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ページ番号:65692

掲載日:2023年5月16日

平成28年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(権守幸男議員)

政治的中立性確保について

Q 権守幸男議員(公明

春日部市のある公立中学校教諭は、共産党の機関紙である「赤旗」を切り張りし、あろうことか赤旗の記事を全面的に賛同する個人的な意見を添えたプリントを昨年の9月24日と12月2日、何と2度にわたって担任していたクラスの生徒全員に教室で配布したことが昨年12月16日、産経新聞に報じられました。これがこのプリントです。これが2回講じられております。配っております。
その日、県議会文教委員会では所管事務調査として教育の政治的中立性確保についてが取り上げられ、公明党の福永議員は、政治的には真っ白な中学生の心を特定政党の色で染めてはならないと訴え、教育長は偏った政治教育を行うことは断じて許されない。偏った政治教育をしたことが発覚した場合は、厳正に対処するようにと、しっかりと取り組んでいくと答弁されました。自民党の諸井議員は、教員の一方的な考えを押し付けてはならないと指摘、教育委員会委員長はあってはならないことだと感じていると答えられました。また、県民会議の菅原議員は、氷山の一角ではないかと鋭く指摘されました。知事は、年明け1月6日の定例記者会見で、教室であれどこであれ、学校の現場で特定の政党のビラを配るというのは言語道断というか、非常識だと一刀両断、明確に述べられています。
この会見から間もなく2か月になります。まず知事から、今回の事案についてどう受け止められたのか御答弁をお願いいたします。
ともかく、私の地元で起きたことです。一番迷惑をこうむったのは生徒の皆さんです。今後も、学校現場で同じことが繰り返されるのではないかと心配する声を多くの保護者からいただいております。昨年12月28日に県教委は、県内各市町村教育委員会教育長など宛てに教育基本法に基づく政治的中立性の確保等についての通知を出されておりますが、それで十分な対策だと言えるのでしょうか。教育長には、今回の事案を認知なさってから当該教諭への指導、保護者への説明、再発防止に向けた取組など、一連の対応をお示しいただくとともに、特定政党の機関紙だけを教諭が生徒に配るような押し付けを二度と起こさないため、教育現場での政治的中立性確保にどう取り組まれるのかについてお尋ねをいたします。 

A 上田清司 知事

教師が学校現場で特定の政党機関紙の記事を使いながら、偏った独りよがりの見解を示したことはまさに、非常識であるのではないかと思います。
子供たちは、将来、社会の中で異なる考え方や多様な価値観と向き合っていかなければなりません。
教師は政治上の個人的な考えがあってもそれは構いませんが、それを教育の場で出すべきではなく、多様な考え方をしっかり教えることだというふうに私は思っております。
選挙権を持つようになるのは18歳からですが、主権者としての基本は、義務教育段階からもしっかりと指導される場合があるかと思いますので、こうした点に留意していただきたい、このように思います。
今回の事案を教訓に、学校現場においてはしっかりとした教育が行われるように、教育委員会には現場力というものをしっかりと支えていただきたい、このように思っております。

A 関根郁夫 教育長

まず、「今回の事案を認知してからの一連の対応」についてでございます。
県教育委員会といたしましては、今回の事案を認知後、当該教諭の行為が政治的行為として法律に抵触しているかなど、懲戒処分をも視野に入れた調査を開始いたしました。
昨年12月17日には、当該教諭の服務監督権者である春日部市教育委員会から直接聞き取り、12月22日及び24日に、さらに掘り下げた事実関係の報告を受けました。
また、1月8日には当該教諭及び校長に直接事実を確認いたしました。
その結果、授業後の帰りの会のほか、国語の授業などで偏った独りよがりの見解を述べたという事実があったことを確認いたしました。
そこで、このことについて当該教諭の反省を促し、指導改善のための研修や生徒・保護者への謝罪・説明を行わせるよう、春日部市教育委員会に対して指導いたしました。
これを受け、春日部市教育委員会は、1月28日から2月10日までの10日間にわたり当該教諭に対し研修を実施いたしました。
この間、県教育委員会職員が研修の指導者として協力し、また、当該教諭との直接面談も行ってまいりました。
そして、春日部市教育委員会は2月10日に、政治的中立性の確保に疑義が生じるおそれのある不適切な授業を行ったとして、当該教諭に対し市の権限としては最も重い文書による訓告を行いました。
その後、当該教諭の反省の態度や改善状況が確認できたため、2月12日に本人及び校長が保護者に謝罪・説明を行い、18日には本人が生徒に謝罪を行いました。
当該教諭は本件発覚後の12月17日から担任や授業を担当しておりませんでしたが、これらの経緯を踏まえ、2月19日から授業のみを担当しております。
引き続き当該教諭が適切に授業を行っているかを見届けるとともに、今後の当該教諭の状況によっては、さらに厳しい処分を検討してまいります。
次に、「教育現場での政治的中立性の確保についてどう取り組むのか」についてでございます。
12月に発出した通知以降、1月には今回の事案を教訓として教員の政治的中立性を十分確保するよう全ての市町村の教育長に、直接注意喚起いたしました。今後も、市町村教育委員会を対象とした会議や各種教員研修で、今回の事案を繰り返し取り上げ、教育現場における政治的中立性を確保するよう全力で取り組んでまいります。

再Q 権守幸男議員(公明

先ほど、私から再発防止に向けた取組など、一連の対応をお示しいただきたい、特定政党の機関紙だけを教諭が生徒に配るような押付けを二度と起こさないため、教育現場での政治的中立性確保にどう取り組まれるのかについてお尋ねしますと質問をさせていただきました。
先ほど、教育長の御答弁で、これまでの当該教諭への指導、保護者への説明については、これまでの経緯を御説明していただいてよく分かりましたけれども、そもそも今回の件は外部から指摘を受けた春日部市教委が昨年9月、学校に調査を、教育委員会に外部から指摘がありまして、昨年9月学校に調査を指示、このときの対応として学校長から教諭を口頭注意をいたしました。けれども、3か月たった12月に再びマイナンバー意見訴訟の記事を張り、配布しております。これまでの件については、12月16日、産経新聞に報じられるまで県教委のほうは把握しておりませんでした。そして、私の元には地元の件でありまして、特定政党の機関紙だけを教諭が配布するような教育環境に子供たちがさらされること、また、再発を心配する声をたくさんいただいております。
先ほど、教育長から12月28日、教育基本法に基づく政治的中立性確保等について通知を出したということと、通知を出した以降、年が明けまして全教育長宛てに対象とした注意喚起を促して、今後は繰り返さないように注意をして繰り返しを徹底するというふうに御答弁ございましたけれども、果たしてこれで再発防止が図られるのか。また市民は不安を覚えますし、具体性が全くありません。本当に担保できるのでしょうか、改めて教育長に御答弁を求めます。

再A 関根郁夫 教育長

県では、これまでも高校の地理歴史科で使用する指導資料集というものを作ってまいりました。
これは生徒に一方的・一面的な考えではなく、多面的・多角的に考える能力を身に付けさせるために作ったもので、その指導を徹底するようこの2年間取り組んでまいりました。
そういった意味で、県として偏った教育をしないということを具体的にやってまいりましたが、中学校の方に浸透していなかったことは残念であります。
偏った政治教育は断じて許されません。政治的中立性を確保していかなければならないと強く考えております。
そこで、先ほども申し上げましたが、様々な会議や研修会をとおして、特に今回の事案を繰り返し取り上げ、教育現場における政治的中立性を確保するよう全力で取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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