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掲載日:2025年10月22日
Q 杉田茂実 議員(自民)
多くの人はその人生の最終段階として迎える終末期に、住み慣れた場所で納得して最期を迎えたいと希望しているのではないでしょうか。高齢者施設ではついのすみ家としての機能が期待され、入所されている方が最後まで自分らしい生活ができるように看取り支援の体制づくりが進められています。
これを後押しするため、2006年の介護報酬改定により、回復の見込みがないと医師が判断した入所者に対し、質の高い看取りを行った際に看取り介護加算が算定できるように制度化されました。県内の特別養護老人ホームでは、約7割がその加算を取得していると聞いております。
そこで、埼玉県内の障害者施設における入所者の看取りについてお伺いいたします。
高齢者施設に比べますと、障害者入所施設では看取りの対応が遅れています。私は先日、地元に近い入所施設、嵐山郷の視察をさせていただきました。広大な施設は老朽化し、業務効率の低下につながり、入所者と向き合う時間が割かれているように見受けられました。その施設では、入所者の入所期間の長期化に伴い高齢化が進んでおり、入所者の最期をどのように支援していくかが大きな課題となっているものの、看取り支援のノウハウがなく、看護職員の確保などにも頭を悩ませておられました。
看護職員の皆さんは、入所者が長年生活した施設で看取り、見送りたいと望んでいました。職員の皆さんの熱い気持ちに尊敬の思いでいっぱいになりました。
また、障害者入所施設では、高齢者施設と異なり看取りに関する報酬制度が未整備であるという大きな課題があります。これらは障害者入所施設全体に共通する課題です。
今後、ますます入所期間が長期化し、入所者の高齢化が進むと見込まれる中、生活に慣れた施設で最期を迎えたいというニーズが高まり、それに対応していく必要があるのではないでしょうか。こうした中で、県は現状把握と体制整備が急務です。
そこで、障害者入所施設における看取りに関し、県はどのように考えているのか。また、報酬制度の整備を国に要望すべきと考えますが、福祉部長にお伺いいたします。
A 岸田正寿 福祉部長
県内の障害者入所施設では、令和7年4月時点で入所者の約2割に当たる987人が65歳以上の高齢障害者となっています。
議員お話しのとおり、入所期間の長期化などにより、今後さらに入所者の高齢化が進むものと見込まれまして、人生の最期を迎える方をどのように支援していくかが大きな課題となっております。
国が令和5年度に実施した「全国の入所施設やグループホーム等を対象とした看取り支援に関する実態調査」によりますと、「看取りの希望があれば受け入れる」と回答した施設は約2割に留まっています。
また、先般、県内の施設関係団体にお聞きしたところ、数少ない看取りを行ったケースでは「住み慣れた場所で、親しい人たちに囲まれて最期を迎えたいという入所者の希望に応えられてよかった」と受け止めている一方、多くの施設では看取りを行わず、医療機関につないでいるとのことでした。
主な理由としましては、本人への延命治療の意思確認や医療機関との連携などに関する標準的な手続きが決まっていないこと、また、看護師の配置や個室の確保等の受入環境が整っていないということでございました。
障害者入所施設では、終末期を迎えた入所者の意向をできる限り尊重した支援を提供していく必要があり、そのためには、看取りを行う施設職員の負担や不安を解消していく必要があると考えます。
そこで、看取りに関する先進的な取組事例を収集し、施設長会議などの機会を捉えて情報提供などを行い、障害者入所施設における看取り支援が進むように取り組んでまいります。
また、国に対しては、看取りに関する標準的な手続きを定めるとともに、高齢者施設と同様に看取り加算などの報酬上の評価を行うよう要望してまいります。
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