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掲載日:2026年7月9日
Q 美田宗亮 議員(自民)
本県は、これまで東京都に隣接する地理的優位性を背景として、人口増加と都市発展を続けてまいりました。とりわけ、県東部地域においては、交通網整備や区画整理事業などにより多くの人々を受け入れ、住宅都市として発展を遂げてきた歴史があります。
しかしながら、人口減少社会の到来により、これからの都市間競争が大きく姿を変えていくものと考えております。これまでは都心へのアクセスや利便性が都市の価値として重視されてきました。しかし、今、子育て世帯や現役世代の間では、単なる便利さだけではなく、どれだけ人間らしい生活を送れるかという視点が急速に重視され始めているのではないでしょうか。
東京都は日本を代表する巨大都市であり、多くの魅力と可能性を持っています。一方で、住宅価格や物価の高騰、過密による生活ストレス、長時間通勤、子育てや教育における過度な競争、さらには首都直下地震への不安など、都市の巨大化ゆえの課題も抱えております。
その中で、私は埼玉県の最大の強みは余裕にあるのではないかと考えております。例えば、東京よりも広い住環境を確保しやすいこと、子供たちが比較的伸び伸びと育つ環境があること、地域コミュニティとのつながりが残っていること、水や緑に触れられる空間が身近にあること、そして、都市機能も享受しながら家庭生活や地域生活とのバランスを保ちやすいことなどなど、これは単なる東京よりも安いという話ではなく、人生のゆとりそのものが本県の価値になり得るということです。
繰り返しますが、人口減少社会において都市が選ばれる基準は、単なる利便性競争から、どこで安心して暮らせるか、どこで豊かな人生を送れるかという生活の質の競争へ移っていくのです。だからこそ、本県は東京に近い県という位置付けにとどまるものではなく、余裕ある暮らしを実現できる県として独自の都市戦略を打ち出していくべきではないでしょうか。
そこで、知事に伺います。
人口減少社会において東京都との比較にさらされる本県が、埼玉ならではの生活の余裕や暮らしの豊かさをどのように都市戦略へ位置付け、今後どのような県づくりを進めていくお考えか、御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
本県には、優れた交通ネットワークに加え、都市と田園の共存、多彩な地域資源などの多くの強みがあります。
一方、本県の人口は、令和7年国勢調査速報で初めて前回調査を下回り、減少に転じたことが明らかになりました。
この「人口減少・超少子高齢社会の到来」という歴史的課題に対し、まちづくりから対応を進める本県独自の取組である「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」では、県内各地の特性を生かし、持続可能なまちづくりを進める市町村を県が強力に支援してまいりました。
本プロジェクトのコンセプトの一つである「コンパクト」は、身近にある自然と、暮らしに必要な機能が集積した拠点を生かし、ゆとりのある魅力的な地域を形成するもので、議員御指摘の「余裕ある暮らしを実現できる県」につながると考えています。
現在全ての市町村が参加したことから、全庁を挙げて、まちづくりの主体である各市町村の意向や課題を丁寧に伺った上で、技術的な支援など取組の高度化・深化に向け、より積極的に後押ししてまいります。
また、本プロジェクトの理念をまちづくりの戦略に位置付けるため、都市計画の基本指針である「まちづくり埼玉プラン」の見直しを現在進めているところであります。
加えて、議員御指摘のゆとりや余裕の醸成にもつながる、豊かな住生活を実現するための「埼玉県住生活基本計画」につきましても、本プロジェクトの理念を位置付けるよう見直しに着手をいたしました。
今後とも、埼玉版スーパー・シティプロジェクトに加え、まちづくりの計画を総動員しながら、本県の強みを最大限に生かした魅力あるまちづくりを進め、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に取り組んでまいります。