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掲載日:2024年3月26日

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答申第129号 「市道2-564号線が本線に接続しないことになった理由、中止になった理由」等の不開示決定(平成20年3月21日)

答申第129号(諮問第149号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県知事(以下「実施機関」という。)が平成19年6月18日付けで「市道2-564号線が本線に接続しないことになった理由 イ、中止になった理由」に関する公文書が存在しないとして不開示とした決定は、妥当である。
また、実施機関が同日付けで「市道2-564号線が本線に接続しないことになった理由 ロ、側道に要した費用」に関する公文書を部分開示とした決定については、「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」を特定したことは、妥当である。

2 異議申立て及び審議の経緯

(1)異議申立人は、平成19年6月4日付けで埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「市道2-564号が本線に接続しないことになった理由イ、中止になった理由 ロ、側道に用した費用」の開示請求(以下「イ、中止になった理由」についての請求を「本件開示請求1」といい、「ロ、側道に用した費用」についての請求を「本件開示請求2」という。)を行った。

(2)実施機関は、平成19年6月18日付けで、本件開示請求1については、対象となる文書が存在しないとして不開示決定(以下「本件処分1」という。)を、本件開示請求2については、「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」を特定し、県等が行う事務又は事業に関する記述の部分を不開示とし、その他の部分を開示する部分開示決定(以下「本件処分2」という。)を行い異議申立人に通知した。

(3)異議申立人は、平成19年8月27日付けの異議申立書により、実施機関に対し、不開示理由が不当であり、側道が計画された経緯及び側道に計上された予算額の開示を求める旨の異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4)当審査会は、当該異議申立てについて、平成19年11月6日に実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5)当審査会は、本件審査に際し、実施機関から、平成19年12月10日に開示決定等理由説明書の提出を受けた。また、同月19日に実施機関の職員から意見聴取を行った。

(6)当審査会は、本件審査に際し、異議申立人から平成20年1月11日及び同年2月18日に書面(反論書及び意見書)の提出を受け、同月26日に異議申立人の口頭意見陳述を行った。

3 異議申立人の主張の要旨

異議申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1)異議申立書

不開示理由が不当である。
近隣住民に一切の説明なくして、市道2-564号を閉じることが決定され、本来住民が必要としない側道計画がなされていたことは明白である。
側道が計画された経緯、及び、側道に計上された予算額の開示を求め、異議申立てをする。

(2)平成20年1月11日受理の書面(反論書)

市道2-564号及び付替道路計画は、(1)側道用地買収:平成16年6月30日、(2)所沢市役所関係者側道設置説明:平成17年4月7日、(3)市道、側道計画はじめて住民説明会:平成18年3月2日、という常識的には考えられない手順と不透明の中で進行してきた。
用地買収に応じた地権者の話しによると、平成16年の用地買収の際、当該地権者は、契約締結の場で側道用地であると告げられたが、それまで東京狭山線用地ということで交渉してきたのであって、側道用地ということは聞いていないと主張すると、実施機関の担当職員からは謝罪があるのみで、あらためての説明はなされなかった、とのことである。
近隣住民の生活に多くの変化をもたらすものであれば、正しい説明と透明性、公明正大な手続きが要求される。側道の設置が決定された経緯の説明が不十分である。

(3)平成20年2月18日受理の書面(意見書)及び口頭意見陳述

本件開示請求1及び本件開示請求2は、市道2-564号が本線である練馬所沢線に接続しないことになった理由を知るためのものである。計画がスタートした経緯を知りうる書類、また、側道に用する費用を知ることが必要である。
これに対し、実施機関は、平成19年9月26日、地元説明会の結果、接続しないことに決定したので、同年6月4日の本件開示請求の時点では中止となった理由を示す文書は存在しなかったと説明している。しかし、これはあまりに形式的な説明である。
平成19年9月26日に決定済みに至るまで様々な検討がなされ、その間の経緯を含む一連の文書の開示を求める。「接続しない」決定に至るまでに、県が様々な動きをしているが、これらはこの決定を導くための作業であったことは明らかで、これが理由を示す文書に該当する。
開示請求した時点で市道第2-564号と県道練馬所沢線との接続が中止になっていたにもかかわらず、「中止になった理由」を示す文書が不存在となったことが不服である。
また、本件開示請求2が「側道に用した費用」として「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」以外を特定しなかったことが不服である。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 市道2-564号と本線について

