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ページ番号:281047
掲載日:2026年3月26日
予算特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案21件であります。
初めに、部局別質疑を3月11日から17日までに5日間行い、集中的に審査を行いました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「事業レビューによる見直し額は、毎年度、おおむね一定額で推移しているが、EBPMを活用し、より踏み込んだスクラップ・アンド・ビルドを図るべきではないか」との質疑に対し、「今年度の事業レビューでは、基金の在り方や国・市町村との役割分担の見直しなど新たな視点を加え、当初見込んでいた成果が得られていないなどのEBPM上課題のある事業について見直しを行った。その結果、一般財源ベースで53.2億円の縮減となり、前年度の見直し額43.3億円を上回る一般財源を生み出した。今後も限られる財源を効果的に活用するため、スクラップ・アンド・ビルドを更に進めていく」との答弁がありました。
次に、「県庁舎再整備に当たっては、単なる建替えではなく、現代の社会情勢や将来の姿を反映した計画にすべきと考える。業務効率の向上、防災拠点としての機能強化や職員の働きやすさなどを前提とし、将来を見据えた検討が必要ではないか」との質疑に対し、「埼玉県県庁舎再整備懇話会からも県民の安心・安全が最優先との意見をいただいている。また、DXの進展と働き方改革を融合させ、県民の利便性や職員の生産性・創造性の向上を両立させる視点も重要であるので、整備をきっかけに、こうしたことを来年度も検討していく」との答弁がありました。
次に、「スマート農業の導入支援にあたり、RTK基地局の設置場所として、県有施設を貸し出す公募を継続しているが、結果が出ていない。今後、RTK基地局の活用をどのように推進していくのか」との質疑に対し、「スマート農業導入コスト低減支援事業において、スマート農業機械の導入費用を有利な条件で補助することで、RTK技術を活用するスマート農業機械の導入などが加速し、RTK基地局の設置ニーズも高まると考える。基地局の設置事業者にこうした情報を提供するとともに、更なる設置を働き掛け、普及を推進していく」との答弁がありました。
次に、「介護現場での人手不足の大きな要因は、他産業に比べて賃金が低いことと考えるが、どのような対策を講じていくのか」との質疑に対し、「これまでの施策に加えて、来年度新たに、奨学金を返済しながら県内事業所で働く介護職員に対して奨学金返済支援を行う予算を提案している。本事業を通じて、若い世代の介護未経験者や他県の求職者に、本県の介護事業所を選んでもらえるよう促していく。また、本年6月には、臨時の介護報酬改定が予定されているが、処遇改善に関しては、今後も国に対して強く要望していく」との答弁がありました。
次に、「原材料価格の高騰や人手不足など、県内の中小企業や小規模事業者を取り巻く環境は依然として厳しい状況であるが、この状況を踏まえ、令和8年度当初予算案をどのように編成したのか」との質疑に対し、「現下の経済状況を踏まえ、中小・小規模事業者支援の観点から、資金繰り支援やDXによる生産性向上など人手不足への対応、新たな価値を創出する観点から、渋沢MIXの活用やサーキュラーエコノミーの推進など、県外の活力を取り込む観点から、成長分野の企業誘致などの取組を盛り込んだ」との答弁がありました。
次に、「昨年度の本委員会の附帯決議である埼玉県歯科医師会口腔保健センターの設備の更新と運営費の在り方について、令和8年度の財政支援をどのように考えているのか」との質疑に対し、「公設の施設と比較したところ、同センターの体制強化や診療設備の計画的な更新の必要性を認識した。県として主体的に診療体制を整備することが必要だと考え、令和8年度当初予算案では、設備更新費も含めて、補助金から委託料に変更した」との答弁がありました。
次に、「八潮市道路陥没事故に関する事業予算について、復旧工事費に加え、抜本的対策である下水道管路の複線化についても、国が予算を確保し、それを財源に事業を進めるべきと考えるがどうか」との質疑に対し、「これまで国に対して財政支援などの要望を行ったところ、令和8年度から重要下水道管路の更新や下水道施設のリダンダンシーを強化する事業について、補助事業が創設されるなど支援が強化される。これらの制度を十分に活用するとともに、財政支援について、引き続き、あらゆる機会を通じて国に要望していく」との答弁がありました。
次に、「県立学校の体育館空調整備の推進について、令和15年度までに整備が完了するとのことだが、整備費はどの程度か。また、部活動での使用に関するガイドラインは、いつ改定して周知するのか」との質疑に対し、「整備完了目標の令和15年度までの事業費は概算で約310億円を見込んでいる。また、令和8年度の夏季に間に合うよう、部活動でも使用できる運用に変更し、各学校に周知する」との答弁がありました。
次に、「大宮駅東口の防犯カメラ整備事業については、議会として、県の責任での継続を強く求めているが、今後どう取り組むのか。仮に、さいたま市等との協議が整わない場合、県において事業を継続するのか」との質疑に対し、「大宮駅東口地区における防犯カメラの必要性は深く認識しており、さいたま市等と設置に向けた協議を継続している。協議が不調に終わることは想定していないが、令和8年12月までに協議が整わない場合は、更に1年のリース延長が可能か検討する」との答弁がありました。
