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掲載日:2023年5月16日

平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(西山淳次議員)

学校はだれのものか~コミュニティ・スクールの推進を~

Q 西山淳次議員(公明

コミュニティ・スクールは公立学校の運営に対し、保護者や地域住民により積極的に関わってもらおうとする仕組みであります。2004年の地方教育行政法の改正で制度化されて、学校運営協議会が設置されている学校のことをコミュニティ・スクールと呼んでいます。2015年4月現在で全国に2,389校が指定をされています。
学校運営協議会は、教育委員会に任命された校長、教員、保護者、地域住民らで構成されます。通常月1回程度の会議を開催し、学校運営の基本方針を承認するほか、学校運営や教育活動、さらには教職員の人事についても意見を述べることができます。運用の仕方によっては、相当大きな関与が可能です。私は、文科省にしては珍しくすばらしい政策だなと思っております。国は、このコミュニティ・スクールを2016年度までに全公立小中学校の1割となる約3,000校に拡大することを目標に掲げています。
ところが、本県の導入状況はどうかといいますと、現在は小学校3校のみ、大変に少ない。実は、本県には県教育委員会が肝入りで進めてまいりました学校応援団という似た仕組みがあり、現在県内全ての小中学校に組織されています。学校応援団は、地域住民や保護者のボランティアによる学校の支援活動です。主な活動内容は、私たちにもなじみの深い登下校時の見守り活動をはじめ、授業やクラブ活動の補助、学校の美化などが挙げられます。
国が推進するコミュニティ・スクールと本県の学校応援団、どちらも地域と学校が連携を深め、特色ある学校づくりを進めようとする目的ですが、その違いは何でしょうか。分かりやすく言いますと、学校応援団は正に応援団の字義どおり、応援はするけれども口は出さないのに対し、コミュニティ・スクールは別名の学校運営協議会制度が表わすように学校の運営そのものについて協議をする、口を出すことを制度上担保していることが大きな違いであります。
このコミュニティ・スクールの導入について、我が党の安藤議員が、また、安藤議員が平成25年12月定例会一般質問で取り上げて再々質問までしましたが、そのときの関根教育長の答弁は、本県には学校応援団があります。市町村教育委員会がもしコミュニティ・スクールを導入するなら、県は支援をする、そういうスタンスから出ることはありませんでした。
コミュニティ・スクールに対する懸念として巷間よく言われるのが、特定の委員によって学校運営が混乱するとか、教員が更に多忙になり大変といったものです。果たして実情はどうなんでしょうか、本当なんでしょうか、そういううわさは。
私は、先日、本県の数少ないコミュニティ・スクールの一つ、新座市立野火止小学校を訪ね、入山校長先生から話を伺ってまいりました。結論から申し上げますと、教育長、安心してください、そういうことでありました。同校長はのっけから「コミュニティ・スクールは校長の智恵袋とも言うべきもので、これほど強い見方はありません」と自信に満ちた表情で語られまして、「よく言われるような心配は全くありません」とも断言されておりました。また、コミュニティ・スクールと学校応援団の違いについて、「PDCAの全部あるのがコミュニティ・スクール、学校応援団はDだけです」とも話されていました。地域との連携強化にも大きな効果が得られたと確信を持って成果を語る校長先生の姿に、私は改めてコミュニティ・スクールを導入すべきだとの確信を深めてまいりました。
私は、本県独自の学校応援団という取組を否定するものではありません。むしろ学校応援団という得がたい基盤を持つ本県こそ、コミュニティ・スクールの導入によって、更に大きな教育的成果を出すことができると考えております。わけの分からない人に口出しをされてはたまらんと心配する気持ちは分からないでもありませんが、あえて言えば、学校は教員集団のものではありません。勇気を持って学校を地域住民に開いていく、委ねていく姿勢も大切です。そこから新たな展開が始まります。
コミュニティ・スクールは地域住民が学校運営の意思決定にまで関与できるという、ある意味では明治以来の中央集権型の教育制度を転換する画期的な制度にもなり得るものであり、学校は誰のものかという本質的問い掛けも含む課題と私は考えております。重ねて申し上げますが、学校応援団という基盤を持つ本県こそ、コミュニティ・スクールの狙いがより発揮できる素地があります。
今後、本県教育の方向性として、コミュニティ・スクールの積極的推進へ勇気を持ってかじを切るべきと考えております。十分な検討を期待するものですが、教育長の見解をお尋ねします。 

A 関根郁夫 教育長

これからの変化の激しい時代をたくましく生き抜く子供たちの育成には、学校と地域はパートナーとして相互に連携・協働していく必要がございます。
議員お話しのとおり、本県では学校応援団を積極的に推進しており、学校応援団の皆様には、登下校の見守りや学習活動の補助、学校の環境整備など、様々な支援をいただいております。
また、学校応援団のほか、学校と地域が連携する仕組みである学校評議員制度を活用し、地域の方々から教育活動や学校運営について意見を伺ったり、学校評価をしていただいているところでございます
こうした仕組みは、まさに学校運営協議会の素地になるものと考えることができます。
一方、コミュニティ・スクールは、校長の学校運営方針の承認などを通じ、校長のビジョンを共有するとともに、地域が学校と一定の責任を分かち合い、共に行動する体制を構築するものでございます。
その推進に当たっては、地域の方々に、学校への支援だけでなく主体的に運営に参画する当事者として意識を持っていただくことなど、学校運営協議会の委員となる人材の確保などの課題がございます。
このことが高いハードルとなり、また、既存の仕組みでも連携・協力ができているという認識から、本県ではコミュニティ・スクールの導入が進まない要因になっているのではないかと考えております。
したがって、その推進には、地域の理解と人材の確保がポイントであり、このことが解決できれば、既存の仕組みからコミュニティ・スクールへと発展させることが円滑にできるものと考えます。
国においては、これからの学校を、「地域とともにある学校」へと転換していくことを目指して、コミュニティ・スクールを強力に推進していくこととしております。
私もまた、これからの人口減少の時代には、学校が地域の活性化の核となる必要があると考えており、学校と地域が協働する仕組みであるコミュニティ・スクールを推進すべきものと考えます。
県といたしましては、モデルとなる先進事例の紹介や研修会を実施するなど、市町村教育委員会に対し積極的に働きかけるとともに、支援を行ってまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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