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掲載日:2025年12月18日
Q 東山徹 議員(自民)
まずは、犠牲になられた皆様の御冥福をお祈りいたしますとともに、この事故を風化させることなく、航空機の安全運航が徹底されますことを心から祈念いたします。
今回、私が一般質問に取り上げたきっかけは、入間航友会という自衛隊を支援する民間団体の会長が、会合の場で皆さんに訴えられたことでありました。
その内容は、40年前、日航機123便が墜落した事故は、公式見解として飛行機の整備不良が原因となっているにもかかわらず、自衛隊が訓練あるいは試験中のミサイル等で撃墜してしまった事件として、自衛隊が墜落現場の特定を意図的に遅らせ、その間に証拠隠滅のために火炎放射器で事故現場を焼却した等々を記した書籍、「日航123便墜落の新事実」等のベストセラーになっている書籍が学校図書として存在していることは、子供たちに悪影響を与えると懸念し、自衛隊のOBの皆さんがこのタイミングで声を上げ始めたといったものであり、会長は、この現状を何とかしなければならないと強く主張されていました。
一方で、今年の4月に開かれた参議院の外交防衛委員会において、当時の佐藤正久参議院議員が質問を行いました。その質問内容としては、「日航123便墜落の新事実」等の本は臆測に基づいて書かれている。その本がベストセラーになっていて、関連本も合わせると7冊出版されていて、うち3冊は公益社団法人全国学校図書館協議会による選定図書に指定されている。このことは、隊員の名誉のためにも放置できない。そして、当該書籍には駿河湾で試験中の護衛艦が対空ミサイル発射訓練をやっており、それを海自出身のJALの機長が海上自衛隊と組んで訓練に協力し、自衛隊の標的がJAL123便を撃墜してしまったとか、横田基地への緊急着陸を自衛隊が禁止したばかりでなく、その撃墜と墜落の痕跡を隠すために、わざと墜落地点の特定を遅らせ、その間に証拠を隠滅したという内容が書かれている。これに対する事実確認とともに、今後対応の必要があると思うという趣旨のものでした。
この質問に対して、当時の中谷防衛大臣は、「日航123便の墜落事故については、自衛隊が墜落に関与したということは断じてありません。自衛隊をおとしめるような言説が流布されている中で、私や防衛省自衛隊職員がいろんな場でこのようなことを否定し、正確な情報を発信していく」と答弁しています。
佐藤氏は、「今まで自衛隊はこの件を放置してきたんです。それが、結果的に書籍やユーチューブで拡散されているさなかなんです。こうした答弁を大臣がしても止まらないんです」と発言しました。
続けて、学校に当該図書があることを憂慮し、文部科学副大臣に対しては、次のように質問しました。
当該図書は、全国学校図書館協議会の選定図書に入っているが、その選定基準の中に、選定の対象としない図書の一覧といったものが示されている。ただ、フェイクニュース、偽りの情報といった記述がない。しかも、1日300冊の選定図書を決めるのに、限られた人間で短時間でやっている。このままでは、何も知らない子供たちがこの図書に触れることによって、国交省や防衛省の否定する事実を本当のことのように受け止めてしまうという趣旨であり、これについて是正を求めるとともに、選定基準を改善する必要があると発言しました。
日航機の墜落事故については、事故調査委員会の見解が示されるとともに、様々な方が検証を行い、その皆様には敬意を表するものでありますが、この状況を懸念し、自衛隊OBや地域の方々が声を上げ始めたことに光を当てたいとの思いで、質問に取り上げることといたしました。
私も家族で上野村にある慰霊の園に行き、ろうそくに火をともし、手を合わせ、祈ってきました。そして資料館に行き、自衛隊員のみならず、上野村の消防団、猟友会、役場、警察関係の皆様などが、混迷の中いかに苦労されたのか、懸命に救出活動に取り組んでいただいたのか、資料、映像等を拝見してきました。また、残された遺留品、いびつに曲がった眼鏡、ペン、時計など痛々しく感じるとともに、二度とこうした事故が起こらないことを祈るばかりでありました。
また同時に、自衛隊基地が所在する地域では、隊員も多く居住し、御家族、関係者が住民として私たちと一緒に暮らし、一緒に笑い、苦労も共にして、一人一人、顔の見える存在であり、その皆さんの気持ちをおもんぱかることは私たちには必要だということも改めて強く感じました。
そこで、4点について教育長に伺います。
まず1点目として、当該図書が学校図書館に備えられている県立高校はあるのか。
2点目として、当該図書が実際に置かれているとすれば、県立高校において購入図書を選定する際に、どのような体制でどういった作業を経て選定していくのか、お示しください。
3点目として、当時の文部科学副大臣が令和7年4月10日の参議院外交防衛委員会の中で、学校図書館の性格を鑑みると、図書自体が児童生徒の健全な教養の育成に資する必要があるという認識を示した上で、佐藤議員の懸念について、「当該団体に伝えてまいりたい」と答弁されておりましたが、埼玉県教育委員会に対して、この件について文部科学省や全国学校図書館協議会から何らかの話があったのか伺います。
4点目として、佐藤正久前参議院議員は、質問の中で「これは隊員の名誉に関わる問題です。名誉毀損だとも考えます。御巣鷹山で、あの墜落の後、徹夜で道なき沢や尾根、谷を踏破し、危険を顧みず現場に進出して、人命救助に当たった隊員に対しても大きな侮辱であるとして声を上げていきたい」と語られています。正に自衛隊は、国民の信頼の上に成り立つものであると思います。もちろん、表現することを制限するものではありませんが、望ましい学校図書の在り方について、教育長の御見解と今後の対応について伺います。
A 日吉亨 教育長
まず、当該書籍が学校図書館に備えられている県立高校はあるのかについてでございます。
当該書籍は、県立高校18校の学校図書館で所蔵しております。
次に、当該書籍が実際に置かれているとすれば、県立高校において、購入書籍を選定する際に、どのような体制で、どういった作業を経て、選定していくのかについてでございます。
各学校では、文部科学省の学校図書館ガイドラインを踏まえ、学習上のニーズや生徒の要望、状況など、様々な観点から学校図書を所掌する校内委員会等で組織的に選定を行い、最終的には校長が購入書籍を決定しております。
次に、文部科学省や、全国学校図書館協議会から何らかの話があったのかについてでございます。
現時点で、県教育委員会では、文部科学省、全国学校図書館協議会から、働き掛けは受けておりません。
次に、望ましい学校図書のあり方についての見解と、今後の対応についてでございます。
望ましい学校図書のあり方とは、生徒の自発的な読書活動を促し、主体的な学習の充実に寄与するものであると考えております。
子供の読書・活字離れが指摘され、様々な角度からの探究的な学びの充実が求められる中で、各学校では、生徒からのリクエストや社会的関心の高いテーマを踏まえて、幅広いジャンルの蔵書整備を進めております。
一方、現在はSNSなどを通じて様々な情報が溢れ、真偽が定かでない情報の拡散が指摘されることもある時代にあって、書籍についても読む人に与える影響は様々あることから、学校図書の選定はこれまで以上に重要になっていると認識しております。
今後は、各学校の教育目標や育てたい生徒像などを踏まえて、より一層丁寧に学校図書の選定が行われるよう、校長を指導してまいります。
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