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掲載日:2026年10月23日
Q 山田裕子 議員(ネット)
県では、これまでも人権啓発や相談窓口の設置などに取り組んできました。しかし、ヘイトスピーチは単に不快な言葉を投げ掛けるだけではありません。標的となった人に恐怖や萎縮をもたらし、安心して街を歩くことや声を上げることさえ難しくさせます。県内の外国人支援団体には「クルド人皆殺し万歳」など危害を示唆するメールや、「死ね」といった電話が寄せられています。さらには、外国籍の子供が近所の公園で遊んでいる際に危害を受けそうになり、止めに入った父親にも身の危険を感じさせる言葉が向けられたとの事例もありました。もはや差別を動機とする暴力、いわゆるヘイトクライムへの発展を懸念するだけの段階ではありません。こうした深刻化する現状を踏まえ、県は従来の啓発や相談にとどまらず、ヘイトスピーチに対して今後どのような対策を講じていくのか知事に伺います。
A 大野元裕 知事
まず、議員御懸念の差別を動機とする暴力については、警察機関において適正な捜査が行われるべきものであり、ヘイトスピーチ以前の問題として暴力は許されないものであります。
いわゆるヘイトスピーチ解消法は、その前文において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されない」と宣言をしており、ヘイトスピーチは、地域社会に不安や分断を生じさせるもので、徹底して排除されなければなりません。
このため、県では、ヘイトスピーチ解消法に基づき、相談体制の整備、啓発活動等を実施しております。
具体的には、外国人総合相談センター埼玉において、日本語能力が十分でない外国人を対象として総合的な相談窓口を運営し、不当な差別的言動を含め、様々な不安や困難を抱える外国人からの相談も受けることとしております。
啓発活動については、企業や民間団体、市町村を含めた県民総ぐるみの取組である「人権尊重社会をめざす県民運動」を推進するとともに、県の人権啓発講師による企業向け研修や、プロサッカーチームと連携した啓発などを通じ人権意識の向上に努めています。今後も、関係機関と連携して人権啓発を推進するとともに、サッカー以外のプロスポーツチームにも御協力いただき、ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動を実施するなど、幅広い県民に届くよう啓発活動の充実に努めます。
再Q 山田裕子 議員(ネット)
様々な取組をやっていっていただいているようで、それについては有り難いことだと思います。再質問させていただきます。
ヘイトスピーチの在り方はとても変化していると思います。先ほどの知事の御答弁の中でも、何がヘイトスピーチに当たるかというところをおっしゃっておられましたけれども、私は何がヘイトスピーチに当たるか、そこだけに目を向けてしまうと、現代的なヘイトスピーチというのは捉え切れないものがあるかと思います。露骨な差別語だけでなく、近年は移民政策などの社会的、政治的な課題を掲げながら、その中で、特定の民族や外国人を一括して危険視したり排除を求めたりするような言説も見られると思います。
また、担い手も変化しています。団体だけでなく、個人や選挙、政治活動の場へと広がっています。こうした変化を踏まえれば、従来のヘイトスピーチは許さないという一般的な啓発だけでなく、現在のヘイトスピーチの傾向や変化を捉え、どのような言説が問題なのか、県自身がさらに具体的に示す必要があると考えますが、今後の取組について再度知事に伺います。
再A 大野元裕 知事
ヘイトスピーチ解消法や法務省では、特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなど一方的な内容の言動をヘイトスピーチと呼ぶとしています。
また、大阪市ヘイトスピーチ条例事件に関する最高裁判決では、ヘイトスピーチの性質を、人種又は民族に関わる特定の属性を理由として特定の人々を社会から排除する等の不当な目的で、公然と、差別意識や憎悪等を誘発・助長する又は生命・身体等に危害を加えるといった犯罪行為を扇動するものとしています。
このような法的あるいは司法の考えに従ったヘイトスピーチが変化し、先ほどの話ですと言説が変わっているとのお話でしたけれども、私は変化していると考えておりませんし、法が対象とするものがころころ変わってしまってはいけないと思っております。
したがって、県としてはこれまでも申し上げてきているとおり、ヘイトスピーチは、特定の国の出身であることのみを理由として日本社会から追い出そうとしたり、危害を加えようとするなどの一方的な内容であるがゆえに問題であり、決して許してはならないとの考えに変化はございません。
今後も、適切な実態把握に努めるとともに、「ヘイトスピーチは許さない」との認識が広がるよう、その状況に応じてしっかりと啓発活動に取り組みたいと思います。