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ページ番号:80531

掲載日:2022年12月20日

平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(新井一徳議員)

儲かる農業への抜本的な転換を

Q 新井一徳議員(自民

農業経営の環境は大変厳しい状況にあります。担い手の高齢化や後継者の不足、耕作放棄地の増加は深刻な状況です。加えて急速な少子高齢化、人口減少社会の到来も指摘され、需要の大幅な減少も目に見えています。農業の経営環境が厳しい今こそ新たな需要を創出するチャンスと捉え、儲かる農業への抜本的な転換を図るべく、県がその支援に積極的に乗り出すべきではないでしょうか。
その良いお手本が身近なところにあります。さいたま市の若手農家らが3年前に立ち上げたヨーロッパ野菜研究会です。高収益が期待できる新たな野菜づくりに挑戦したいと、そのような思いでヨーロッパ野菜の栽培に取り組み、現在では県内外レストラン約1,000軒と取引をするなど急成長を遂げています。
こうした事例を参考に、付加価値の高い品種の栽培の実証実験に県の試験場で取り組み、新たな品種を県内生産者に普及してはいかがでしょうか。これが1つ目の質問です。
生産者の悩みの種、それは販路をどう開拓し、拡大するかという点にあります。高い生産技術を持っているものの、販売のノウハウがないというのが本音ではないでしょうか。しかし、本県は立地的に恵まれた環境にあります。県内に食品製造の事業所は約1,000あり、産出金額は約1兆5,000億円で全国3位であります。飲食店も約2万5,000軒あり、全国屈指であります。加えて、農林水産省によれば野菜需要のうち加工・業務用需要の割合は増加傾向で、全体の6割にも上ります。つまり食品製造業や飲食店に販路を開拓できれば、新たな野菜づくりに乗り出す生産者は必ずや増えるはずです。ここで県の出番だと私は考えます。生産者と食品製造業や飲食店との橋渡しを行うコーディネート役を県が主体となってやるべきであります。
2つ目の質問です。マーケティングの世界には、プロダクトアウトとマーケットインという2つの専門用語があります。前者は、提供側からの発想で商品開発や生産販売を行うことであり、後者は、市場など買い手の立場で買い手が必要とするものを提供するという考え方です。私は、両方のバランスを調整しつつ、生産者と食品製造業や飲食店との橋渡しをする専門の部署を設置すべきと考えます。
実は、農林水産省の食料産業局内に専門部署があります。こうした先進事例を参考に、新たな組織の設置と人材育成に取り組まれてはいかがでしょうか、農林部長のお考えをお伺いします。

A 河村 仁 農林部長

まず、付加価値の高い品種の栽培の実証実験に県の試験場で取り組み、新たな品種を県内生産者に普及していくことについてでございます。
農業の経営環境が厳しくなる中、儲かる埼玉農業の実現には、高付加価値で差別化の図れる品種の導入を進めることが必要と考えております。
県の試験研究機関では、これまでも県オリジナル品種の育成に取り組んでおり、最近では観光農業が盛んという本県の特徴を生かした直売や観光摘み取り向けのイチゴの新品種を開発しています。
議員お話のヨーロッパ野菜の取組は、県内の種苗会社が育成した品種を生産者が栽培し、食品卸売会社、レストランなどの関係者と連携したことが成功の要因と考えます。
種苗会社や国などが育成した品種のうち、将来需要の拡大が見込まれる品種を、県の試験研究機関が栽培実証し、現場に普及していけば農家の所得の向上を図ることができます。
例えば、機能性成分を多く含んだ野菜、温暖化に対応した果樹などは付加価値を生み出すことが考えられます。
また、近年、国において開発されたリゾットに適したお米、パスタ用の小麦などは需要の拡大が見込まれます。
今後、新品種の開発にとどまらず、こうした栽培実証についても、試験研究機関の新たな取組の一つとして検討してまいります。
次に、生産者と食品製造業者や飲食店との橋渡しをする専門の組織の設置と人材育成についてでございます。
議員お話のとおり、販路の拡大という面では、食品製造業者が数多く立地する本県の強みを生かし、マーケットインの視点で農産物の生産に取り組むことが必要です。
昨年7月以来、農林部職員が企業誘致などにより本県に立地した食品製造業者を中心に25社を訪問し、県産農産物に対するニーズなどの聞き取り調査を実施しています。
訪問した企業からは県産ねぎなどを使用したい、農業との関わりを通じ農村の活性化にも貢献したいので、農業・農村と企業との連携をコーディネートする部署があればありがたいとの意見をいただいているところです。
生産者と食品製造業者、飲食店などの様々なニーズや情報を、これまでより一歩踏み込んできめ細やかに結び付けていくことができれば、産地の育成ひいては地域農業の発展につなげていけるものと思われます。
このため、御提言の趣旨を踏まえ、農林水産省の組織や事業の進め方などを参考にして、生産者と食品製造業者、飲食店との橋渡しをする体制づくりや人材育成のあり方について研究してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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