埼玉県の熱中症対策(令和7年度)
1 目的
気候変動の影響により、国内では年平均気温が上昇しています。
埼玉県は内陸に位置し、気温が高い傾向にあることから、熱中症発症リスクが高く、熱中症の救急搬送者数及び死亡者数は高止まりの状況です。
こうした状況を踏まえ、県、市町村、消防、保健・医療・福祉等関係団体、自治会、民間企業等が協力し一体となって対策に取り組むことで、熱中症による救急搬送者数の減少と死亡者の発生の防止を目指します。
2 熱中症対策に関する施策の基本的方向
(1)目標
熱中症による救急搬送者数及び死亡者数の減少
(2)県の基本的役割
ア 熱中症対策のための庁内体制の整備
イ 市町村が行う熱中症対策に関する事務又は業務の実施の支援
- 市町村が行う熱中症対策に対する財政支援(効果的な熱中症予防対策支援事業補助金)
- 市町村職員等に対して熱中症予防対策に係る研修を実施し、地域で効果的に熱中症予防対策を実施する市町村職員等を育成
- 各市町村が実施する熱中症予防対策の好事例の収集・紹介
- 市町村に対して、暑さ指数に応じた住民への呼び掛けについて助言
- 涼み処(まちのクールオアシス等)事業の支援と県民への周知
- 改正気候変動適応法に基づき市町村が指定した指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)の把握及び県民への広域的な周知
ウ 広域的な熱中症対策の推進
3 熱中症対策の具体的な施策
(1)命と健康を守るための普及啓発及び情報提供
ア 効果的な普及啓発の実施
- 企業等との連携による熱中症予防の周知啓発
- 彩の国だより、県政広報テレビ・ラジオを活用した啓発
- 熱中症予防リーフレット等を活用した啓発
- 暑さ対策のため日傘を使いやすい環境作り(「暑さ対策」としての日傘の普及啓発)
イ 暑さ指数及び気温の観測及び予測情報等の提供
ウ 熱中症警戒情報の発表及び周知と熱中症予防行動の徹底
- 「さいたま減災プロジェクト」を活用した熱中症予防啓発
- 健康長寿課から市町村等に注意喚起の一斉メール発信(暑さ指数31以上)
「熱中症警戒情報」発表時には一段階強化した注意喚起のメール発信
- 「県公式LINE」からのプッシュ配信による注意喚起(暑さ指数28以上)
- 市町村行政防災無線や広報車、SNSなどを活用した注意喚起
- 熱中症特別警戒情報の発表時、市町村、庁内及び関係団体等に確実に情報を伝達するための連絡体制の構築
エ 熱中症発生状況等に係る正確な実態把握及び情報提供
- 消防庁に報告した埼玉県における熱中症の救急搬送状況を消防課から各消防本部及び保健医療部健康長寿課に情報提供するとともに、消防課HPに公表
(2)熱中症弱者のための熱中症対策
ア 市町村が行う高齢者への直接的な注意喚起に対する県の財政支援
イ 要援護高齢者等支援ネットワークを活用した声掛け・見守りの実施
ウ 公営住宅等の高齢者等への見守りの実施
エ 屋内での熱中症発生への注意喚起
オ 本格的に暑くなる前からの暑熱順化の推進
(3)管理者がいる場等における熱中症対策
ア 学校現場における熱中症対策
- 「県立学校版熱中症対策ガイドライン」を作成し、県立学校に熱中症対策を徹底するよう周知
- 市町村教育委員会に本ガイドラインを提供し、小中学校等においても熱中症対策を講じるよう依頼
- 県立学校に対して、通知及びメールによる熱中症注意喚起を実施
- 市町村教育委員会に対して、通知及びメールによる熱中症注意喚起を実施
- 私立学校に対して、通知及びメールによる熱中症注意喚起を実施
イ 職場における熱中症対策
- 健康経営実践事業所等を対象に、職場における熱中症対策の好事例を紹介
- 埼玉労働局と埼玉県が連携した職場への働きかけ
ウ スポーツ時における熱中症対策
- 熱中症予防の普及啓発・注意喚起に関するスポーツ庁等からの周知依頼に対応
- 市町村スポーツ主管課長会議において、熱中症特別警戒情報等についての情報提供
- 埼玉県障害者スポーツ協会受託事業について、会場内に看護師を配置することや水分補給、日陰の活用等こまめな注意喚起を行うよう指導
エ イベント時の熱中症対策
- 公園の指定管理者に対し、特別警戒アラート発表時の対応を依頼
オ 災害時の避難所での被災者及び支援者における熱中症対策
カ 農業現場における熱中症対策
- 研修参加者を対象に熱中症対策に関する注意喚起を実施
- 市町村、農林振興センターを通じて、啓発用のステッカーやチラシを農業者へ配布
- 農業支援課HPに農作業中の熱中症予防対策を掲載
- 農業関係機関に対して注意喚起の文書を発出
(4)その他の熱中症対策
熱中症傷病者に対して適切な対応がなされるよう、県内医療機関等へ協力を要請