トップページ > 県政情報・統計 > 情報公開 > 情報公開審査会 > 平成19年度情報公開審査会答申 > 答申第119号 「平成14年8月9日付け職員の処分について、平成15年3月25日付け職員の処分について」の部分開示決定(平成19年8月20日)
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掲載日:2024年3月26日
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答申第119号(諮問第128号)
答申
1 審査会の結論
埼玉県病院事業管理者(以下「実施機関」という。)が、平成18年12月5日付けで行った「平成14年8月9日付け職員の処分について」、「平成15年3月25日付け職員の処分について」及び「平成16年8月31日付け職員の処分について」の部分開示決定で不開示とした部分のうち、「被処分者の所属課所以外の課所の名称及びファックス番号」は開示すべきであるが、その余の決定は妥当である。
2 異議申立て及び審査の経過
(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成18年11月22日付けで埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し、「平成13年度以降の一切の懲戒処分に関する文書」の開示請求を行った。
(2) これに対して、実施機関は、
「平成14年8月9日付け職員の処分について」(以下「本件対象文書1」という。)
「平成15年3月25日付け職員の処分について」(以下「本件対象文書2」という。)
「平成16年8月31日付け職員の処分について」(以下「本件対象文書3」という。)
を対象文書と特定した上で、平成18年12月5日付けで次のアに示す情報は次のイに示す不開示とする条項に該当するとして、これらを除いて開示するとの部分開示決定を行い、申立人に通知した。
(3) 申立人は、実施機関に対し、平成18年12月13日付けの異議申立書により、部分開示決定を不服とする異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。
(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成18年12月27日付けで、実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。
(5) 当審査会は、本件審査に際し、実施機関から平成19年1月25日に「開示決定等理由説明書」(以下「説明書」という。)の提出を受けた。
(6) 当審査会は、平成19年2月20日に実施機関から意見聴取を行った。
なお、申立人から、反論書の提出はない。
3 申立人の主張の要旨
申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。
犯罪的行為をした被処分者・管理責任を問われた被処分者の双方において、職位や職階、どこの施設の職員かなどを非開示項目としたことは、条例の拡大解釈・恣意的解釈としか言えない。個人を特定されないためというのと、組織の中のどの立場の人間が責を負ったかは全く別であることを理解せずに、個人が特定されるという見当違いな理由をあげて一律的に非開示としたのは拡大解釈である。氏名などの個人情報を求めたのではなく、あくまで組織としての責任の所在を確認するための請求であり、また情報公開条例が定められた理由である行政のチェックをするという趣旨に鑑みれば、過度な拡大解釈により非開示項目を多くした貴組織の運用は、条例の趣旨に反すると言わざるを得ない。
4 実施機関の主張の要旨
実施機関が、主張している内容は概ね次のとおりである。
(1) 「個人の氏名、住所、生年月日、学歴及び個人を特定し得る部分」を開示しない情報とし、その理由としては、「個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるものであり、(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別できることとなるものを含む)、条例第10条第1号に該当するため。」である。
(2) 「事故の概要、処分についての添付書類中、事情聴取結果、略式命令、起訴状及び顛末書」を開示しない情報とし、その理由としては、「個人に関する情報であって、特定の個人を識別できるもの又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあり、条例第10条第1号に該当するため。また、人事管理に係る情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあり、条例第10条第5号に該当するため。」である。
また、事故についての「事情聴取結果、略式命令、起訴状及び顛末書」は、極めて個人的な内容が記載された書類である。これらの書類については、公表を前提としない中で、本人から聴取又は提供を受けているものであり、公表されると今後において同様な事案について聴取又は提供を求めることが困難となり、正確な事実の陳述が得られなくなることも考えられ、公正かつ円滑な人事の確保に大きな支障を及ぼすおそれがある。
以上のことから、申立人のいう、「条例の拡大解釈をしている」こともなく、「条例の拡大解釈・恣意的解釈」もしていない。
5 審査会の判断
(1) 本件対象文書1、2及び3について
本件対象文書1、2及び3は、実施機関が地方公務員法第29条第1項の規定に基づいて懲戒処分をするため、作成した起案文書である。
本件対象文書1及び2は、被処分者が自家用車での通勤途上に人身交通事故をおこし、相手方に対し傷害を負わせた事案に対する懲戒処分を決定するための起案文書である。
本件対象文書3は、通院中の患者に対する検査の際に不適切な行為を行った職員及びその職員に対し監督責任があった上司に対する懲戒処分を決定するための起案文書である。
いずれの文書も懲戒処分対象者の氏名、職名及び懲戒処分の内容等が記載されている。
(2) 本件処分について
実施機関は、本件対象文書1、2及び3の「個人の氏名、住所、生年月日、学歴及び個人を特定し得る部分」を条例第10条第1号に該当し、本件対象文書1及び2の「事故の概要、処分についての添付書類中、事情聴取結果、略式命令、起訴状及び顛末書」を条例第10条第1号及び第5号に該当するとして、これらをいずれも開示しない情報とする部分開示決定処分を行ったものである。
これに対し、申立人は異議申立書において、「非開示項目で条例の拡大解釈」をしているとの異議を申し立てている。
このため、当審査会では、本件処分の不開示部分について、以下検討することとする。
(3) 条例第10条第1号本文の該当性について
(4) 条例第10条第1号ただし書の該当性について
(5) 条例第10条第5号の該当性について
条例第10条第5号は、「県、国若しくは他の地方公共団体の機関が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」を不開示情報と規定している。さらに、条例上「次に掲げるおそれ」として同号ニに「人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」を例示しているところである。
本件対象文書1及び2の「処分についての添付書類中、事情聴取結果、略式命令、起訴状及び顛末書」については、公表を前提としない中で、本人から聴取又は提供を受けているものであり、公表されると今後において同様な事案について聴取又は提供を求めることが困難となり、正確な事実の陳述が得られなくなることも考えられ、公正かつ円滑な人事の確保に大きな支障を及ぼすおそれがあり、条例第10条第5号に該当する。
以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。
(答申に関与した委員の氏名)
加々美光子、城口美恵子、山口道昭
審議の経過
年月日 |
内容 |
---|---|
平成18年12月27日 |
諮問を受ける(諮問第128号) |
平成19年1月19日 |
審議(第三部会第22回審査会) |
平成19年1月25日 |
実施機関より開示決定等理由説明書を受理 |
平成19年2月20日 |
実施機関より意見聴取及び審議(第三部会第23回審査会) |
平成19年3月20日 |
審議(第三部会第24回審査会) |
平成19年4月20日 |
審議(第三部会第25回審査会) |
平成19年5月17日 |
審議(第三部会第26回審査会) |
平成19年6月14日 |
審議(第三部会第27回審査会) |
平成19年7月26日 |
審議(第三部会第28回審査会) |
平成19年8月20日 |
答申(答申第119号) |
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