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掲載日:2020年4月1日

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職種を変更する配置転換について

4 出向・配置転換

4-3 職種を変更する配置転換について

質問です

病院の医療事務職として働いてきましたが、先日、上司から「来月から看護補助業務に就いてもらう」と告げられました。私としては、入社時から看護補助の仕事をすることは考えていませんでした。このような命令を断ることはできないのでしょうか。

ここがポイント

  • 就業規則や労働協約などに配転命令の根拠があり、その範囲内である配転命令は有効です。
  • ただし、配転命令が「権利の濫用」となる場合は無効です。
  • 特殊な技術・技能・資格を有する者などには、職種の限定があると見るのが一般的な考え方です。

お答えします

職種の変更を伴う配転の問題については、(1)職種が限定されているかどうか、(2)配転命令権が正しく行使されているかどうか、という2つの点がポイントになります。

はじめに、(1)の「職種限定の合意の有無」の基本的な考え方について説明します。
労働契約や労働協約、就業規則などにより、職種を限定する合意があると認められれば、原則として、ほかの職種への配転には労働者の同意が必要となると考えられます。
また、採用時に職種が限定されていなかったとしても、医師、弁護士、看護師といった特殊な技術・技能・資格を有する者については、職種の限定があると見るのが通常です。(ただし、職種限定を認めなかった判例もあります。最高裁平成10年9月10日九州朝日放送事件)
しかし、単に長い間同じ仕事に従事してきたことのみでは、職種を限定する合意があると認めるのは困難であると考えられます。企業経営上の必要から、やむを得ない場合もあります。
したがって、職種の限定がない場合であって、労働協約や就業規則、労働慣行によって配転命令に応ずる義務が明確になっている場合には、労働者は配転命令に従わなければならないと考えられます。

次に問題になるのが、(2)の「配転命令権行使の適法性」の問題です。
使用者に配転命令権が認められる場合でも、それが権利の濫用となる場合には、その配転は許されないことになります。
判例も、配転命令が「業務上の必要性がない場合又は業務上の必要性が存する場合であっても、当該配転命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものであるとき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき」(最高裁昭和61年7月14日東亜ペイント事件)には、その配転命令は権利濫用として無効になるとしています。

お尋ねの場合は、まず医療事務職についての職種の限定があったかどうかが問題になります。労働契約書が職種限定契約ではないかチェックするとともに、労働協約や就業規則、労働慣行などを調べて配転命令に応ずる義務があるかどうかを確認してはいかがでしょうか。
問題なのは、職種の限定がない場合で、就業規則などに「業務上の必要により職種の変更を命ずることがある」という規定がある場合です。この場合には、配転命令が権利濫用でないか確認していくことになります。
具体的には、病院側に医療事務職から看護補助職への配置換えを命じなければならない特段の業務上の必要性があったかどうかと、配置転換によってあなたがどのような不利益を被るのか、が焦点となります。

ここにも注意!

  • 直源会相模原南病院事件(最高裁平成11年6月11年)
    病院のケースワーカー、事務職員に対するナースヘルパーへの配転命令について、業務の系統を異にする職種への配転であり、「業務上の特段の必要性及び当該従業員を異動させるべき特段の合理性があり、かつこれらの点についての十分な説明がなされた場合か、あるいは本人が特に同意した場合を除き」無効としました。
  • 医療事務
    専門の学校において必要な知識を習得し、(財)日本教育医療財団が主催する、厚生労働省認定の公的試験に合格した上で、病棟クラーク、外来・入院の受付・会計、診療報酬算定等を行う事務職です。
  • 看護補助者
    病棟や外来、手術室などにおいて、看護師の補助的業務に当たる無資格の職種です。その職務内容は、環境整備、メッセンジャー、患者搬送等の業務です。

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