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掲載日:2025年12月22日
Q 小早川一博 議員(公明)
暮らしに欠かせないトイレ、しかし、その存在の大切さを最も痛感するのは災害時ではないでしょうか。水道が使えない、下水が流れない、電気が止まる、そんなときこそトイレの確保がいかに重要であるかを、これまでの被災地の教訓が物語っています。
こうした中で、上下水道や電源に頼らず使用できる循環型トイレが注目されています。し尿を装置内で処理、ろ過し、処理水を再利用することで排水を出さず、電源も太陽光等で賄う自立型トイレです。平時、災害時双方に対応し環境にも配慮したインフラとして、多様な場面での循環型トイレの導入が期待されます。
実際に能登半島地震では上下水道の復旧が遅れ、仮設トイレの維持やし尿処理が大変な課題となりました。そのような中で、断水が続く被災地へ民間企業が循環型トイレを寄附・設置した事例が見られました。土壌式や移動可能な地上式など民間における循環型トイレの開発が進んでおり、平時から災害時に活用できる新技術、新製品の開発の重要性を強く感じました。
一方で、本県では八潮市において下水道管の破損による道路陥没事故が発生し、高度成長期に整備されたインフラの老朽化が顕在化しています。トイレ機能の基盤である上下水道も、また災害、事故に脆弱な状態にあると言えます。
こうした中、所沢市では設備会社が自社敷地内に設置する公共トイレ、(通称)インフラスタンドがあります。サイドブックスにも他の資料を掲載しております。地域に開かれたこの場所では、フリーWi-Fiやベンチ、ベビーベッド、女性用品などを備え、誰もが安心して利用できます。また、マルシェや防災教室などが定期的に開催され、公衆トイレが単なる衛生施設にとどまらず、学び、交流、安心の地域のハブとして機能しています。そして、2026年に循環型トイレの導入が予定され、災害時の防災拠点のロールモデルになることを目指しています。
また、他県の例も参考になります。高知県が作成した避難所運営の手引きには、災害時のトイレ対策として携帯トイレ、簡易トイレ、仮設トイレと並んで自己処理型トイレ、すなわちし尿を処理する装置を備え、汚水を排出しない循環型トイレが明記されています。東京都のトイレ防災マスタープランにおいても、災害時のトイレ確保方針には自己処理型トイレが示されています。
そこで、循環型トイレの活用も含めた災害時におけるトイレ対策について、危機管理防災部長の御所見をお伺いいたします。
A 武澤安彦 危機管理防災部長
災害時におけるトイレ対策は、避難所での健康被害や衛生環境の悪化を防ぐため、大変重要と考えております。
そこで、県と市町村では、保管や運搬が容易で、電気や上下水道がない環境でも機能する携帯トイレや仮設トイレの確保を進めており、東京湾北部地震を想定して携帯トイレ約300万回分、仮設トイレ約3,000基を備蓄しております。
また、避難所において、快適なトイレを整備するため、県は民間事業者と災害時応援協定を締結し、トイレカーやトイレトレーラーを被災市町村へ派遣する仕組みを整えております。
議員御提案の「循環型トイレ」は、ライフラインが被災している中でも、快適なトイレ設備の提供が可能であり、能登半島地震の被災地へ運搬し、利用された事例がございます。
一方、このトイレは、1日の処理能力に上限があること、導入や維持管理にかかる費用が高額で、定期的なメンテナンスが必要であるなど、課題もございます。
県といたしましては、引き続き、携帯トイレや仮設トイレの備蓄を行い、循環型トイレも含めた快適なトイレについて情報収集を進めるなど、災害時におけるトイレ対策に、鋭意、取り組んでまいります。
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