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掲載日:2024年3月26日

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答申第131号 「埼玉県公立小・中学校等教員採用選考試験に関わる「第2次試験の結果を転記する一覧表」の「人物考査書」の欄に記入する際の視点及び観点ならびに評価の視点や記入例」等の不開示決定(平成20年7月25日)

答申第131号(諮問第152号)

答申

1 審査会の結論

埼玉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が、平成19年5月31日付けで行った不開示決定は、妥当である。

2 異議申立て及び審議の経緯

(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成19年4月5日付けで埼玉県情報公開条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関に対し次の開示請求を行った。
平成19年度埼玉県公立小・中学校等教員採用選考試験に関わる

  • ア 「第2次試験の結果を転記する一覧表」の「人物考査書」の欄に記入する際の視点及び観点並びに評価の視点や記入例等(以下「本件請求文書1」という。)
  • イ 「第2次試験の結果を転記する一覧表」の「備考」欄など全ての「項目」の欄に記入する際の視点及び観点並びに評価の視点や記入例等(以下「本件請求文書2」という。)
  • ウ 場面指導の問題全部(以下「本件請求文書3」という。)

(2) 上記(1)の開示請求に対し実施機関は、平成19年5月31日付けで、本件請求文書1及び本件請求文書2については「不存在のため」との理由で不開示決定(以下「本件処分」という。)を行い、申立人に通知した。
なお、実施機関は、本件請求文書3については開示決定を行い、申立人に別に通知した。

(3) 申立人は、実施機関に対し、平成19年6月20日付けで、本件処分を不服とした異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)を行った。

(4) 当審査会は、本件異議申立てについて、平成20年3月12日付けで、実施機関から条例第22条の規定に基づく諮問を受けた。

(5) 当審査会は、実施機関から平成20年4月11日付けの「開示決定等理由説明書」(以下「説明書」という。)の提出を受けた。

(6) 当審査会は、平成20年4月14日付けで、説明書を申立人に送付した。なお、申立人は、反論書の提出をしておらず、口頭意見陳述の申立てもしていない。

(7) 当審査会は、平成20年5月19日に実施機関から意見聴取を行った。

3 異議申立人の主張の要旨

異議申立人が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1)本件異議申立て趣旨
「開示しない理由」の「1、2ともに不存在のため」とする理由は、納得できない。開示請求に関する文書不存在は、担当課所の公文書に関する不適正な取扱いである。

(2)本件異議申立ての理由

  • ア この「開示しない理由」にある「不存在」は、既に公開されている文書から合理性が無い。
    既に開示されている「第2次試験の結果を転記する一覧表」の「項目名」の中に、「管主」「管理主事面接」「人物考査書」「備考」欄があるにも関わらずその記入の際に「記入する際の視点及び観点ならびに評価の視点や記入例等」が全くないというのは基本的にありえない。他の項目の欄は「論文」「実技」「個人1」等一定の基準に関わって作成されている。「管主」等の項目欄だけ一定基準の文書がないのは合理性がない。
  • イ 「不存在」は教員採用選考試験に重大な疑惑を生じる可能性がある。
    「第2次試験の結果を転記する一覧表」にある項目については、基準文書があり明確にされている。ある項目については、基準もなく基準の文書がないというのであれば教員採用選考事業という極めて平等性、信頼性、透明性が問われる事業において県民の不信をかうことに繋がりかねない。一刻も早くこれらの基準についても作成し、公開すべきである。
  • ウ 「県の諸活動を県民に説明する責任」が全うされない。
    「文書不存在」では、「県の諸活動」の説明責任を全うしているとは言いがたい。
  • エ 他県の動向
    近年、全国的に情報公開・開示がすすんでいる。教員採用試験の内容、手順、方針等にかかわる資料については、基本的に重要文書は存在もし、すべて開示しているのが愛知県であり、その他の県でも情報公開が進んでいる。
  • オ 採用選考試験受験者の開示請求権に背くものである。
    本県教員採用選考試験の「選考」に関する情報を正確に知りたいという県民の開示請求権にそむくものであり、また、その情報によって、本県の学校教育に寄与できる教員になりたいと思っている受験者の願い(県民参加)に背くものである。

4 実施機関の主張の要旨

実施機関が主張している内容は、おおむね次のとおりである。

(1) 異議申立ての趣旨にある「担当課所の公文書に関する不適正な取扱い」とは、「不存在」を納得できないと申し出ていることを踏まえ、開示請求文書は「存在」しており「開示すべき」との不服であると考える。