異議申立人のいう「市道2-564号」とは所沢市道2-564号線(以下「市道2-564号線」という。)のことで、実施機関が建設中の県道練馬所沢線と交差する予定の道路である。
市道2-564号線と県道練馬所沢線とが交差する箇所は、県道練馬所沢線が現在の地表面から掘り下げた位置に片側2車線、全4車線の本線(異議申立人のいう「本線」とは異なる。以下「県道本線」という。)を建設し、併せて県道練馬所沢線の側道(異議申立人のいう「側道」とは異なる。以下「県道側道」という。)を設置する計画となっているが、この県道側道も現在の地表面から80センチメートル程度掘り下げた位置に建設する予定としており、市道2-564号線と県道練馬所沢線とは(平面)交差しない計画である。
県道側道は、車両に対しては一方通行路とすることを予定しているため、市道2-564号線が県道側道に接続した場合でも、市道2-564号線から県道側道に対し、車両は左折のみ可能で、右方向への通行は不可能である。このため、県道練馬所沢線に平行した市道2-564号線の付替道路(異議申立人のいう「側道」のことを指す。以下「付替道路」という。)を設け、車両の右方向への通行を可能とする機能補償を行うこととしている。
また、異議申立人がいう「本線」とは、県道本線及び県道側道を合わせた県道練馬所沢線のことである。

(2) 本件処分1について

本件開示請求1が行われた平成19年6月4日時点では、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続するか否かについては検討中であった。
平成19年3月7日の地元説明会で、市道2-564号線と県道練馬所沢線とを接続させるため、地先地権者から隅切用地を提供したいとの申し出があり、その際、今後取付の図面を作成するとともに、市道管理者、地先地権者及び周辺地権者と協議して用地買収を再度検討し、また交通管理者等とも協議したい旨を実施機関が説明した。
また、同年2月、市道2-564号線と県道練馬所沢線とを接続させる検討を設計コンサルタントに依頼し、同年6月には、市道2-564号線と県道練馬所沢線とを接続させる設計図が完成した。この設計図を用いて同年9月26日の地元説明会において協議を行い、その結果、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続しないことに決定した。
以上のとおり、本件開示請求1が行われた平成19年6月4日時点では市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続するのか、しないのかについて決まっておらず、接続することが中止になった事実はない。そこで、本件開示請求1については、接続することが「中止になった理由」、言い換えれば、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続しないことになった理由を示す文書は存在しておらず、不開示と決定した。

(3) 本件処分2について

道路の建設に要する費用には、一般的に設計費、測量費、用地買収費、工事費がある。
本件開示請求2が行われた平成19年6月4日時点では、付替道路について設計、測量及び用地買収が完了していた。
付替道路は県道練馬所沢線と同時に事業を進めているため、付替道路の費用というものは特別に計算しないと算出できない。特に、設計費では、費用の項目にも挙がっていないため、付替道路についての費用は計算上0円であり、付替道路についての設計費を記載した公文書は存在しない。このことは、測量費も同じである。一方、用地買収費については、地権者ごとにその所有する土地について土地売買契約を締結するものであり、付替道路の部分に当たる土地の契約書を公文書として保有している。
また、本件開示請求2が行われた平成19年6月4日時点では、工事を発注しておらず、工事費を記載した公文書は存在しなかった。
よって、本件開示請求2が行われた平成19年6月4日時点で側道に要した費用として、県道側道の部分に当たる土地について既に契約を締結し、公文書として保有していた「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」を特定した。

