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掲載日:2024年1月10日
Q 横川雅也 議員(自民)
災害救助用エアボートですが、どのようなものなのか御存じない方もいるかと思いますので、まずはこちらのボードを御覧いただきたいと思います。こちらがエアボートを活用した救助中の写真でございます。動力が水上にあります。船底には摩擦率の低い特殊樹脂が施されているため、河川などの浅瀬や瓦れきが浮遊する水面、アスファルトなど従来のボートでは走行不可能な浸水エリアと陸地が混在するエリアでも、救助者を目的地まで乗り降りさせずに移送することが可能能なため、救助効率を大きく向上させます。
見にくいと思いますけれども、写真の右奥、小さいんですけれども、ここで動けなくなっているのが、今使っている従来型のボートです。そして手前がエアボートになりますけれども、陸地、アスファルトのところまで来て救助者を降ろすことが可能なため、救助効率、隊員の負担を軽減できている。そのような状況が明らかになった、この光景です。
このエアボート、2015年鬼怒川決壊下にある常総市の水害エリアで46名の人命を救助、2018年岡山県真備町では警ら活動と人命の移送、2019年の東日本台風では長野県千曲川水害エリアにおいて要救助者の捜索活動に参加し、五名の救助と移送活動に貢献されました。
現地で災害救助に当たる隊員からも高い評価を得ています。救助効率が圧倒的に向上するほか、移送や支援物資の輸送など隊員の疲労軽減と安全を高めることができるからです。
このようにエアボートを活用した救助活動が日本各地の災害現場で能力を発揮し、その有用性が実証され、2017年に高知県警、本年は東京消防庁が災害対策用としてエアボート二艇を導入し、協会の指導の下、エアボートを活用した訓練を重ねています。茨城県でも利根川の巡視や水害対策に活用されています。
実は昨年の東日本大台風発災の際にも埼玉県内の被災地にお越しになり、救助活動への協力を申し出ていただいたものの、9月定例会で新井豪議員が質問で取り上げられたラフティング業者と同様に、関係機関が受け入れず救助に加われなかったため、千曲川へ救助に向かわれました。
こうした例は各地の災害現場で見られます。救助に当たる現場の隊員にとっても大きな支援になるにもかかわらず、その力が災害現場で、被災現場で生かされないのです。迅速かつ多様な活用方法が認められているエアボートの活用は、一刻を争う災害現場の新たなオプションとして効果的です。
そこで、お伺いいたします。
埼玉県の災害救助力を躍進させるため、日本エアボート協会との災害協定を進めることについて、危機管理防災部長に御所見をお伺いいたします。
また、実績と多様性に富んだ災害救助エアボートを導入することについて、県警本部長に御所見をお伺いいたします。
A 森尾博之 危機管理防災部長
日本エアボート協会との災害協定締結を進めることについてでございます。
東京消防庁では、頻発する広域的な風水害に備えるため、本年2月に即応対処部隊を発足させ、その主要装備として6人乗りと4人乗りのエアボートを導入しています。
実際に訓練をしている現場に職員を派遣し、部隊の隊長からお話をお伺いしたところ、エアボートは水深の浅い場所や水面下に障害となるものがある場所でもスムーズに移動でき、浸水地域での活動に有効であるとのことでございました。
一方、プロペラによる風力を加減することで速度を調整することや、船底が平らなため風や波の影響を受けやすいことなどから、操縦に技術を要するとのお話もございました。
そのため、操縦に熟練した民間事業者の御協力をいただいて、大規模な浸水被害の発生時にこのボートを活用できれば迅速な状況把握や円滑な救助に繋がるものと考えます。
令和元年東日本台風で甚大な被害を受けた本県にとって、水害における救助活動力の向上は重要な課題でございます。
議員の御提案を踏まえ、日本エアボート協会からお話を伺うとともに、救出救助活動を行う消防の意見を聞きながら、協定の締結を含めどのように連携ができるか検討してまいります。
A 高木紳一郎 警察本部長
エアボートについては、例えば、浸水した住宅密集地において、救出救助活動に使用することが想定されます。そうした状況下において、エアボートのプロペラによる風圧の影響、狭い住宅街に入るのが難しい場合がありうることなど、様々な条件が想定される災害現場では、エアボートをどのように有効に活用できるかについて検討を要すると考えております。
また、エアボートについては、操縦には小型船舶操縦士免許が必要であるほか、運用及び維持・整備には、特殊な資機材であるため、職員に専門的な講習及び訓練が必要となります。さらには、エアボート搬送用の車両を整備する必要があるなど、いくつかの課題があります。
県警察といたしましては、水害時において、より多くの人命を救助できるよう、エアボートを含め、装備資機材の整備について様々な検討を行っていくほか、救助用ボート等を使用した災害対応訓練を実施するなど、警察官の水害対応能力の向上を図ってまいります。
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