(2) 「第2次試験の結果を転記する一覧表」は、「氏名」「性別」「受験番号」「教員免許状」など、受験者が記入した志願書等の内容や、受験者の第2次試験の得点、評価を転記するだけであり、「視点及び観点並びに評価の視点や記入例等」は必要がない。したがって、作成しておらず存在しない。

(3) 埼玉県教育委員会では、教員採用選考試験の第1次試験及び第2次試験の結果について、開示を希望する受験者本人に成績の開示をしている。また、教員採用選考試験に関する情報公開についても、情報公開条例に基づき適正に行っている。

5 審査会の判断

(1)本件異議申立てについて

申立人は、公文書不存在を理由とする本件処分について、「「開示しない理由」の「1、2ともに不存在のため」とする理由は、納得できない」と主張している。これに対し実施機関は、申立人が「「不存在」を納得できないと申し出ていることを踏まえ、開示請求文書は「存在」しており「開示すべき」との不服であると考える。」と説明書において述べている。
これらのことから、当審査会は本件処分の妥当性について検討する。

(2)平成19年度埼玉県公立小・中学校等教員採用選考試験に係わる「第2次試験の結果を転記する一覧表」(以下「一覧表」という。)について

  • ア 一覧表は、平成19年度埼玉県公立小・中学校等教員採用選考試験の最終的な合否を決める際に使用するために作成したものである。その記載内容は、志願書の記載内容、第2次試験の得点又は評価、人物考査書、備考欄等であり、各受験者の各書類からこれらの項目を一覧表に転記し、各受験者ごとに一行にまとめ、第2次試験受験者すべての分を一覧にしたものである。
  • イ 実施機関の説明によると、志願書からの転記内容は、受験者の氏名、性別及び受験番号等であり、すべての受験者の志願書から一覧表にそのまま転記したものである。受験者の第2次試験の得点や評価の欄も、各受験者の回答用紙等から一覧表に数字や記号をそのまま転記したものであり、人物考査書の欄も、各受験者が提出した人物考査書を評価した内容を、一覧表に転記している。備考の欄には受験者の中で一定の資格や経験等がある者がいた場合に、その資格や経験等をそのまま転記している。
    一覧表の記載項目は、毎年度大きく変わるものではなく、各種選考試験に関する書類から一覧表へ転記するのみであり、また、一覧表への転記作業は、採用試験事務を担当している職員が行い、一覧表の記載内容や記載方法等については採用試験事務の担当者及び上職者で確認するにとどまることから、記入要領等の書類は作成していない。
  • ウ 審査会で一覧表や人物考査書を見分するなど調査したが、実施機関の説明を覆すような事実は見当らなかった。

(3)結論

一覧表の作成方法は、受験生の志願書等の内容や第2次試験の得点や評価をそのまま転記し、備考欄についても同様にそのまま転記するものであり、転記作業も採用試験事務担当の職員が行うとのことからすれば、「視点及び観点並びに評価の視点や記入例等」を作成する必要がないため、本件請求文書1及び本件請求文書2を作成しておらず存在しないとする実施機関の説明は、一応の合理性が認められる。

以上のことから、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

6 附帯意見

本件処分の理由の提示が、本件の結論を左右するほどの違法・不当ではないとしても、実施機関においては、不開示決定通知書に単に「不存在のため」との理由を記載するだけでなく、公文書が存在しない具体的な事情を説明するべきである。埼玉県行政手続条例第8条では、申請者に対し、当該処分の理由を示さなければならないとされているところである。理由の提示は、実施機関の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を相手方に知らせて不服申立てに便宜を与えるものである。実施機関においては、開示しないこととする根拠規定及び当該規定を適用する理由を明確にし、開示請求者が不開示決定等通知書の記載自体から知り得るようにすることが望ましい。

(答申に関与した委員の氏名)
加々美光子、城口美恵子、山口道昭

審議の経過

年月日

内容

平成20年3月12日

諮問を受ける(諮問第152号)

平成20年4月11日

実施機関から開示決定等理由説明書を受理

平成20年4月21日

審議(第三部会第37回審査会)

平成20年5月19日

実施機関から意見聴取及び審議(第三部会第38回審査会)

平成20年6月16日

審議(第三部会第39回審査会)

平成20年7月16日

審議(第三部会第40回審査会)

平成20年7月25日

答申(答申第131号)

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