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ページ番号:80166

掲載日:2022年8月18日

平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(永瀬秀樹議員)

木育の推進について

Q 永瀬秀樹議員(自民

私は、持続可能社会の構築に向けて、埼玉県土の32パーセントを占める森林の良好な環境を形成するためには、様々な林業振興施策に加え、家庭や学校、社会において、より積極的に木育を推進すべきと考えています。
木育とは、良い地球環境の形成のために森を育むための教育活動のことであり、林野庁の文書では木材利用に関する教育活動と定義されております。生活の三要素、衣食住の食に食育があるように、住に木育があるというわけであります。本県においても、平成20年6月から始まった埼玉の木づかい運動において、具体的な取組の一つとされ、平成23年度版及び平成28年度版の埼玉県農林業・農山村振興ビジョンにおいても取組の展開方向の一つとして取り入れられております。
以来、県及び市町村においては、木育に関する様々な取組が行われ、民間においても木育を推奨する施設の設置やイベントが開催されました。昨年の10月には、さいたま市にまちの木育スペース、Woods ONがオープンするなど、徐々に広がりを見せ始めていますが、現状においてはまだまだ散発的、一過性の感は否めません。
そこで、まず教育における木育の推進について教育長にお伺いいたします。
本県の学校教育における木育は、どのように行われていますか。義務教育、高校教育について現状をお教えください。
また、今後の木育の推進に関しては、これまでに実績のある森林・林業教育や環境教育の成果を基礎に生かし、連携して進めることが有効と考えられます。こうした点に配慮し、本県においてより一層、木育の推進を図っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
次に、木育拠点施設の整備についてお伺いいたします。
木育の推進のためには、木育が実施できる拠点施設の整備が重要です。森林・林業教育施設の中に木育学習プログラムの計画立案者、実際の学習活動の指導者、木工室や木工機械室、教材、設備、木工道具などを備えた木育拠点施設を造り、指導者など人材も融合させながら木育のシステムを構築していくことが良いと考えられますが、いかがでしょうか。
また、今後の県全体の木育の普及に向けては、各市町村レベルでの拠点整備も必要と考えます。首都圏に位置する本県の地域性も考慮すれば、山間部だけではなく、多くの県民が日常的に利用することができるよう、都市部または都市近郊に木育施設を設置することは極めて効果的と考えます。
そこで、新設もしくは既存の関連施設や公共施設を利用した木育学習プログラムの展開が行えるよう、都市部もしくは都市近郊での木育施設の整備を進めてはいかがでしょうか、農林部長の見解をお聞かせください。

A 関根郁夫 教育長

「教育における木育の推進について」お答えを申し上げます。
まず、「木育の現状について」でございます。
現在すべての小・中学校で、環境教育が行われております。
その中で森林の働きを学んだり、森林保護などについて体験したりする活動も行われております。
また、地域の特色を生かして、学校近くの森林の観察や炭焼き体験、植樹体験、林野庁の埼玉森林管理事務所の職員を講師とした森林教室などの木育に取り組んでいる学校もございます。
高校では、すべての学校の家庭科の授業において、限りある資源を循環させて使い続ける必要性など、生活者の視点から地球環境を守ることについて学んでおります。
また、県内で唯一の森林科学科を設置している秩父農工科学高校では、学校演習林を活用して、森林の育成や保護、森林資源の利用などの専門的な学習をしております。
さらに、「県立高校みどり再生プロジェクト」事業においては、高校が地域の企業や関係団体と連携し、森林での植樹や下草刈り、間伐材を活用したものづくりなどの森林環境教育に取り組んでおります。
次に、「今後の木育の推進について」でございます。
今後におきましても、このような特色ある取組を、環境教育の担当教員が集まる会議で更に普及させるとともに、地域の関係機関と連携して進めるなど、木育の推進に取り組んでまいります。

A 河村 仁 農林部長

「木育拠点施設の整備について」お答えを申し上げます。
まず、「木育拠点施設と木育システムの構築について」でございます。
議員ご指摘のとおり、木育拠点施設を整備し木育指導者が体系的に木育を推進することは、木の良さや利用の意義などを学ぶ上で効果的と考えています。
県内には、施設を木質化し、木の遊具で子供を遊ばせるなど熱心に木育に取り組み、全国でその取り組みを発表している保育園がございます。
また、埼玉大学では木育システムの研究が行われており、木育活動は徐々に広がりを見せております。
深谷市にある埼玉県農林公園の木材文化館は、森林・林業に関するパネル展示や木工教室を開催するなど、木育の拠点となっております。
今後も、木材文化館を木育の拠点施設として充実させるには、木育システムの構築も重要と考えますので、様々な幅広い関係者のご意見を聞きながら検討を進めてまいります。
次に、都市部や都市近郊での木育施設の整備についてでございます。
都市部の自治体や民間団体では、直接、木に触れ合う機会が少なく、木育の進め方や木育施設を造るためのノウハウを持った人材が不足しています。
そこで、木育に取り組もうとする方々を対象に、県はこれまでNPOや埼玉大学が実施する、木育に必要な知見が得られる「木育セミナー」の開催を支援してまいりました。
また、木育の体験を希望する団体には、木のおもちゃを使った遊び方を実演する「木育キャラバン巡回事業」などを紹介するほか、県が養成した木育指導員を派遣して指導してまいりました。
県では、平成14年度から平成27年度までに幼稚園や保育園など23箇所の、木育施設の整備を支援してまいりました。
今後とも、国や県の補助事業を活用するなど、都市部と都市近郊での木育施設の整備を推進してまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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