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掲載日:2023年7月11日

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整理解雇(経営悪化を理由とする解雇)の要件について

5 雇用関係の終了(解雇・退職等)・懲戒処分

5-2 整理解雇(経営悪化を理由とする解雇)の要件について

質問です

現在の会社に勤めて20年になりますが、先日人事担当部長から、「会社の経営状況が悪化したため、今年度いっぱいで解雇する」と言われました。
具体的な説明もありませんし、突然解雇と言われても困ります。会社の経営が苦しいということで、辞めなければならないのでしょうか。

ここがポイント

経営上の理由により整理解雇を行う場合、次の4要件について検討しなければなりません。

整理解雇の4要件: 「人員削減の必要性」 「解雇回避の努力」 「選定基準と人選の合理性」 「解雇手続の妥当性」

お答えします

経営上の理由による人員削減として行われる解雇のことを整理解雇といいます。
整理解雇についても、経営状況が悪化したといって会社は自由にできるものではありません。
判例によれば、整理解雇が有効とされる要件として次の4つの要件があり、一般に「整理解雇の4要件」と呼ばれています。

  • (1) 人員削減の必要性
    会社が経営危機に陥っていて、人員整理の必要性があること
  • (2) 解雇回避の努力
    希望退職者の募集や配置転換・出向など、解雇を回避するために相当な努力をしたにもかかわらず、解雇をする必要性があること
  • (3) 選定基準と人選の合理性
    解雇される者の選定基準が客観的かつ合理的であり、その具体的適用も公平であること
  • (4) 解雇手続の妥当性
    対象労働者や労働組合に対して、整理解雇の必要性やその内容(時期・規模・方法など)について十分説明し、誠意をもって協議したこと

なお、「整理解雇の4要件」については、4つの要件を一つでも満たさなければ合理的理由が認められず解雇無効となるという「4要件論」と、4要件の各要素を総合的に評価して判断すべきであるという「判断要素論」がありますが、いずれにしても、この4つの指標が解雇の有効、無効を判断する基準となっていると考えられています。
この4要件をあなたの場合に当てはめてみて、当てはまらないものがあるようでしたら、解雇権の濫用として無効とされることも考えられます。
まずは、4要件を本当に満たしているのか会社に確認し、また、自らも調べてみる必要があります。
会社に労働組合があるようでしたら、組合で対応することも考えられます。特に、解雇の対象者が多数いるようでしたら、会社全体の問題となりますので、組合など皆さんで対応するのがよいでしょう。
また、裁判所に地位保全の仮処分を申し立てたり、本訴訟を行う方法も考えられます。

ここにも注意!

雇用調整助成金
景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって事業活動のを縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行って労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものです。教育訓練を実施した場合には、教育訓練費が加算されます。
公共職業安定所(ハローワーク)が窓口となっていますので、会社に助成金の活用を提案してみる方法も考えられます。

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産業労働部 雇用労働課 労働相談担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 第二庁舎1階

ファックス:048-830-4852

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