令和7年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（小早川一博議員）

フードバンク、フードパントリーの持続可能な取組について-社会的価値と県の位置付けについて

Q　小早川一博　議員（公明）

北九州市立大学では、フードバンクが果たしている社会的役割を定量化し、フードバンク活動の価値を総合的に評価しようとする調査研究が行われました。支援家庭の生活改善や貧困の連鎖の抑止、医療費の削減、行政コストの軽減、食品ロス削減の効果など、多面的な社会的価値が検証されました。その結果、社会的価値総額は1億3,000万円を超えるという大変示唆に富む内容でありました。
本県においても、団体と大学が埼玉フードパントリーネットワークに加入されている利用者を対象にアンケート調査を実施しました。調査では、生活困窮者の自立支援窓口を利用した保護者が少人数にとどまること、経済的な困窮に頼れる人がいない孤立感などが明らかになりました。
フードバンクやフードパントリーは、単なる食料支援にとどまらず、地域のセーフティネット、あるいは食のインフラとしての役割を果たしています。市町村から一時支援の要請が寄せられるケースも増え、地域の社会保障の一翼を担っている状況ではないでしょうか。
こうした活動の広がりと現場の実情を踏まえ、県としてフードパンク、フードパントリーの活動をどのように位置付けているのか。そして、活動に対する知事の思いについても併せて伺います。

A　大野元裕　知事

埼玉県5か年計画では、共に助け合い誰一人取り残さない社会を実現するため、県民、NPO、企業などあらゆる主体が連携して共助の取組を進めることを施策の柱の一つとしております。
民間団体や地域住民、企業等が連携して行っているフードバンク、フードパントリーの活動は、社会福祉の面においても食品の提供を通じて経済的に困窮している方々への支援として大きな意義を持つと考えます。
次に、活動に対する想いでございます。
私は、あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる社会である「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向けて、セーフティーネットとしての機能を有するフードパントリー等の活動は大変意義のあるものと考えております。
この活動は、食を通じて生活に困窮する方々をお支えしているほか、直接食品をお渡しすることで支援を必要とする方と支援団体が顔の見える関係を築くものでもあります。
例えば、生活に困窮されている方の中には、相談窓口に行くことをためらう方もおられますが、フードパントリーの活動においては、運営団体が食品を直接お渡しすることをきっかけに、生活上の悩みや困り事を聴き、支援機関につながる場合もございます。
さらには、こどもの居場所を支える活動として、地域におけるきずなを育み、こどもたちが信頼できる大人と出会える場所を構成するなど、地域社会において重要な役割を果たすことが期待できます。
これらの活動は、その原点は県民の自主的な温かな活動であるとは思いますが、個人の熱意だけで続けていくことには限界もあると認識をしております。
今後、フードバンク、フードパントリー活動の意義を更に広めるとともに、より多くの県民・事業者に理解と協力を求めることで、これらの活動を持続的なものとし、誰一人取り残されることがない社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと思います。

 

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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