トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和8年6月定例会 > 令和8年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 6月19日(金曜日) > 美田宗亮(自民) > 令和8年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(美田宗亮議員)

ここから本文です。
ページ番号:284122
掲載日:2026年7月9日
Q 美田宗亮 議員(自民)
中東情勢については、今年2月28日にアメリカによるイランへの攻撃が始まって以降、100日以上が経過しました。6月15日には両国間で戦闘終結に向けた合意がなされたとの報道もありましたが、中東地域は世界のエネルギー供給の要であり、その不安定化は国際社会に深刻な影響を及ぼしております。特に、石油やその関連製品の多くを輸入に依存している我が国では、こうした影響が国民生活や経済活動の幅広い分野に及んでいます。
例えば、ナフサを原料とする化学製品の供給不足が全国的な課題となっています。プラスチック製品の原料であるポリエチレンなどの不足は、製造業をはじめ多くの産業に影響を与えています。国では、石油や関連製品の調達先の多角化や物流の円滑化に向けた対策を進めています。
一方、県内の中小企業や農業者からは、原材料価格の高騰や供給不足に直面しているとの声が寄せられています。先行きが見通せない中、高価な代替品への切替えや一時的な操業停止を検討せざるを得ない事業者も出ています。また、中東情勢への不安を背景に、一部で日用品の買いだめが見られるとの報道もあり、県民生活への影響は深刻です。
このような状況を受け、我が自由民主党議員団では、去る6月11日に大野知事へエネルギー価格高騰及び原材料供給危機から県民の生活と産業を守る緊急要望を行いました。同要望では、重点支援地方交付金を活用し、中東情勢に伴う石油等由来製品の急激な価格高騰や供給不足の影響を受ける県内中小企業や農業者等に対する支援を行うなど、経済活動や県民の皆様の暮らしに支障が生じないようにするための支援など、五つの支援を県に求めたところです。本日の追加提案は、その回答でもあると受け止めております。
そこで、お伺いいたします。
中東情勢が県内事業者に与える影響について、現状をどのように受け止めているのか、大野知事の認識をお伺いいたします。
また、中東情勢を踏まえた支援は今回の補正予算で終わりではなく、我が団の要望でも言及しました既存の保証協会付き制度融資枠にとどまらない特例緊急融資制度の創設など、今後も支援が必要と考えますが、大野知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
まず、「中東情勢が県内に与える影響及び県の対応について」のお尋ねのうち、県内事業者に与える影響についての認識であります。
県ではこれまで、国や他都道府県に先駆け、県内87か所の相談窓口において県内事業者からの相談を受け付けるとともに、経済団体や業界団体などに直接話を伺い、全庁を挙げて情報収集を進めてまいりました。
その結果、県内事業者からは、石油等由来製品をはじめとする資材等の調達に関する具体的な相談が寄せられており、建設業では「外壁塗装に必要な塗料の入荷が大幅に遅延、あるいは停止している」などの声があがるなど、現場は切実な状況に置かれていると認識しております。
他方、多くの事業者から寄せられている声は、価格の高騰と同時に、今後の供給不安や資金繰りに対するものであり、今後の推移が不透明な中で、近い将来におけるセーフティネットを講じる必要性が高いと考えております。
国は、石油等由来製品において「年度を越えて」供給の継続が可能と説明していますが、現場での不足感が解消していない現状に鑑みれば、県としてセーフティネット等の措置を行う必要があると思いました。
そこで令和8年6月9日に開催した強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議において、セーフティネットの必要性について御議論いただくとともに、県議会の皆様からの御要望も踏まえ、本日補正予算案を追加で提案させていただいたところであります。
次に、今後の支援の必要性についてであります。
本来、石油等由来製品の安定調達については、国が率先して対策を打つべきものと考えますが、現時点では国の有効な対策が見えていない状況であります。
そのため、国に先んじて、先行きが不透明な中東情勢に対するセーフティネットとして、石油等由来製品の急激な価格高騰や供給不足の影響を受ける中小企業や農林水産業者等に対し、県独自の支援を盛り込んだ補正予算案を提案をさせていただきました。
この支援では、中小企業等に対し、仕入れ価格の上昇分や代替品に切り替えた際の価格上昇分への補助を行うとともに、石油等由来製品を代替品に切り替えるための設備投資に要する費用への補助を行います。
他方、中東情勢については、戦闘終結に向けて合意したとの報道がありましたが、合意がなされても、エネルギー供給がすぐに正常化するとは限らないのみならず、石油等由来製品の価格の正常化が見通せる状況にもなく、我が国経済に影響が続くことを想定せざるを得ません。
仮に今後も国の有効な対策が示されないのであれば、県として機動的な対応を行う必要があると考えております。
御指摘の新たな融資枠を設定することにつきましては、現時点では現行の制度融資への申込件数が一定程度にとどまっていることに加え、相談状況も踏まえると、現状で制度融資へのニーズは高くないと考えていますが、今後の中東情勢が中小企業等に及ぼす影響を見極めつつ、既存の制度の弾力的な運用や更なる補正予算の対応も含め、柔軟に検討してまいります。
今後も引き続き、国の動向や本県経済への影響及び県内企業の現状と課題について関係機関と情報共有し、必要な対策を先手先手で講じてまいります。