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ページ番号:289178
掲載日:2026年10月23日
Q 戸野部直乃 議員(公明)
物価高騰が続く中、県民の暮らしを守るためにも賃上げは大変重要な取組です。県では省力化やDX、価格転嫁など、中小企業の生産性向上に向けた様々な支援を進めています。しかし、賃上げを一時的なものにしないためには、企業自身が稼ぐ力を高め、利益を確保し、それを賃金に還元できる環境をつくることが大切です。
先日、地域の小さなハウスメーカーの方から切実なお話を伺いました。資材価格が高騰する中、大手企業は大量仕入れによって資材費を抑えることができます。一方、小さな地元企業では同じようにはいかず、仕入価格の上昇を販売価格に十分反映することも難しい中で、厳しい競争を強いられております。私は、こうした企業努力だけでは乗り越えることが難しい状況の中でも、地域に根を張り、雇用を守り、賃上げをしようと頑張っている企業にもっと親身に寄り添うことが必要だと感じています。
県には、中小企業を支える様々な仕組みがあります。しかし、日々の経営に追われ、自分の会社には何ができるのか、何から始めれば良いのか、最初の一歩を踏み出せない事業者もいらっしゃいます。
こうした中、私は、強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議のネットワークをさらに生かしていただきたいと考えます。戦略会議には、産業界、行政、金融機関、労働団体など、日頃から地域の企業と接する団体が参加しています。各構成団体が日頃接している企業の声から、地域の小さな企業が何に困っているのかを把握するとともに、その課題を乗り越え、生産性向上や賃上げにつなげた身近な事例を発掘していただきたいと考えます。そして、事例を紹介して終わるのではなく、同じような悩みを抱える企業に届け、うちでもできるかもしれないと思った企業をプッシュ方式で経営サポーターなど既存の相談や支援につなぎ、実際の取組まで後押ししていくことが大切です。
そこで、知事に伺います。
戦略会議の構成団体のネットワークを生かし、現場の課題や身近な成功事例を持ち寄り、相談、支援、実際の取組までつなげる仕組みを構成団体とともにつくってはいかがでしょうか。御所見を伺います。
A 大野元裕 知事
「地域企業の稼ぐ力を賃上げにつなげるために」の御質問ですが、企業が適正な利益を確保し、持続的賃上げを実現するには、生産性の向上とともに、適切な価格転嫁を促進し、稼ぐ力を高めることが重要です。
議員御指摘の「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」では、令和4年度以降、毎年度重点テーマの一つとして「価格転嫁の円滑化」を設定し、他の都道府県に類を見ない取組として、価格交渉支援ツールの提供、価格転嫁サポーター制度の創設、適正取引情報共有ネットワークの構築などに取り組んでまいりました。
戦略会議のネットワークを構成する金融機関との緊密な連携を通じて立ち上げた価格転嫁サポーターの数は、現在5,500名を超え、県内中小企業を訪問して直接、価格転嫁の支援情報等を日々届けております。
この価格転嫁サポーターは戦略会議を構成する各団体のネットワークを越えて、より丁寧かつ直接的に各企業にアクセスし、必要な企業に県のアプリや支援につなぐ役割を担っていただいています。
また、戦略会議の構成団体や県内中小企業等から聴取した現場の課題、賃上げ及び生産性向上の成功事例等は、価格転嫁やDXの事例集としてまとめており、これらを活用しながら、個別企業に対してプッシュ型で専門家による伴走支援を実施し、経営サポーターとも連携しながら課題の洗い出しから改善策の提示まで行っています。
さらには、議員御指摘の資材費を適正に反映できない取引先企業との問題については、国の取引かけこみ寺に訴える前の相談先として、適正取引情報共有ネットワークを設置し、丁寧に対応しています。
引き続き、戦略会議のネットワークを通じ、県内中小企業の価格転嫁や生産性向上を後押しすることで、賃上げの正のスパイラルにつなげてまいります。