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掲載日:2024年4月3日
Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
令和2年2月の代表質問で私は、ここで子供の人生を左右するのが教員で、教育長にはそこをもう一度目指す、自覚し直していただき、埼玉県教育局からは不祥事をなくし、子供たちに尊敬される教員を育てていくという覚悟を持っていただきたいと、その覚悟を当時の教育長にお伺いいたしました。その際、当時の教育長は、とりわけ本来守らなければならない子供たちが被害者となっているわいせつ事案が増加していることは、痛恨の極み。埼玉の教育にとって非常事態、先進的な取組を参考にして、新たな研修を実施していく旨の答弁がありました。
もちろんこの間、教育局は手をこまねいていたわけではなく、様々な施策に取り組んでいただいたことは、重々承知をしております。埼玉県教育局では、教員の不祥事根絶ポータルサイトを立ち上げ、平成30年7月に不祥事根絶アクションプログラム及び令和3年2月に不祥事防止研修プログラムの策定、採用試験での改善、各相談窓口の設置など様々な対策を講じてきましたが、現在に至るまで教員の不祥事は後を絶ちません。過去5年間の教員の不祥事・懲戒処分件数を見ても、40件弱から20件強の間で推移しており、わいせつ行為の割合が非常に高く、とりわけ令和5年度は1月末現在で、わいせつ事案が全体の5割強を占めている状況です。
当時の教育長の言う「埼玉の教育にとって非常事態」が現在も続いている状況です。我々は、子供をしっかりと守っていかなければなりません。
今年度からは新たに採用試験合格者へのわいせつ行為を防止するためのチェックシートも導入しましたし、教育局はこれまで様々な対策を講じてきていることは私も承知をしていますが、これまで行ってきたことが十分に機能していると言えるのか。そもそも起こってしまった個々の事案の原因分析や未然に防ぐすべはなかったのかなど、一つ一つの事件の検証を十分に行えていると言えるのか。毎年、同じような事件が起こるたびに感じてしまうのが正直なところです。全くもって許すことができません。
原因分析や検証を踏まえ、これまでの教員の不祥事防止、特に本県においても割合の高い、もうあり得ないですけれども、わいせつ事案についての対策を取られていると思いますけれども、それらの対応は適切でかつ十分であったのか、これまでの取組の効果も含め、教育長の認識をお伺いいたします。
また、今後どのような方策を講じて不祥事事案を根絶していくのか、その覚悟、決意のほどをお伺いいたします。
A 日吉亨 教育長
まず、教職員の不祥事防止、特にわいせつ事案についての対応は、適切かつ十分であったのかについてでございます。
教職員による不祥事、特にわいせつ事案が後を絶たないことは、教育への信頼を根幹から損なうものであり、何としても防がなければなりません。
県では、平成30年7月に策定した「不祥事根絶アクションプログラム」に基づき、令和3年2月に、個別具体の事例に応じた「不祥事防止研修プログラム」を作成し、教職員が当事者意識をもって行動ができるよう、全ての公立学校において繰り返し研修を行っております。しかしながら、現在においても、わいせつ事案が後を絶たない状況であり、これまでの取組がこうした事案の防止に対する十分な効果につながったとは言えず、改善の余地があると考えております。
次に、今後どのような方策を講じて不祥事を根絶していく覚悟、決意なのかでございます。
わいせつ事案では、若手をはじめとする経験の浅い教職員が当事者となる傾向があるとともに、SNSを通じた児童生徒との私的なやりとりがきっかけとなるなどの状況が多く見られることから、対象者を焦点化して、取組を強化する必要があります。
そこで新たに、不祥事防止に関するチェックリストを活用し、採用予定者への事前指導、初任者研修でのわいせつ行為の根絶に特化した研修の実施、各学校での経験の浅い教職員に対する継続的な個別指導などの取組を開始したところです。
また、現在、国のさいたま法務少年支援センターの心理専門職員の助言をいただきながら、不祥事に至るまでの経緯や心理の変化等について詳細に分析を行っております。
具体的には、不祥事を起こした教職員の心理が何をきっかけに変化し、それが、どのような行動につながったのかなどを明らかにし、自らの行動においても留意すべき点として、今後の研修などに生かしてまいります。
今後とも、全ての市町村教育委員会や学校と一体となり、あらゆる手立てを講じて、強い決意をもって不祥事根絶に取り組んでまいります。
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