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掲載日:2022年12月27日
Q 町田皇介 議員(民主フォーラム)
森林におけるCO2の吸収量については、一般的に杉やヒノキなどの針葉樹で幹が太く背の高いほうが、また、11年から40年くらいの若い木の方が吸収量が多いと言われております。近年、森林総合研究所などが開発した、杉、ヒノキなどの従来種より成長速度が1.5倍、二酸化炭素の吸収量も1.5倍という優れた樹木同士を掛け合わせてつくられたエリートツリーなどが脱炭素の観点から注目され、国も普及に注力しているところです。農林水産省が2021年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」では、林業用苗木に占めるエリートツリーの比率を2030年までに3割、2050年までに9割以上に引き上げる目標を明記しています。
カーボンニュートラルの実現には、排出量の削減と併せて十分な吸収量を確保することが必要ですが、日本の森林による吸収量は減少傾向にあり、環境省の統計によりますと、2020年度の吸収量はCO2換算で4,050万トンで、現行基準のデータがある2013年度に比べ約2割減っている状況です。
また、日本の人工林は樹齢50年以上のものが約半数を占め、林業の収益性が厳しいことから、伐採後に新たな苗木が植えられるのは全体の約3割に過ぎず、森林の若返りが思うように進んでいない状況もあります。
そこで、埼玉県として、CO2の吸収率の高いエリートツリーなどの植林を含め、CO2の吸収効率を上げる取組を進めていくことも重要な観点だと考えますが、現状と今後の方針について農林部長にお伺いします。
A 小畑幹 農林部長
議員お話しのとおり、木は若い方がCO2の吸収量が多いこともあり、「伐って・使って、植えて、育てる」森林の循環利用の推進による若返りが重要と考えています。
このため、県では、伐採された状態で山が放置されることがないよう、苗木の供給や植栽に対する支援を行い、着実に植栽が行われてまいりました。
その際、植える木につきましては、本県が人口の多い首都圏に位置することもあり、花粉症対策として、花粉量が通常の1%以下の少花粉苗木の開発・普及を重点的に進めてまいりました。
一方、最近注目されているエリートツリーのように成長速度が優れた苗木の導入も、CO2の吸収効率を上げるとともに、下刈などの手入れの期間を短縮できコスト縮減が図れるため、重要性が高まっています。
このため、県でも優れた成長速度と少花粉、双方の特性を備えた苗木の導入に向けた研究を進めており、これが開発でき次第、普及を図っていきたいと考えています。こうした取組を通じて、森林の循環利用の推進とともにCO2の吸収量向上を図ってまいります。
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