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掲載日:2020年3月31日
Q 平松大佑 議員(県民)
御存じのとおり、現在、日本では7人に1人の子供が貧困状態にあります。これは先進国で最悪レベルです。子供の貧困対策を進めるため、子どもの貧困対策の推進に関する法律が2014年1月に施行されました。また、法律に基づき「子どもの貧困対策に関する大綱」が策定されています。この大綱には貧困の連鎖を防ぐことがうたわれています。貧困家庭の子供は、再び貧困に陥る可能性が高い状況にあります。この貧困の連鎖を断ち切るのは、行政の役割です。現在、本県では、子供の貧困対策として子供の居場所づくりに力を入れているところです。子供の居場所づくりを実効性あるものにするためにも、今まで以上に市町村が積極的に子供の支援に取り組んでいる団体とつながる必要があると考えます。
また、県内市町村で「子どもの貧困対策に関する計画」を作っているところは少なく、市町村ごとに取組に濃淡がある状況です。貧困状態にある子供たちを救うために市町村や地域の支援団体の連携を強化し、市町村を巻き込んだ会議体で各地域の特性に合った取組を実施していただきたいと考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。
次に、ジュニア・アスポート事業の今後についてです。
県が3か年のモデル事業として実施しているわけですが、それぞれの市も厳しい財政状況の中、県のモデル事業が終わった後に市が本事業を継続するかどうか、心配なところです。学びの貧困が、貧困の連鎖の大きな原因にもなっています。こちらの事業が後退することのないようにすべきと考えます。
また、県として様々な取組を進めているところですが、現状の支援の中で、いまだ多くの子供たちが貧困状態にあります。平成30年度には埼玉県立大学の協力の下、県として、子供が貧困状態にある家庭についての実態調査と分析を実施されました。本県の子供の貧困の実態を把握されているわけであります。その実態を受け、肝心な経済的貧困そのものを低減・緩和させる更なる取組について検討していく必要があると考えますがいかがでしょうか、答弁を求めます。
A 知久清志 福祉部長
まず、市町村を巻き込んだ会議体で各地域の特性に合った取組を実施することについてでございます。
市町村の子供の居場所づくりに対する意識には温度差があり、団体からは「市町村に活動の必要性が理解されず連携が進まない」との声が寄せられています。
そこで県では、市長会や町村会、市町村教育長の会議などの場を通じて、子供の居場所づくりや、子供の貧困計画策定の意義、効果についてお伝えしています。
また県は、平成30年12月に個人や企業、全ての市町村が加入する「こども応援ネットワーク埼玉」を立ち上げました。
このネットワークでは、市町村を含む官民連携の体制づくりや、子供の居場所づくりに取り組む方と食材や場所の提供者とのマッチングに取り組んできました。
今後は、市町村職員を対象に子供の貧困計画の策定や地域資源を活用した市町村におけるネットワークづくりに関する研修会を新たに実施し、各地域に応じた取組が活発に展開されるよう支援してまいります。
次に、経済的貧困そのものを低減緩和させる取組をさらに進める必要についてでございます。
ジュニア・アスポート事業については、子供たちの生きる力を育み、貧困の連鎖解消に有効であると考えております。
モデル事業終了後も、学習ボランティアや地域団体との連携などについて、市に対し引き続き支援を行ってまいります。
また、議員お話の県が実施した子どもの生活実態調査では、母子家庭の57.7%が「生活が苦しい」と回答するなど、母子家庭の貧困は深刻です。
ひとり親への支援としては、これまで各種手当の支給や貸付のほか、就業相談や資格取得支援を行ってきました。
また、ひとり親家庭の約7割は養育費を受け取っておらず深刻な問題となっており、養育費確保に向けた啓発や相談対応に力を入れております。
さらに、地域の皆さんの自発的な取組として、ひとり親世帯に無料で食料を配布する「フードパントリー」が県のマッチング支援により急速に広がってきており、更なる支援の充実を図ってまいります。
今後も、ひとり親の皆さんの声をあらゆる場でお聞きし、ニーズの高い支援等について検討してまいります。
様々な取組を幾重にも実施し、経済的貧困を低減緩和するとともに、貧困の連鎖解消に向けてしっかりと取り組んでまいります。
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