令和8年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山田裕子議員)

差別と排外主義を許さない埼玉県へ-差別をなくすためのルールを埼玉にも

Q 山田裕子 議員(ネット)

ここまでヘイトスピーチ、埼玉朝鮮学園への補助金、外国人に対する住宅入居差別について伺ってきました。それぞれ異なる問題ではありますが、その根底には、国籍や民族、障害、性別、性的指向、性自認、出自など、その人の属性を理由として排除されたり、不利益を受けたり、尊厳を傷つけられたりするという共通の課題があります。
これまでも、県議会では差別やヘイトスピーチを禁止する条例の制定を求める質問が度々行われてきました。昨年12月定例会の一般質問でも知事は、罰則を伴う規制は県民の権利を一定程度制限するため、抑制的に行うべきであり、現時点では条例制定を検討していないと答弁しています。表現の自由への配慮が必要であることは当然です。しかし、表現の自由は差別の自由ではありません。国連事務総長も今年、ヘイトスピーチは暴力や残虐な犯罪、政治的利益につながることもあると警鐘を鳴らしています。
一方、川崎市では2019年に差別のない人権尊重のまちづくり条例を制定し、不当な差別をなくすという理念を掲げるとともに、公共の場所における本邦外出身者への一定の悪質な差別的言動を禁止しています。違反しても、直ちに罰するのではなく、対象となる言動を限定し、勧告、命令を経ても違反を繰り返した場合には罰則を科す仕組みで、表現の自由にも配慮しています。川崎市では、条例の要件に該当する差別的言動は条例施行後確認していないとしており、一定の抑止効果があったと考えられます。
これまで知事が条例制定に慎重な姿勢を示してきた当時と比べ、先ほどから申し上げているように現在のヘイトスピーチをめぐる状況はさらに深刻化しています。私は、埼玉県においても、差別を許さないという県の姿勢を明確にし、相談、被害者救済、再発防止を位置付けるとともに、悪質なヘイトスピーチについては禁止規定や勧告、命令、罰則を含む実効性ある仕組みを今こそ検討をするべき段階にきていると考えますが、知事の見解を伺います。

A 大野元裕 知事

国籍、民族、性別、障害などを理由として、不利益な取扱いを受けたり、尊厳を傷つけられたりすることはあってはならないと思います。
そこで、県では、人権尊重に関する国や地方自治体、国民の責務を定めた「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」を踏まえ、「埼玉県人権施策推進指針」を策定し、「すべての県民がお互いの人権を尊重しながら共に生きる社会の実現」を目指し、人権施策に取り組んでおります。
この指針では、県行政のあらゆる分野において、人権教育・啓発の推進、相談・支援の推進、県民・NPO・企業等と協働した地域づくり、の三つの視点から事業を展開することとしております。
また、女性や障害のある方、外国人、性的指向・性自認など、それぞれの人権課題については、個別の条例や計画等に基づき相談・支援や人権啓発を進めております。
このため、現時点では法や県指針、個別の条例などに基づき、これらを適正に運用することで人権施策にしっかりと取り組むことが必要と考えます。
一方で、罰則を伴った規定は、県民の権利を一定程度制限することとなるため、抑制的に行うべきものと考えております。
議員御提案の罰則を含む包括的な差別禁止条例については、本県の実情、個別の条例や既存施策との関係、条例を制定している他の自治体での効果などを研究をし、必要な検討を行ってまいります。

再Q 山田裕子 議員(ネット)

知事の過去の答弁では、川崎市のようにデモが繰り返されている状況かどうかも、条例を検討する際の判断材料になり得るという趣旨の答弁がありました。現在、県南部では外国人を標的とした街宣やデモが繰り返され、同様の街宣を行う団体や個人が県内に集まる状況が続いています。従来の啓発では足りないということです。ここまで状況が変化しているのであれば、少なくとも条例を含む具体的な制度の検討に着手すべき状況に来ているのではないでしょうか。改めて知事の見解を伺います。

再A 大野元裕 知事

議員が御指摘をなさいましたデモ等につきましては、立法事実のうちの一つを検討する材料となると思っています。
しかしながら、罰則を含む包括的な差別禁止条例については、本県の実情、個別の条例や既存施策との関係、条例を制定している他の自治体での効果などを研究することが必要であります。
なお、罰則にせよ、強制にせよ、国民、県民、市民に対する一定の規制というものは、私は慎重でなければならないと考えており、その他の条例等が効果を持つかどうか等も含め検討を行う必要があると考えているところであります。

再々Q 山田裕子 議員(ネット)

私は、今の埼玉県内の状況を知事が御存じないということはないと思います。SNSなどで御覧になっていると思います。
そこで再々質問いたしますが、ではどのような状況になれば、条例を含む新たな制度の検討が必要だと判断するのでしょうか。現在の取組だけではヘイトスピーチを止めるには不十分であり、私は実効性ある差別禁止条例が必要だと考えます。県としての判断基準も含め、もう一度知事の見解を伺います。

再々A 大野元裕 知事

現在の状況、あるいは先ほど議員がおっしゃいましたデモ等が頻発している状況については、先ほど申し上げましたとおり、立法事実の判断材料のうちの一つとなるものであります。
しかしながら、その一方で罰則を伴うような規定がなければならないかにつきましては、様々な先ほど申し上げた本県の実情、個別の条例や既存施策との関係、あるいは条例を制定している他の自治体の効果など総合的に判断するものであり、この項目がこうなったら自動的に罰則を伴う条例が制定されるというものではないと思っております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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