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掲載日:2026年7月10日
Q 杉田茂実 議員(自民)
大宮スーパー・ボールパーク構想は、サッカー場、野球場、多目的競技場という三つの大規模集客施設を同時に整備する県史に残る超大型プロジェクトです。スポーツ振興にとどまらず、試合のない日の交流人口の拡大、地域経済への波及、防災機能の強化など、多面的な政策効果が期待される一方で、施設整備費はもとより、整備後も長期にわたり巨額の維持管理費・更新費が必要となります。
したがって、整備に当たっては、単に設計・建設費の多寡だけではなく、運営により価値を最大化する仕組みと公共性の確保を一体的に検討した上で、最適な事業方法を選定する必要があります。その参考となるのが令和7年3月に竣工した愛知県の県有施設「愛知国際アリーナ」、通称IGアリーナです。
先日、県土都市整備委員会において現地を視察してまいりました。同施設では、公民連携手法であるPFIの中でも全国初となるBTコンセッション方式を採用し、維持管理、運営を完全独立採算としております。その結果、公共施設等運営権の設定に伴う運営権対価により設計・建設費が約464億円とされる中で、愛知県の実質的な負担額を約200億円まで抑えるなど、費用負担の大幅な抑制が実現されています。
一方、本構想においても、令和6年度に実施されたサウンディング型市場調査の結果、サッカー場や多目的競技場においてBTコンセッション方式やBTO方式が取り上げられるなど、3施設それぞれに最適なPFI手法も取り入れて検討を進められていくものと承知しております。手法の確定に当たっては、各事業手法を同一条件で比較するバリュー・フォー・マネー、いわゆるVFMの算定を行い、その評価結果を公表するなど、県民の理解と納得を得ることが不可欠です。
県では今年度改めてサウンディング型市場調査を実施するとされております。県民の皆様からお預かりした貴重な税金を原資とし、多額の県費を投じる大規模な公共事業であることからも、VFMによるコスト比較は大変重要であると考えておりますが、この点について都市整備部長の御所見をお伺いいたします。
また、本構想は公園内で性格の異なる三つの競技施設を同時に整備する前例のない巨大公共事業です。3施設の一体的な整備から運営までを引き受けられる民間の事業体と契約できる見込みはあるのでしょうか。特に、近年の人件費や資材費の高騰、高止まりの中で、整備段階では短期的な投資回収、運営段階では中長期的な収益確保といった民間事業者の意向の相違も想定されます。そのような状況下において民間事業者によるコンソーシアム、あるいは特別目的会社、いわゆるSPCの組成をどのように見込んでいるのか、極めて重要であると考えます。これらの課題について今後どのように進めていくのか、都市整備部長の御所見をお伺いいたします。
A 中村克 都市整備部長
まず、VFMによるコスト比較の重要性についてでございます。
公共事業への民間手法の導入に際しては、一般的に、従来の公共事業方式で実施した場合のコストと、民間活力を導入したPFI方式のライフサイクルコストとを比較する、いわゆる定量的評価が行われております。
一方、大宮スーパー・ボールパーク構想を具体化させ、「試合がある日もない日も楽しめる公園」を実現するには、民間活力を導入し、サービスの質を高めていくことがポイントになると考えております。
そのためには、定量的評価にとどまらず、創意工夫やサービスの向上を図る価値の最大化といった定性的な評価も重要であり、支払いに対して最も価値の高いサービスを供給するという考えであるVFMによる評価手法が適しているものと認識しております。
次に、コンソーシアムやSPC組成の見込みなどの課題について、今後どのように進めていくのかについてでございます。
議員お話しのとおり、大宮スーパー・ボールパーク構想は、野球場、サッカー場、多目的競技場を一体的に整備する、本県では前例のない大規模な事業となります。
令和6年度に実施したサウンディング型市場調査では、事業規模が大きいことから初期投資負担が大きくなること、事業期間が長いことから物価変動等のリスクが高くなることなどが事業参入への懸念として挙げられました。
加えて、都市公園内であるという条件の下、整備だけでなくその後の運営までを長期にわたって担ってもらう必要があることから、当該事業を成立させるためには、コンソーシアムやSPCの組成は欠かせないものと認識しております。
一方で、議員御指摘のとおり、整備を担う事業者と運営を担う事業者が異なることから、コンソーシアム等の組成には、工夫が必要です。
また、整備段階と運営段階でリスクを全て洗い出した上で、事業全体を通じた官民のリスク分担の整理なども重要になるものと考えております。
民間事業者の参入機会を確保し、民間事業者による創意工夫やサービスの向上を図るために、どのような事業スキームを設定していくかといった点について、他県の先行事例などを参考にしながら、現在、その検討を進めているところです。
加えて、今年度実施するサウンディング型市場調査においては、民間事業者の意向を丁寧に聞き取り、対話を重ねながら、いただいた意見を事業手法や施設の配置計画などの検討に生かしてまいります。