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掲載日:2022年12月27日
Q 松井 弘 議員(自民)
知事は、令和元年の就任時に、子供や若者の国際交流支援や外国人との共生社会の実現を掲げ、知事公約5大プロジェクトの一つに世界のSAITAMAプロジェクトを打ち出しました。就任から3年を迎え、今年8月の知事定例記者会見で知事は公約の達成状況を聞かれ、世界のSAITAMAプロジェクトについて、国際交流事業など相手があることなどは残念ながら実現には制約があったと答えています。
私ももちろん、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が海外との往来を困難にし、国際交流機会が著しく減少したことは承知しています。しかし、埼玉の未来を担う子供や若者が国際交流の経験を通じて異なる文化や習慣、価値観を理解し、グローバル社会を生き抜く力を身に付けることの重要性は一層高まっています。新型コロナウイルス感染症の影響がある中で、国際交流を停滞させず子供や若者に交流の機会を提供することは、県の重要な責務の一つと考えます。
また、県内の状況を見ると、県内在住外国人は令和4年6月時点で20万人を超えています。今後、地域で更に増えるであろう外国人住民と県民がお互いに理解を深め、地域社会の担い手として日本人も外国人も活躍できる共生社会づくりは進んでいるのでしょうか。
超少子高齢化が進む埼玉県では、あらゆる手立てを講じて県の活性化を図ることが必要であると思います。知事公約5大プロジェクトの一つである世界のSAITAMAプロジェクトは、子供や若者の国際交流支援及び外国人との共生社会の実現が大きな柱でありますが、県の取組と今後の展開について知事のお考えを伺います。
また、私は、高校生の留学生の海外経験は、語学経験を積むだけでなく、自国を知ることと他国を知ることの両面を経験することで多様な価値観を身に付けるとともに、将来の進路選択の幅を広げるなど、大変大きな教育的効果があると考えます。
令和4年7月に文部科学省が示した「高等教育を軸としたグローバル政策の方向性~コロナ禍で激減した学生交流の回復に向けて~」では、「グローバル化が進む中で、日本人学生も世界に飛び出し、多様な文化や価値観に触れ、世界中の人々や国内の多様な文化的・言語的背景をもつ人々と協働できる力、広い視野で自ら課題に挑戦する力を身に付けた真のグローバル人材として育成していくことが不可欠」であると課題を示しており、その中の取組の一つとして、より若い時期の海外経験を将来の留学につなげるため、大学生に加え高校生の段階から留学の機運醸成、支援を強化するとしています。
現在、高校生も海外渡航がなかなかできない中、国内でできる国際交流などを実施しているようですが、真のグローバル人材の育成を図るためには、海外での実体験も必要であると考えます。
そこで、現在の取組を踏まえ、今後どのように進めていくのか、教育長に伺います。
A 大野元裕 知事
「世界のSAITAМAプロジェクトについて」のお尋ねのうち、世界のSAITAМAプロジェクトの県の取組と今後の展開についてでございます。
世界のSAITAMAプロジェクトは、世界で活躍する人材の育成や本県で生活する外国人住民が活躍できる環境整備を進め、埼玉県を誰もが暮らしやすく活力にあふれた地域にすることを目指すものであります。
私はかねてより、子供や若者の国際交流機会の充実や外国人との共生社会の重要性を訴えてまいりました。
議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響による渡航制限等のために若者が留学を断念したことや、姉妹州省への訪問が実現できなかったことは私としても大変残念に感じています。
他方で、このような制約の中でも決して国際交流を絶やすことはいけないと考えています。従来とは異なる視点で、県民に新たな交流の場を提供させていただきました。
例えば、県民向けに姉妹州の大学とのオンラインプログラムを開設したほか、ライブ中継により現地の町を紹介するツアーを実施するなど、工夫をしてまいりました。
また、外国人との共生社会の実現に向けましては、外国人の日本語学習支援を実践する日本語教室の設立や運営上の課題解決の支援に取り組んでおります。
本年9月には、これまで日本語教室がなかった伊奈町と寄居町に、県の支援を受けて初の日本語教室が設立されるなどの成果が上がっています。
私といたしましては、コロナ禍で得た気づきを糧に新たな国際交流や外国人支援に尽力するとともに、海外との往来が正常化に向かう中で、従来から行ってきた留学支援や首長外交にも全力で取り組み、世界のSAITAMAプロジェクトをしっかりと推進してまいりたいと考えています。
これまでの逆風が追い風に変わる時機を逃すことなく、ウィズコロナ、ポストコロナにおける取組に一層の磨きをかけ、世界のSAITAMAプロジェクトを推進いたします。
A 高田直芳 教育長
真のグローバル人材の育成を図るため、現在の取組を踏まえ、今後どのように進めていくのかについて、お答えを申し上げます。
県では、高校生を海外へ派遣する取組を推進し、グローバル社会で必要な豊かな国際感覚を身に付けた人材の育成に努めております。
「グローバルリーダー育成プロジェクト」事業では、全県立高校を対象に募集して選考した30名を海外へ派遣する研修を行っています。
令和3年度は海外への渡航ができませんでしたが、メキシコ州の高校生とのオンライン交流や、県立高校出身の元国連職員から、グローバルリーダーの必須スキルについて講演をいただくなど、国際感覚を磨くための国内研修を8日間実施いたしました。
参加生徒からは、「失敗を恐れず、挑戦することがとても大切だと感じた。」「将来、グローバルリーダーとして活躍して、ここで得たことを社会に還元していきたい。」等の感想がありました。
令和4年度は、生徒が各国の大使役となって世界の諸問題を議論する模擬国連などの研修を実施するとともに、在日シンガポール大使への表敬訪問や、実際にシンガポールに渡航してシンガポール国立大学生とのディスカッションなども計画しています。
また、県立高校17校が学校単位で海外の姉妹校等と交流する事業を実施しているところです。
県といたしましては、引き続き、こうした事業を通して、地球規模の視野で物事を考え、世界の人々と協働できる力を身に付けたグローバル人材の育成に努めてまいります。
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