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掲載日:2026年7月10日
Q 保谷武 議員(自民)
本年度の新規事業として、使用済み太陽光パネルの排出実態及び将来排出量の調査を行います。この調査は、将来の排出量、排出時期、所在地域、素材構成等を把握し、廃棄、リサイクル需要を予測するものです。県内の処理・リサイクル体制の整備や関連事業者の育成につなげるものであり、この方向性は重要だと評価いたします。
しかし、パネルの排出量調査と太陽光発電施設そのもののリスク管理は別の問題です。2012年にFIT制度が始まりました。事業用太陽光発電の調達期間は20年間であるため、2032年頃から、制度創設初期に導入された事業用太陽光発電設備が順次調達期間の満了を迎えます。いわゆるFIT大量卒業です。
FIT期間が終了すれば、多くの事業で売電収入は低下し、採算性が悪化する可能性があります。また、太陽光パネルの寿命は一般に20年から30年程度とされており、FIT終了時期と設備更新の検討時期は重なります。
昨年2月定例会で、荒木裕介議長が質問の中で御指摘になったように、卒FIT後も事業を継続する事業者がいる一方で、撤退する事業者も少なからず出てくるものと予想されます。廃棄する場合には、パネルだけではなく、基礎、フェンス、配線などの設備も解体撤去し、環境負荷が小さい状態に原状回復する必要があります。この点については、廃棄等費用積立て制度があります。
しかし、この制度は個別施設ごとの実際の撤去見積りではなく、国が定める標準単価に基づき、売電量に応じて積み立てる仕組みです。したがって、撤去・廃棄費用の全額を必ずカバーできる制度ではありません。特に山の斜面、造成地、搬出路が十分でない土地、コンクリート基礎を用いた施設、土砂災害リスクの高い地域などでは、費用が積立金を大きく上回る可能性があります。
また、国による事業計画認定情報の公開制度がありますが、情報の最新性や信頼性には限界があります。事業者の経営実態、与信、実質的支配者、SPCの場合は、背後にいる最終的な資金提供者までは、通常の公開情報だけでは把握困難です。仮に事業者が中途半端な撤去だけを行い、その後、事業母体であるSPCを清算してしまえば、後に残されるのは、環境負荷が高く、災害リスクを抱えた土地と設備のみとなります。その処理負担は、土地所有者、地域住民、さらには市町村や県に及ぶおそれがあります。
(1)県内の太陽光発電施設のリスク把握。
単なるパネルの排出実態及び将来排出量調査にとどまらず、県内の太陽光発電施設全体のリスク把握を行うべきではないでしょうか。具体的には、設置場所の地形、搬出路の有無、農地転用や山林開発の経緯、土砂災害リスク、パネル以外の設備、基礎や架台の構造、廃棄等費用積立ての状況などを重ね合わせ、県内施設のリスクを類型化すべきです。
その上で、高リスク案件については、事業者の経営実態、与信、実質的支配者、SPCの場合には背後にいる最終的な資金提供者、土地所有者との関係も含めて把握しなければ、撤退破綻時の実効的なリスク管理はできません。県単独での調査には限界があるとしても、市町村や国の関係機関とも連携し、高リスク案件については重点的に実態把握すべきです。環境部長の考えをお尋ねいたします。
A 竹内康樹 環境部長
本県における再生可能エネルギーのポテンシャルの大部分を占める太陽光発電の普及拡大に当たりましては、発電施設が地域に受け入れられ、適正な事業者により、安全に、かつ法令を遵守して設置・運用されることが不可欠です。
FIT制度や電気事業を規定する再エネ特措法及び電気事業法は国が所管をしておりますが、県では、地域の安全のため、50キロワット以上の野立ての太陽光発電施設、約1300施設について調査を行い、標識や柵の不備、雑草繁茂などの実態把握を行っております。
調査結果は、国へ報告し、事業者への指導に活用いただいております。
また、令和5年3月には、国において、再生可能エネルギー発電施設に関し、自治体から寄せられた各種法令違反情報を、国・県・市町村間で共有できるシステムが構築をされたところです。
しかしながら、このシステムでは、自治体が把握した情報を共有するのみであり、電気事業法等に基づき国が把握している、事業者の経営状況や現地調査結果等は、自治体に共有をされておりません。
このため、自治体が通報した情報と国が持つ情報を合わせ、議員お話しの経営情報等リスク把握に必要な情報についても、国が適切に把握し、県や市町村にも情報共有いただけるよう、国に働き掛けてまいります。