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掲載日:2026年7月10日
Q 保谷武 議員(自民)
気候変動の影響により自然災害が頻発化、激甚化しており、令和元年台風第19号による豪雨災害を契機として、全国的に流域治水という考え方が打ち出され、既に本県においても取り入れられております。
従来の考え方は、治水施設が雨水を封じ込めるという発想に基づくもので、住民の側から見れば、治水施設が自分たちを守ってくれる、自分たちは守られる側であり特に何もしなくてもよいという受け身の意識につながりやすい面がありました。
流域治水は、流域全体で雨水をためる、流出を抑える土地利用を考える、いざというときには適切に避難するというもので、行政、住民、学校、企業、農地、地域社会など流域のあらゆる関係者が関わり、流域全体が広く薄く負担しながら被害を最小化する治水へと、パラダイムシフトしたものと言えます。
この流域治水を実効性あるものにするためには、流域に暮らす住民一人一人の理解と行動変容が不可欠です。既に本県においては、流域治水を県民に自分事として捉えてもらうため、シンポジウムの開催、動画やパンフレットによる広報啓発活動に力を入れているものと承知しております。
しかしながら、流域治水は言葉や動画だけではなかなか実感しにくい概念でもあります。全ての県民に腹落ちしてもらい、行動変容につなげていくことは容易ではなく、まだその段階には至っていません。
そこで、私は、実際の治水施設や流域対策の現場を見学し、自分の住む地域がどのような水害リスクを抱え、どのような流域治水対策を行っているのかを体験しながら学ぶ機会を増やすべきではないかと思います。
例えば学校グラウンドの雨水貯留浸透施設、遊水地、調節池、調整池、排水機場、河川改修の現場などは、流域治水を具体的に理解する上で極めて分かりやすい教材になります。いずれはそれぞれの治水施設に、見学用の手すりや安全柵、歩道、案内表示などを整備し、県民が安全に学べる環境を広げていくことも検討すべきだと思います。
しかしながら、まず第一歩としては、大きなハード整備を伴わなくても安全に現場を見学できる既存施設を整理し、住民や地域団体、教育局や市町村教育委員会、学校などが活用できる現場学習メニューとして整備して、情報提供してはいかがでしょうか、県土整備部長の御所見を伺います。
A 小島茂 県土整備部長
激甚化・頻発化する水災害から流域の皆様の生命を守るためには、住民、企業、市町村、国など、あらゆる関係者が協働し、ハード・ソフトの両面から流域治水の取組を一層推進していく必要があります。
県では河道や排水機場整備などのハード対策に加え、水害リスクマップの公表、水位計や河川監視カメラの増設による河川情報の更なる充実など、県民の皆様の防災意識の向上を後押しする取組を進めてまいりました。
また、治水施設を実際に見て学ぶ取組として、大相模調節池や合角ダム、有間ダムなどの見学会を開催しております。
今後とも、流域治水対策を現地で体験できる機会の創出に努めてまいります。
さらに、令和8年度には新規事業として、過去の水害や家庭で実施できる防災対策などを学ぶための教材動画の作成を予定しており、その中で見学可能な治水施設を整理した現場学習メニューを盛り込んでまいります。
当該教材動画については、地域の皆様や教育現場において広く活用いただけるよう、県教育局をはじめ関係部局へ情報提供を行い、流域治水の自分事化に向けた学習機会の創出に取り組んでまいります。