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掲載日:2020年4月1日

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使用者への団体交渉の申し入れについて

9 労働組合

9-1 使用者への団体交渉の申し入れについて

質問です

一時金(ボーナス)の支給について、今年の3月から各人の能力評価の結果に基づいて支給額に差を設ける方法が採用されることになりました。
その根拠について、使用者は、人事・服務規程中に、「一時金の支給は能力評価の結果に基づいて支給する」という定めがあるので問題ないと主張しています。
ただし、労働協約では、(1)「就業規則に関することは労使の運営協議会を設けて話し合うこと」、(2)「給与に関する事項については労使で話し合うこと」が定められています。
また、人事・服務規程中に一時金を能力評価の結果に基づいて支給する旨の規定はあっても、規程の制定以来適用されたことはありません。
一時金の支給について、使用者が、一方的に各人の能力評価の結果に基づいて支給額に差を設ける方法には承服しがたいのですが、労働組合として、使用者にどのように対応すべきでしょうか。

ここがポイント

  • 長年の慣行として労使双方に定着した事柄は、労使双方を拘束します。
  • 労働協約は就業規則に優越します。
  • 使用者が正当な理由がないのに、労働組合との団体交渉を拒むことは、不当労働行為として禁じられています。

お答えします

人事・服務規程中に能力評価の結果に基づいて支給額に差を設ける定めがあるとのことですが、労働協約中に、(1)「就業規則に関することは労使の運営協議会を設けて話し合うこと」、(2)「給与に関する事項については労使で話し合うこと」が定められていますので、一時金の件について使用者が労働組合との交渉をもたずに、一方的にこの制度を実施したことは労働協約に違反することとなります。
使用者への対応方法としては、団体交渉を申し入れ、一時金の支給は労働条件に関することであり、この件に関する団体交渉の申し込みについては、使用者側に、義務的団交事項として誠実に団体交渉に応じる義務が生じると主張することです。
つまり、使用者側に、(1)一時金の件は労働条件に関するものであり、交渉に応ずる義務がある(労働組合法第7条第2号)。(2)労働協約の定めに従い、団体交渉に応ずる義務がある。(3)人事・服務規程の制定以来一時金に差を設けずに支給してきた実績は、長年の慣行として労使双方に定着したものであり、規程に一時金に差を設けて支給する定めがあるからといって、使用者が一方的に実施することはできず、長年の慣習は労使双方が尊重しなければならない。(4)労働協約は就業規則に優越する、といった理論構成で団体交渉を申し入れるのがよいでしょう。
まずは、誠意を持って交渉を始め、継続することが大切です。最終的にはこの姿勢が、円満な解決へと作用するのではないかと考えられます。

ここにも注意!

団体交渉の拒否、誠実義務違反、停滞といった事態が生じた場合は、労働委員会に不当労働行為の申し立てや、あっせん申請などを行う方法もあります。

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