埼玉県議会 県議会トップ画像

ここから本文です。

ページ番号:249811

掲載日:2024年3月26日

令和6年2月定例会 「文教委員長報告」

委員長 鈴木 正人

文教委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案6件であります。
以下、これらの議案に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、第40号議案について、「事務局職員の定数改正は、1人1台端末を活用した個別最適な学びの推進等に対処するためとあるが、どのような事務が増加するのか」との質疑に対し、「1人1台端末は、令和6年度以降に更新の時期を迎え、県と市町村で共同調達を行う予定となっていることから、全市町村が参加する会議の設置や、市町村への意向調査、調達する端末の仕様の決定、業者選定といった新たな業務が発生する」との答弁がありました。
次に、第52号議案について、「第4期埼玉県教育振興基本計画には、新たな中高一貫校の設置についての言及がないが、令和6年度からの5年間で整備は進めないのか」との質疑に対し、「県教育委員会では、アンケート調査や他県の特色ある中高一貫校の視察を行うなど中高一貫校の設置検討を行っている。中高一貫校は、子供たちのニーズに応える多様な選択肢の一つである一方、少子化の進展により、市町村によっては小・中学校の再編整備等も進めていることから、中高一貫校の設置については、今後の生徒数の減少状況、市町村への影響なども慎重に見極めながら、総合的な見地から引き続き検討が必要と考えている」との答弁がありました。
また、「部活動の地域クラブ活動への移行については、本計画では、地域クラブ活動の整備・充実を図るとあるが、策定中の埼玉県地域クラブ活動推進計画案との整合性はどうか」との質疑に対し、「地域クラブの整備・充実に向けての考え方や方向性は、計画案の記載内容との整合を図っている」との答弁がありました。
さらに、「本計画の競技スポーツの推進において、来年には日本初開催となる東京デフリンピックを控えているにもかかわらず、デフスポーツに関する記載がないが、取組の予定はないのか」との質疑に対し、「パラスポーツの概念に聴覚障害の方も含めており、今後、ボッチャなどのパラスポーツイベントや県内の学校を対象としたパラスポーツ体験などの中で、デフリンピックについても周知していく」との答弁がありました。
次に、第55号議案について、「ペーパーティーチャーセミナーの広報は、セミナー参加者の属性などを把握し、日常生活の動線の中で仕掛けることが効果的だと思うが、どうか」との質疑に対し、「今後、参加者の居住地や、勤務先、通勤方法などについても把握することで、より多くの参加者を確保するための効果的な広報を検討していく」との答弁がありました。
このほか、第41号議案、第42号議案及び第65号議案についても活発な論議がなされました。
第52号議案については、質疑が終了したところで、「第4期埼玉県教育振興基本計画は、令和6年度から5年間の本県における教育の基本理念や基本目標、施策体系などの根幹を定め、県民に対して埼玉県教育の姿勢を示す重要な基本計画であり、慎重に審査する必要がある。本委員会での審査を通じて、本計画案には欠落している点や不足している点が多くあることが明らかになり、改善を図った上で、更なる審査を行う必要がある。県民に対して誤解等を与えない、より良い計画を作り上げるには、今会期中の限られた期間で結論を出すことは困難であるので、継続審査とすべきものとすることを求める」との動議が提出され、直ちに、本動議を議題といたしました。
討論においては、まず、継続審査とすべきものとすることに反対の立場から、「中高一貫校やデフリンピックについて、現状、県の最上位計画である5か年計画に記載はない。本基本計画の本質的な部分は、原案でよいと考える」、「継続審査中に執行部が本議案を修正することは手続上できず、計画期間に空白が生じる」との意見が出されました。
次に、賛成の立場から、「本計画は社会の変化や国の施策、世界の動向に対して、柔軟にかつ迅速に適応し、未来を見据えたものでなければならない。本委員会で指摘のあった様々な質問や意見について考慮し、新たな議論を踏まえ、本計画を完成に近づけるための時間が必要である」との意見が出されました。
続いて、本動議について採決しましたところ、賛成多数をもって本動議を可決し、継続審査とすべきものと決した次第であります。
また、第52号議案を除く議案5件については、採決いたしましたところ、いずれも総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、所管事務の調査として、「小学校で行われている生い立ちを振り返る授業への配慮について」質問が行われました。
その中で、「授業のために、時系列で数枚の写真の提出を求められるが、事情により写真がない家庭や時系列でエピソードを書く欄が一部空白になる家庭もある。教員がすべき配慮について伺いたい」との質問に対し、「一律に出生時から順にたどって、自分の成長を振り返ることが、学習指導要領上求められているわけではない。児童が自分自身の成長を実感できることがこの授業の主眼であり、小学校入学時からの成長を振り返ることでも、授業の狙いを達成できるので、一律に写真の提出などを求める必要はない。これまでも通知やリーフレット等により市町村に対して周知してきたが、改めて教員一人一人への指導を徹底したい」との答弁がありました。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。

第53号議案〈急施議案〉

副委員長 宮崎 吾一

文教委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に急施を要するとして付託されました案件は、第53号議案のうち教育局関係の1件であります。
以下、この議案に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、「県立特別支援学校4校の空調改修工事による教育活動への影響はないのか」との質疑に対し、「教室内で作業が必要となる室内機設置工事は、児童生徒がいない夏休み期間に実施する。また、既存設備の撤去は、新設空調の整備完了後に行い、空調を使用できない期間が生じないよう、配慮して進めていく」との答弁がありました。
また、「埼玉県において、GIGAスクール運営支援センターは単独型での設置となっているが、地域間格差を解消する取組はどのように考えているのか」との質疑に対し、「令和6年度からは、県が設置する協議会に参加することが、市町村が国庫補助を受ける要件となる。協議会は現在も全市町村が参加しており、その中で好事例の共有や先進自治体・先進校の視察、授業の公開、指導主事による研修など、広域連携による取組を行っており、引き続きこうした取組を進めていく」との答弁がありました。
また、「GIGAスクール運営支援センターの設置に係る事業を急施議案とした理由は何か」との質疑に対し、「令和6年度当初予算で対応した場合、4月以降に契約事務に取り掛かり、設置は6月頃となるが、急施議案として議決いただいた場合、年度内に契約の準備が可能となる。4月中旬には設置したいと考えており、これにより学校現場に支援が早く行き届くこととなる」との答弁がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、本議案について採決いたしましたところ、総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。

 

  • 注意:氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

お問い合わせ

議会事務局 議事課 委員会担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4922

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?