5 審査会の判断

(1) 本件開示請求1及び本件開示請求2について

  • ア 本件開示請求1について
    本件開示請求1は、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続することが「中止になった理由」の開示を求めるものである。
    これに対し、実施機関は、本件開示請求1が行われた平成19年6月4日の時点で、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続するか否かについては検討中であることから、接続することが「中止になった理由」を記載した書類(以下「本件対象文書1」という。)は存在しないとして、不開示決定を行っている。
    このため、当審査会は、本件開示請求1に関しては、本件対象文書1の存否について検討する。
  • イ 本件開示請求2について
    本件開示請求2は、県道練馬所沢線の建設に伴い設置される市道2-564号線の付替道路に要した費用の開示を求めるものである。
    これに対し、実施機関は、「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」を特定し、契約金額等を不開示とし、その余を開示する部分開示決定を行っている。
    異議申立人は、本件異議申立てにおいて、本件処分2における「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」の各不開示部分の開示を求めるのではなく、「土地売買に関する契約書」あるいは「土地売買に関する変更契約書」以外の公文書で特定されるべきもの(以下「本件対象文書2」という。)の開示を求めている。
    このため、当審査会は、本件開示請求2に関しては、「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」以外の公文書で特定されるべき本件対象文書2の存否について検討する。

(2) 本件対象文書1及び本件文書2の存否について

  • ア 本件対象文書1の存否について
    実施機関は、本件開示請求1が行われた平成19年6月4日時点では、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続するか否かについては検討中であり、接続することが「中止になった理由」、言い換えれば、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続しないことになった理由を示す文書は存在しなかったと説明する。
    実施機関からの提示資料によれば、本件開示請求1が行われた平成19年6月4日に先立つ同年3月7日の地元説明会で、市道2-564号線と県道練馬所沢線との接続を検討していく旨を実施機関が説明したことが認められる。また、同年2月には、市道2-564号線と県道練馬所沢線とを接続させる検討を設計コンサルタントに依頼し、同年6月に市道2-564号線と県道練馬所沢線とを接続させる設計図が完成した。この設計図を用いて同年9月26日の地元説明会において協議を行い、その結果、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続しないことになったことが認められる。
    したがって、本件開示請求1が行われた平成19年6月4日時点では、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続するか否かについては検討中であり、接続することが中止になった事実はないので、接続することが「中止になった理由」、言い換えれば、市道2-564号線が県道練馬所沢線に接続しないことになった理由を示す文書は存在しなかったとする実施機関の説明に不自然、不合理な点は認められない。また、他にこの説明を覆す事情も認められない。
    よって、本件開示請求1に関し、対象となる公文書が存在しないとした実施機関の判断は妥当である。
  • イ 本件対象文書2の存否について
    実施機関は、付替道路についての設計及び測量並びに本件開示請求2が行われた平成19年6月4日時点での工事の各費用を記載した公文書が存在しないと説明する。
    そこで、実施機関に契約書等の提示を求めたところ、(1)付替道路の設計及び測量は県道練馬所沢線と一体とした発注方式を採っており、これらの契約書の費用項目に付替道路がなく、付替道路に要した費用が明らかにならないこと、(2)工事の契約は平成20年3月5日であって、本件開示請求2が行われた平成19年6月4日には工事の契約自体が存在しないことが認められた。
    したがって、付替道路についての設計及び測量並びに本件開示請求2が行われた平成19年6月4日時点での工事の各費用を記載した公文書が存在しないとする実施機関の説明に不自然、不合理な点は認められない。また、他にこの説明を覆す事情も認められない。
    よって、本件開示請求2に関し、「土地売買に関する契約書」及び「土地売買に関する変更契約書」を除いては、特定されるべき公文書が存在しないとした実施機関の判断は妥当である。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

(答申に関与した委員の氏名)
加々美光子、城口美恵子、山口道昭

審議の経過

年月日

内容

平成19年11月6日

諮問を受ける(諮問第149号)

平成19年11月22日

審議(第三部会第32回審議会)

平成19年12月10日

実施機関から開示決定等理由説明書を受理

平成19年12月19日

実施機関から説明及び審議(第三部会第33回審査会)

平成20年1月11日

異議申立人から書面(反論書)を受理

平成20年1月24日

審議(第三部会第34回審査会)

平成20年2月18日

異議申立人から書面(意見書)を受理

平成20年2月26日

異議申立人の口頭意見陳述及び審議(第三部会第35回審査会)

平成20年3月18日

審議(第三部会第36回審査会)

平成20年3月21日

答申(答申第129号)

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 埼玉県衛生会館1階

ファックス:048-830-4721

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