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掲載日:2025年12月18日
Q 東山徹 議員(自民)
狭山茶の茶園面積は、茶価の低迷や後継者不足などを理由に、近年は減少傾向にあります。環境保全の視点から見た茶樹の特徴として、常緑であるため年間を通して二酸化炭素を吸収し、さらに更新による樹勢回復を通じて、その吸収能力を経年的に維持しており、森林同様にカーボンニュートラルに寄与している作物と言えます。
カーボンクレジットを茶農家が茶園からの収入とできれば、防霜ファンの年間電気使用料の値上がり分などを補填できることとなります。作物としての茶を収穫するとともに、樹勢のある茶園が環境保全に寄与する視点から評価を受けられることで、荒廃茶園防止のインセンティブにもなり得ます。現在のJ-クレジットの仕組みにおいては、茶樹の二酸化炭素吸収分は対象とされておらず、さらにエビデンスとなる試験結果も、全国的に見てまだ少ない状況です。
狭山茶振興の観点から、J-クレジットへの茶樹の組入れの要望や、エビデンスとなる試験研究の推進あるいは他府県との試験結果の共有、情報交換、埼玉県茶業協会など業界団体への理解促進などを通じて、茶樹の二酸化炭素吸収量をJ-クレジットで取引できるように取り組むべきと考えますが、農林部長の御見解を伺います。
A 竹詰一 農林部長
J-クレジット制度は、温室効果ガスの排出削減や二酸化炭素の吸収などをクレジットとして認証し、取引可能にする仕組みです。
茶樹は常緑の永年性作物であり炭素固定効果が期待されますが、現状のJ-クレジット制度では、茶樹の二酸化炭素吸収量の認証基準はありません。
茶樹による二酸化炭素吸収量をJ-クレジット制度で取引できた場合、茶産地の維持や脱炭素社会の実現に資することが期待されますが、そのためには、まず国や制度運営主体に科学的データの収集や算定方法を検討いただく必要があります。
静岡県農林技術研究所茶業研究センターでは、茶樹の炭素貯留機能について、J-クレジットの方法論化を見据えて、科学的調査を実施しています。
この調査に当たっては、静岡県からの気象条件が異なる茶産地の土壌サンプルの提供要請に応え、本県茶業研究所内の土壌サンプルを提供し、調査協力しています。
今後、機会をとらえて、茶樹による二酸化炭素吸収量のクレジット認証について国等と意見交換を行うとともに、引き続き、静岡県と連携し必要な協力を行ってまいります。
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