このほか、主な質疑事項として、バーチャルユースセンターの運営、カーボンニュートラルの推進、地下インフラのデータベース化の推進、計画的な県営住宅の建替え、防災人材の育成による災害対応力の強化などについて質疑がありました。
次に、総括質疑を3月19日に行い、更に慎重な審査を重ねました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「行政手続デジタル完結サービスをはじめとした未来型オフィスの整備は、今後の県庁舎再整備とつながりがあることから、スピード感を持って進めるべきと考えるがどうか」との質疑に対し、「デジタル技術の進展により、行政はこれまで以上に高い精度や柔軟性、スピードが求められるため、デジタルを前提とした県庁への変革を加速しなければならない。そのため、AIの活用や行政手続のデジタル完結化を更に進め、県民サービスと職員の生産性の向上を進めていく」との答弁がありました。
次に、「八潮市道路陥没事故等の対応について、汚水処理の広域化は国が推進してきた以上、国に更なる財源を求める必要があると考えるがどうか」との質疑に対し、「大規模流域下水道の整備は、国の方針に基づき推進されてきたことから、国の財政支援は非常に重要だと考える。これまでも国に対して、財政支援など様々な要望をしているが、引き続きあらゆる機会を通じ、国に要望していく」との答弁がありました。
次に、「性犯罪・性暴力被害者の支援センターであるアイリスホットラインについては、人手不足による相談業務の質の低下を防止し、より適切な運営を行うために、人員加配を含めた支援をすべきと考えるがどうか」との質疑に対し、「現在7名の相談員で対応しているが、病院への付添い支援などの相談以外の業務では、犯罪被害直接支援員8名が援助を行っている。現時点では、相談員1日当たりの相談件数は1件に満たない状況であるため、直ちに人員加配が必要な状況にはないと判断している」との答弁がありました。
次に、「いじめ対策については、『福岡県いじめレスキューセンター』などの事例を参考に、多様な相談体制の構築、他部局連携、専門人材の配置など大幅な機能強化が必要だと考えるがどうか」との質疑に対し、「既存の電話相談窓口『子どもスマイルネット』では、いじめを含めた様々な相談を受け付け、適切な専門機関に直接つなげるなど、福岡県のセンターとほぼ同等の機能を有していると考えるが、他の機関や取組を参考にしながら改善することは非常に重要なことと考えるため、関係部局との調整や専門家への意見聴取を行いながら、他の事例を参考にしていく」との答弁がありました。
このほか、主な質疑項目として、行政のデジタル化の推進、あと数マイル・プロジェクトの推進、観光施策の推進、女性の活躍支援、教員の人材確保などについて質疑がありました。
次に、討論及び採決を3月24日に行いました。討論では、第1号議案、第8号議案、第19号議案及び第21号議案に反対の立場から、「おおぞら号の廃止、伊豆潮風館の廃止検討など、障害者の移動の権利を侵害しかねない政策であることなどから反対する」との討論がありました。
一方、第1号議案に賛成の立場から、「少子高齢化に伴う社会保障費の増加やインフラ再整備への対応のほか、外部人材の活用や伴走支援を通じたDX推進策が展開されるなど、中長期的な効果を見据えた支援が実装段階に入ったと評価し賛成する」。また、「人口減少や超少子高齢化、頻発化・激甚化する自然災害、長引く物価高騰などの課題に対応し、日本一暮らしやすい埼玉の実現を目指して編成されたものであり、物価高騰対策、地域公共交通、物流、医療・介護分野の人材確保支援などを評価し賛成する」などの討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、採決いたしましたところ、第1号議案、第8号議案、第19号議案及び第21号議案については多数をもって、第2号議案ないし第7号議案、第9号議案ないし第18号議案及び第20号議案については総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
その後、附帯決議が提案されました。「『第1号議案令和8年度埼玉県一般会計予算』について、事業の執行方法に関して、以下の適切な対応を求めるものである。
第一に、県庁舎の位置の選定に当たっては、公正かつ公平な判断基準に基づき、客観的な比較検討を行うこと。その上で、速やかに位置を選定するとともに、美園地区の活性化も視野に、さいたま市をはじめ関係機関と協議すること。
第二に、人材流出及び人材不足が顕著な保育士、幼稚園教諭、児童養護施設職員、介護士、看護師等について、更なる処遇改善を図ること。
第三に、いじめ対策については、専門人材の活用、相談手段の多様化、関係部局・関係機関との連携強化等により、相談支援体制の充実を図り、その実効性を高めること。
第四に、県立高校体育館等への空調整備については、有利な緊急防災・減災事業債等を最大限活用し、可能な限り前倒しして実施すること。
第五に、公立学校における生命の安全教育について、全校実施の定義や内容を明確にした上で、発達の段階に応じた知識を着実に習得できるよう、取組を強化すること。
第六に、アイリスホットラインへの相談件数が増加傾向であることを踏まえ、現場の相談対応状況及び相談者の声を十分に踏まえつつ、相談対応体制の強化を検討すること。
第七に、移動木造応急住宅については、事業の趣旨を十分に精査し、その費用対効果を十分に検証すること」
以上の内容であります。続いて、質疑並びに附帯決議に反対及び賛成の立場から討論があり、採決いたしましたところ、多数をもって附帯決議を付すことに決した次第であります。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。